アミロペクチンの合成経路

アミロースとアミロペクチンの生合成経路がどこまでわかっているか調べました。 https://photosyn.jp/pwiki/?%E3%83%87%E3%83%B3%E3%83%97%E3%83%B3%E3%81%AE%E5%90%88%E6%88%90%E3%81%A8%E5%88%86%E8%A7%A3 https://katosei.jsbba.or.jp/view_html.php?aid=1141 複数ある別々の役割を持つ酵素は同定されています。また、「アミロペクチンの側鎖は左巻き二重らせん構造(1~10 nmのスケール)を形成し,澱粉分子は細胞のサイズにも匹敵する澱粉粒(1~10…

イネ科植物のウルチとモチ

イネ科穀物(米、麦、粟、稗、黍、トウモロコシなど)にはウルチとモチがあります。ウルチは枝分かれの少ないでんぷん(アミロース)が主成分~半分くらいで、モチはアミロースがほとんどなく枝分かれの多いアミロペクチンが主成分の場合です。関連遺伝子は特定されていて、waxy(ワクシー、waxのようにつやがある、の意)遺伝子と呼ばれています。waxyが働いているとウルチになり、変異があり正常に働いていないとモチになります。 植物は基本的な遺伝子が複数集積した「倍数体」をとるものが多くあり、コメは2倍体/4倍体、小麦は2,4,6倍体、トウモロコシは通常2倍体でまれに4倍体だそうです。倍数体の場合は変異の割合に…

雑穀の英語は なんとか millet。キビダンゴはインド料理にもある

昨日紹介した論文は英語で、「キビ 黍」と訳した英語はmilletです。他の雑穀(アワ 粟、ヒエ 稗)の英語を調べたらすべてmilletがつくことがわかりました。英語ではあまり区別しないようですね。どれも乾燥地帯 arid areas で作れる穀物で、2か月以内に収穫できる特色があります。すべてイネ科です。 キビ white millet / hog millet / Proso millet; hogは大人の豚。 Prosoはロシア語でキビを指す。 アワ foxtail millet 穂がキツネの尾のようにふさふさしている。 ヒエ finger millet 穂が指のように分かれている。 どれ…

世界の研究所:Univ. Cambridge, McDonald Institute for Archaeological Research

お米は店頭に戻ってきたようでやや安心ですが、未来の炭水化物の摂取を考えると、たくさんある穀物の地理的分布やそれぞれの特色が気になります。先週、英国の大学(Univ. YorkとUniv. Cambridge, McDonald Institute for Archaeological Research)が日本の縄文土器・弥生式土器の穀物の痕跡を解析して、コメとキビが大陸からほぼ同時に入ってきたが、キビは定着せず、調理の内容としてはそれ以前の漁撈・採集社会からの変革もほとんど起こらなかった、という論文を出しています。 https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.2…

Ruan Ji’s Poems and Essays(1):竹林の七賢のリーダーで「白眼視」の語源

金曜日の読書は今週から阮籍の「詠懐詩」と文章を訳した”Collected Poems and Essays of Ruan Ji - translation by Atticus Lin, Neotao Studio, Kindle 版”を読もうと思います。阮籍(AD210-263)は三国志の時代の魏(AD220-265)の人です。魏は曹操とその子が蜀・呉を滅ぼしたあと、司馬懿(「死せる孔明、活ける仲達を走らす」の仲達)の子孫に乗っ取られて滅亡します(魏→晋)。その際、曹操の子孫と司馬仲達の子孫の熾烈な争いに巻き込まれないようにするために官職から離れて過ごしたグループが…

南極の氷の地質年代による変化

南極の厚さ2000m超の氷(Ice Sheets)が融けているのはここ20年ほどの観測で明らかなようです。 https://climate.nasa.gov/vital-signs/ice-sheets/?intent=121 しかし、歴史的にどうかというと、氷が全くない時期もあれば地球全体が氷に覆われた「全球氷結 Snowball Earth」の時期もあり(24~21億年前と8.5~6.3億年前)、複雑です。地球の歴史を見ている存在があるとすれば、「このくらいでガタガタ騒ぐな」と思っているかもしれません。下記によれば(このwebは時々ならば無料で読めるようです)、火山活動によるCO2発生と植…

カタバ風はフェーンと違って寒い

南極越冬隊の人の講演で「カタバ風」というのが出てきました。katabatic wind で、滑降風と訳すようです。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BB%91%E9%99%8D%E9%A2%A8 高地で放射冷却によって冷えた空気が重くなり、重力で低いほうに流れて強い風が吹くようです。 南極、グリーンランド、アラスカなどでブリザードを伴う強い風になるそうです。 温帯の山地でも、日本の「颪(おろし)、例:六甲おろし」、アドリア海のボーラ(Bora)、フランスのミストラル(mistral)、カリフォルニアのサンタアナ(Santa Ana その風が吹く地名でもある)…

南極の基地は45か所

南極にある基地は55か国により45か所が運営されているようです。 https://en.wikipedia.org/wiki/Research_stations_in_Antarctica 滞在人数は夏季は4800人、冬季は1200人ということで、極限環境で頑張っている人がいるのは素晴らしいですね。冬季の内陸は補給もなく数か月貯蔵物資で耐える必要があるようです。 1898年につくられた最初の基地の写真があります。 https://en.wikipedia.org/wiki/Research_stations_in_Antarctica#/media/File:Camp_and_Hut,_Ant…

世界の研究所: 南極の Amundsen-Scott Pole Station

先週の学会で南極越冬隊の話を聞きました。越冬隊は30人程度で、昭和基地に滞在します(現在第67次。出発から期間まで1年2か月だそうです。)。昭和基地の位置は南緯69度で、オーロラが良く見える緯度だそうです。オゾンホール、CO2濃度、重力場の精密測定や生物調査をおこなっているそうです。 https://www.nipr.ac.jp/antarctic/ 南極点にも基地があります。これは米国のアムンゼン・スコット基地(Amundsen-Scott)です。南極点に最初と2番目に到達した2つの探検隊の隊長の名前がついています。1956年設立です。50人程度が越冬するそうです。 https://en.w…

No B.S. Price Strategy(14): 21章 価格を決めるのは経営者だけ 22章 不況時の価格

金曜日の読書”No B.S. Price Strategy:…”は第21章 “A jury of four but only one decides fate 四人の陪審だが一人だけが運命を決める”,第22章 “Price in recessions 不況時の価格” です。23章、24章もありますが、広告文の実例や情報商材の案内なので、本文はここまでです。21章は、自分、自分の会社の社員、同業者、顧客の4つが価格に影響力を持つが、自分以外の言うことを聞くと価格は底辺をさまようことになる、ということを説明しています。抜粋で…