Heraが結果を見に行く、NASAによる小惑星に宇宙機をぶつけた実験はDART(double asteroid redirection test)という名前です。
2022年9月6日に衝突に成功しました。地球から1100万mの距離(月と地球の距離の30倍)で、500kgの宇宙機が14000miles/hour= 22531 km/h= 6.26 km/s の速度で衝突したとのことです。
90分の特集番組がyoutubeに載っています。飛ばしながら見ましたがよくできています。
リポーターは俳優かコメディアンかと思ったら、”space comms strategst”という肩書で、Graduate School of Journalism を卒業した宇宙関係の広報活動をしている人のようです。日本でもこういう仕事の人が見られるようになりましたね。
衝突の瞬間がこちら。
カメラを積んだもう1機が追尾していて、衝突後の様子をとらえています。連星(binary)の小惑星の小さいほうからたくさんの物質が飛び散っているのがわかります。衝突された小惑星の2%の質量が飛び散ったと計算されています。
恐竜を滅亡させた6500万年前の小惑星は直径10kmと言われています。直径10kmを超えるものは全て調べられていて、現在地球に衝突するコースにあるものははないとされています。現在は、直径1km以上のものを調べているところだそうです。
細かい数値が下記(ジョンスホプキンス大応用物理学科)に載っていました。
https://dart.jhuapl.edu/Mission/index.php
連星系の公転周期が11時間55分だったものが、衝突後は11時間22分になった、ということです。
DARTが衝突した小惑星Dimorphosは直径150~170mです(連星の大きいほうが直径760~780m)。直径1kmだと、質量は(1000/170)^3=200倍になるので、地球のかなり遠くで衝突させないと軌道をそらせられないでしょう。小惑星同士の衝突等で軌道が変わることがあるので、定期的に見張っていないといけません。
英語は上記サイトから拾ってみます。
dart ダーツの矢
aftermath of NASA’s DART experiment 「ア」フタマす 余波、戦争や災害の後の状態、直後の時期
boulder 「ボ」ウるダー 丸石 米国コロラド州、ロッキー山脈のふもとにBoulderという市があります。若い時に行ったことがありますが、雷がひどかったです。
spacecraft 宇宙機 と訳すみたいです。
excavate 「エ」クスカヴェイト 掘る、発掘する、掘り出す、掘りぬく level 11
be excavated from the surface of the asteroid 小惑星の表面から掘り出された
coalesce コア「れ」ス 合体する
“Or a seismic wave from the impact may have rattled through the asteroid – like hitting a bell with a hammer – shaking lose the surface rubble.”
a seismic wave 地震波 「サ」イズミック level 11
seismology 「サ」イズモろジ 地震学
rattle がたがた鳴る、がたがた走る クラスレート化合物という、かご状の構造に重い原子が入っている結晶があり、かごの中で重い原子が揺れ動くことを”rattling”と言います。
rubble 石やレンガの破片、がれき
“While no known asteroid larger than 140 meters in size has a significant chance to hit Earth for the next 100 years, only about 42 percent of those asteroids have been found as of March 2023.”
140m以上の大きさを持つ小惑星で地球に100年以内に衝突する可能性があるものは知られていないが、2023年3月時点でそのうちの42%しか見つかっていない。※ちょっと意味が取りにくいです。42%の母数が何なのか、どうやって調べたのかがわかりません。140m以上の大きさで、軌道が調べられているのが42%ということでしょうか?