gold rush と 銃社会

ゴールドラッシュに関する日本語の書物は少ないです。今「カリフォルニアの黄金-ゴールドラッシュ物語 越智道雄著 朝日選書」を斜め読みしています。紀行文形式で情報をピックアップするのには骨が折れますが、雰囲気がわかります。 第一次ゴールドラッシュで得られた金は当時のお金で5.83億ドルというのはこの本の記述です。貨幣価値の換算は資料が探せなかったので、この本の「元の暮らしに戻って1日働いて50セントか、それともここで1日4ドルもらうか」という記述から、50セントが現在の日本円にして5000円くらいかな、というところで8兆円程度と換算しました。 1848年にカリフォルニアで大量の砂金が発見され、大統…

Telluride村の名前の由来

Telluride村は1878年に作られたそうです。名前の由来は、同じコロラド州で発見された gold telluride (AuTe2)鉱物だそうです。 https://en.wikipedia.org/wiki/Telluride,_Colorado 金も出たそうですが(1875年発見)、AuTe2はここからは産出されませんでした。亜鉛、鉛、銅、銀がとれたそうです。現在はスキーリゾートです。最初のリフトは1972年に建設されたので、比較的新しいですね。 telluride.comという名前のサイトをみつけて興味を持ちました。日本語のページもあります。 https://www.telluri…

世界の研究所:Telluride Historical Museum

今週の世界の研究所(?)は、Happy Holidays!で少しふざけることを許していただいて、Telluride Historical Museum (米コロラド州)です。 https://www.telluridemuseum.org/ ここはゴールドラッシュで作られた Telluideという町の歴史を説明する観光用の施設です。 tellurideとは、我々化学者は52番元素テルル(Te)を陰イオンとしてもつ化合物、「テルル化物」という意味で使います。町の名前としては粋な命名ですね。 なぜゴールドラッシュの町がテルル化物なのか、ゴールドラッシュはどのくらいの規模の金がとれたのか、何人来て何…

知識創造企業(4) 暗黙知を形式知に変えるにはたとえ話が役に立つ

金曜日の「知識創造企業」4回目は3章前半です。暗黙知から形式知して新しい価値(製品、しくみなど)を創造するにはどうしたらよいか、を説明しています。 (1)暗黙知の共同化 (2) 暗黙知から形式知への表出 (3) 形式知の連結 (4) 形式知の内面化により個々人の暗黙知へ という4段階をスパイラル状に経由して知識が進化していくというモデルです。色々実例が上がっていて、(1)では、開発合宿が重要で、コピー機のドラムカートリッジの開発合宿でビール缶を見てひらめいたとか、(2)ではパナソニックのパン焼き機では開発者が有名ホテルのパン屋に弟子入りして苦労の末、パンをこねるときの「ひねり」の重要性に気づい…

太陽系外縁領域に「彗星の巣」がある

彗星はどこからくるか、という問題の回答として、オールト雲(Oort cloud) というモデルが提唱されています。オールト雲は2000天文単位~1万天文単位離れていて、太陽系の境界とされています。1天文単位(astronimical unit;au) は 地球と太陽の平均距離、光で8分13秒かかる距離で、1au=1.5億kmです。オールト雲は氷等でできていて、彗星の巣であるというモデルです。 https://starwalk.space/ja/news/what-is-oort-cloud https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%…

ふたご座流星群

明日がふたご座流星群のピークで、楽しみにしていたのですが見えなさそうな天気予報です。ハワイのすばる天文台のライブカメラで我慢しますか。 https://www.youtube.com/watch?v=CKSv05ajKL0 流星群は、破砕した小惑星や彗星のかけらの軌道と地球の軌道が交わっているところを地球が通過するときにおこります。地球の公転軌道に対してほぼ固定されているので、特定の星座のどこか1点から放射状に流れるように見えます。 流星が多く有名なものは「しぶんぎ座(1月4日)」「ペルセウス座(8月13日)」「ふたご座(12月14日)」です。1時間当たり40個だと、90秒ごとに1個見えること…

成功したDART実験 — 宇宙機を小惑星に衝突させて軌道を変える 

Heraが結果を見に行く、NASAによる小惑星に宇宙機をぶつけた実験はDART(double asteroid redirection test)という名前です。 https://science.nasa.gov/mission/dart/ 2022年9月6日に衝突に成功しました。地球から1100万mの距離(月と地球の距離の30倍)で、500kgの宇宙機が14000miles/hour= 22531 km/h= 6.26 km/s の速度で衝突したとのことです。 90分の特集番組がyoutubeに載っています。飛ばしながら見ましたがよくできています。 https://www.youtube.c…

世界の研究所 欧州宇宙機構の探査機 Hera

今週木曜日はふたご座流星群です。今年は晴れていればたくさん見えると予想されています。流星は地球軌道上の岩(”小さい”小惑星)が地球と衝突してできるものです。流星群は、小惑星がたくさん集まっているところを地球が通過するときに見えます。 今週の世界の研究所は、European Space Agency (ESA)の宇宙探査機Heraを取り上げます。 https://www.esa.int/Space_Safety/Hera この探査機のミッションはちょっと込み入っていて、小惑星が地球に衝突するのを回避する計画に関するものです。映画「アルマゲドン Armageddon」(19…

知識創造企業(3) ゴミ箱モデルほか、従来の経営学理論は役立たない

金曜日の「知識創造企業」3回目は2章の後ろ半分です。古代からの哲学における「知識」の扱いを踏まえて、20世紀からの経営学研究における「知識」について解説しています。 いま、締切に追われているので、節の見出しだけ拾っていきましょう。Marshall, Hayek, Schupenterの比較、Penrose, Nelsom, Winterらが論じる「知識の蓄積場所」としての企業、 経営・組織理論における「知識」、科学的経営と人事の理論、およびその統一の試み、Simonの経営を情報処理パラダイムとしてとらえる理論、ゴミ箱モデル、 ビジネス戦略の科学、企業文化研究、Drucker(ドラッカーは有名で…

ウェッブ宇宙望遠鏡の打ち上げ

James Webb Space Telescopeの打ち上げのライブ動画の録画(2時間余)がyoutubeにあがっています。2021年12月25日です。 https://www.youtube.com/watch?v=7nT7JGZMbtM 6分ぐらいに司会の女性が I am an astronomer. と自己紹介しているのがいいですね。 15分くらいの、なぜ赤外線の望遠鏡を作ったのかという解説もわかりやすいです。惑星の水分子や星雲などの分子を見ること(おそらく熱による発光)、赤外領域まで赤方偏移した古い遠くの恒星や銀河を見ることが目的です。 20分くらいから製作の様子や苦労など。責任者の…