西行(5) 保元の乱と平治の乱

金曜日の読書の西行の解説書、今回は保元の乱(1156)と平治の乱(1160)の解説とその前後の和歌の紹介です。保元の乱は、鳥羽上皇と崇徳院(鳥羽上皇の子供とされているが、鳥羽上皇の父の白河上皇の子とのうわさがあった)の不仲からきており、鳥羽上皇が崇徳院に権力を与えないように、またその子孫を天皇にしないように設定したため、鳥羽上皇の死の直後にクーデターを起こしたものです。その日のうちに制圧され、崇徳院は勝者である後白河天皇により四国の讃岐に配流されました。崇徳院は西行と親交のある歌人でしたが、8年後に死去し、日本三大怨霊の一人になったとされています(他は菅原道真と平将門)。平治の乱は、後白河上皇…

armとintelのCPUの演算性能/消費電力の比較

arm社のCPUは低消費電力で携帯電話で大きなシェアをとっていますが、どのくらい低消費電力なのでしょうか。2014年の記事には下記があります。 https://www.androidauthority.com/arms-secret-recipe-for-power-efficient-processing-409850/ ベンチマーク値としては、我々が計算に使っているintel core i9-13900KSが「61970」なのに対し、arm cortex-A72 16core 2200MHz が「5470」なので、11倍の性能差があります。 https://www.cpubenchmark…

arm社のライバルはopen source RISC-V

arm社はトランジスタ30000個でできた32bitCPUの設計が携帯機器で広く使われることにより超優良企業になりました。30000個は驚くほど少ないという印象です。 現在のライバルと考えられているのは、UCBerkleyが発表したオープンソースRISC-V (Vはfive)です。これはライセンス料が無いので製品は安く作れますが、開発の動機づけが強くないため、超高性能を示す設計ができるとは考えにくいです。したがって、armの安価な古いプロセッサを置き換えるのではないかと考えらています。 https://ja.wikipedia.org/wiki/RISC-V RISC-Vは、Chiselという…

riscとcisc

arm社は、advanced risc machines の略です。 risc (リスク)とは、reduced instruction set computer で、対義語は cisc (シスク) complex instruction set computer です。 risc対cisc論争、というのが私が学生の時に盛り上がっていました。これらが何か、というのは下記がよくまとまっています。 https://edn.itmedia.co.jp/edn/articles/1404/07/news001.html ここでマイクロROM方式(ciscで使う)とランダムロジック方式(riscで使う)と…

世界の研究所 英国 arm社

今週の世界の研究所は、今年9月14日に米国NASDAQ市場に再上場を行ったarm社です。1975年に英国で設立されたベンチャーがもとになっています。 https://www.arm.com/blogs/blueprint/arm-official-history 自分では半導体の製造を行わないで、CPUとその周辺回路の設計図(トランジスタの接続等)を売ることにより収益を上げています。携帯電話などで高いシェアを持っており、車載コンピュータや通常のCPUにも進出しています。2016年にソフトバンクが3.3兆円で買収した時は話題になりましたが、まだ株価が乱高下中ですがかなり現在の価値は上がっていて(…

西行(4) 月を詠む

金曜日の読書の西行は、月を詠んだ詩を紹介しましょう。出家後、鞍馬山、伊勢の次に高野山の近くに庵を構えます。 ふかき山に 澄みける月を 見ざりせば 思い出もなき わが身にならまし Passage into dark / mountains over which the moon / presides so brilliantly… / Not seeing it, I’d have missed / this passage into my own past. 「まし」は「~だろう」です。 月すめば 谷にぞ雲は 沈むめる 峰吹き払う 風に敷かれて So brillian…

筆跡鑑定の方法

下記、実際の鑑定のやり方が書いてあり面白かったです。こういう発信は営業活動として役に立ちますね。そのおかげで、机上で得られる情報が飛躍的に増えているわけです。 https://www.yjrc.jp/hisseki-kantei/ 江戸時代のように世襲の鑑定人が権威を保てる時代ではないので、カンと経験ではなく、客観的なやり方が必要になると思います。筆跡鑑定もいずれはAIが主役を務めるようになると予想しますが、まだだいぶ時間がかかると思います。AIは判断過程の説明が苦手なので、そこも悩みの種です。 客観性を出そうとする動きの一つとして、紙の表面の干渉画像から筆圧を算出して本物と偽物を見分けるとい…

英語の筆記体の変遷

昔中学校で習った英語の筆記体と、最近の手書き文字が違うのではないか、と疑問に思っていました。 映画などで見る古い字体も(主に傾きの角度が)違う気がしていましたが、何回か変遷があったようです。 1660~1850 round hand / roundhand ルネッサンスでできた書体のようです。 https://en.wikipedia.org/wiki/Round_hand 1850~1925 スペンサー式筆記体 Spencerian script  映画 Indiana Jones や Harry Potter などで見る手紙の字でしょうか。アメリカの標準だったそうです。 https://e…

筆跡鑑定はまだ人間がやるしかない

筆跡鑑定は、古美術の真贋にかかわるだけでなく、遺言書や脅迫状など裁判で扱われることもあるようです。筆跡鑑定人の一般社団法人が存在しますが、どのくらい組織されているかは不明です。 https://www.kcon-nemoto.com/organization/ 裁判で使う鑑定書は数十万円のようですが、下記のようにもめる例もあるようです。 https://www.kcon-nemoto.com/news/tokyoshinbun081129.html 英語でも業界人と思われるブログを見つけました。 https://forensicfield.blog/the-principles-and-the…

世界の研究所:慶応義塾大学・斯道文庫

今週の世界の研究所は、慶応義塾大学附属研究所・財団法人斯道文庫を取り上げます。 http://www.sido.keio.ac.jp/index.php 教授5人、専任講師1人のこじんまりした組織で、炭鉱・セメント王の麻生太賀吉氏の寄贈がもとになっていて、日本および東洋の古典を研究しているようです。確かに、古文書は改築などに伴ってまだまだ出てくるでしょうから、寄贈先が必要ですね。国公立大学は経費の管理が面倒なので、私立大学はよい受け皿になると思います。西行について色々調べていたらここで行われた面白い展覧会を見つけました。近くなら行きたかったです。 https://bijutsutecho.co…