ローソク足

受験指導のバイトをしている人は知っていると思いますが、昨年のセンター試験の数学I/Aで、「箱ひげ図」が出題され関係者はのけぞりました。箱ひげ図は、株や外国通貨取引(FX)で使われる「ローソク足 candlestick chart」に形が似ています。ローソク足は本間宗久の1755年の市場心理の教科書が初出とのこと(wikipedia英語版。日本語版では本の真贋について疑義)。彼は米相場で億万長者になった人で、世界最古の相場師の一人と言われています。 https://www.dnc.ac.jp/center/shiken_jouhou/jisshikekka/index_copy.html htt…

タンパク質データベース

タンパク質データベース protein database は見て楽しいです。タンパク質の英語名を入れると論文や構造が出てきます。下記は、磁性の酸化鉄をため込むferritinというタンパク質の構造です。空洞にマグネタイトがたまります。内側のNHやCOの配置が特殊で、Fe2+かFe3+の親和性が高いのと、マグネタイトのどれかの面とエピタキシーも起こっているはずだと思います。フェリチンは鉄の濃度調節のために人間も持っていますが、渡り鳥が方向を決める磁石としても使っているとのこと。渡り鳥についてはかなりわかってきているので、詳細はいずれ解説します。このスケールで原子を好きなように配置できれば楽しいこ…

超伝導加速器とNbの精密加工

先週のKEKB加速器では、超伝導加速器が使われています。現在の加速器は、荷電粒子の運動に同期した交流電圧(GHz)を周期的共振器にかけることで、進行する振動電場を発生、粒子を同期させて加速します。同じ振り子を等間隔で紐に結びつけて揺らすとき、振り子の共振周波数から少しずらして揺らすと、進行波ができる原理です。 そこに超伝導(Nbニオブ)を使うことで電力損失を半分以下に減らす技術は日本発です。それでも消費電力は「岩手八幡平で計画中のILCで12万kW」だそうです。一世帯あたりの消費電力は最大で0.5~1.5kW(空調の有無による)だそうですから、約10万世帯分ですね。1世帯の電気代が月1万円だと…

世界の研究所 KEK

世界の研究所紹介、どこから始めるか悩みましたが、ノーベル賞&面白い設備か歴史がある、という条件で始めましょう。例外も出るかもしれません。第1回は日本からということで、つくばの「高エネルギー加速器研究機構・素粒子原子核研究所」です。 小林・益川理論でノーベル賞が出ています。立花隆「小林・益川理論の証明 陰の主役Bファクトリーの腕力」に詳しい解説があります。top quarkを探したトリスタン計画(敷地で一番目立つ、全長3kmの四角)がエネルギー不足で空振りになり、私が院生のころは沈鬱なうわさが聞こえていました。しかし、設備を改造してB中間子をたくさん作って崩壊を測定するB-factory計画を行…

食べらさる

北海道・北東北方言「~さる」(例.食べらさる、言わさる)はnative でない私には難しい言葉です。 下記卒業論文(2014 Lund Univ.(Sweden), 注意 pdfダウンロードリンク)では do something by mistake とありますが、 http://lup.lub.lu.se/luur/download?func=downloadFile&recordOId=8954540&fileOId=8954541 私の理解では、主語がない使役形で、自分の意志ではなく何かわからないものにやらされている(食べらさる=箸が進む,言わさる=言っちゃう)という意味…

プログラム言語と年収

得意とするプログラム言語と年収の関係(もちろん、プログラマーのです): https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00138/082100615/?P=2 COBOLは銀行の古いシステムのデータベースなどを新しいシステムに作り替えるときに解読する必要があります。言語だけではダメで、古いデータベースの解読ノウハウなど、特殊な経験が必要で高価になります。また、COBOLのプロは高齢者のため年功もあるかもしれません。プログラム系のアルバイトするならば、単発仕事が多く、コードが短いweb関係がいいと思います。wordpressはバージョンアップでかなり面倒…

寛政暦

幕府天文方の話題。高橋至時は伊能忠敬の先生で、間重富と共同して寛政暦(1798)を作った人です。暦は結局、地球と月の軌道を表す式の係数を観測により求めることに帰着します。寛政暦では楕円軌道とケプラーの三法則をオランダの本で勉強して使っています。係数のチェックは日食・月食・星食の予測です。高橋至時は寛政暦で日食の開始時間に15分の誤差が出たことを苦にして、結核を押して夜間の天体計測を続け、41歳で亡くなってしまいました。この厳しい職業倫理は武士の教育から来ているというのが私の考えですが、どうでしょうか(至時(よしとき)、という名前に決意が表れているように思います)。先人は範とすべきところが多いで…

加圧式ボールペン(3)

Fisher Space Penのビデオつづき。 こちらは量産設備。40秒くらいからのペン先の加工(油の中で多段階)が面白いです。冷却+潤滑の油の中で削って最後にボールを入れて絞っていますね。精密絞り加工は日本が得意とする技術で、ボールペンのペン先は日本製の人気が高いです。油にも秘密があります。この量産設備に対して、一昨日の手作り設備の役目は何でしょう?新製品の試作でしょうか?この設備も小さいですが、1秒に1本くらいできますね。この会社は従業員は51-100人とのこと。前のビデオの若いほうの人が社長のようです。飛行機の中でインク漏れをするボールペンがありますが、知らないで加圧式を買っていたかも…

第100回

「今日の英語」は在宅開始の4月20日に始まって、平日だけなので今日が多分100回目です。前文(「コラム」)は朝礼代わりに皆さんに役立つ知識を考えていますが、私の趣味で、歴史上の人物(かなり江戸時代)、面白い技術、IT系、会社の失敗、安全工学等、偏っています。中国古典、世界の研究所紹介はまだ出していませんので1年分はあると思いますが、ネタが尽きたら皆さんから募集するかもしれません。皆が知るべき情報の提案あればいつでもどうぞ。 thin やせた、細い lean (贅肉がなく引き締まって)やせた; > lean burn 内燃エンジンの希薄燃焼(燃費がいい) gaunt (病気などで)げっそりやせた…

加圧式ボールペン(2)

昨日の加圧ボールペンの会社Fisher Spacepenの動画がありました。信じられないくらい小さい設備で世界展開していますね。 「一つ一つ手作り」はこんなものです。オリジナルなものを作れば、やり方はいくらでもあるということです。我々も頑張りましょう。全部見ると長いので、下記、7分くらいからカシメ工程。 https://www.youtube.com/watch?v=TzSthnzOpWk 暇な人にクイズです。製造装置を説明してくれている恰幅の良いTシャツのおじさんの給料はいくらにすべきでしょうか?(答は知りません)この会社のペンはamazonで4000円~16000円と高価です。ブランド力は…