孫子 呉越同舟

今週の孫子は、第11章「九地篇」(The Nine Situations)から、「呉越同舟」です。 「29 故善用兵者、譬如率然。 率然者、常山之蛇也。撃其首則尾至、撃其尾則首至、 撃其中則首尾(にんべんに具、「ともに」)至。30 敢問、兵可使如率然乎。曰、可。 夫呉人与越人相悪也、当其同舟而済遇風、其相救也、 如左右手。31 是故方馬埋輪、未足恃也。32 斉勇若一、政之道也。33 剛柔皆得、地之理也。 34 故善用兵者、携手若使一人。 不得已也。」 常山にいる「卒然」という大蛇が一部を攻撃されると他の部分で逆襲するように、部下を一体として動かすにはどうするか。敵同士の呉と越の人が嵐の舟の中で…

赤外線吸収塗料

ドットパターン技術には、可視光に透明かつ赤外線を吸収するインキも重要です。そこで、赤外線吸収塗料について紹介します。 無機物 LaB6,Cs_xWO3,In_2-xSn_xO_3 等は、断暑(寒)用の窓ガラスに使えます。 http://www.ohkuchielectronics.co.jp/ink.html https://www.nanotechexpo.jp/2019/main/nano_insight_japan/190108_sumitomo_metal_mining.html 認識用のドットパターンの印刷は、カーボン粒子(安い)か、有機物のほうがいいでしょう。カーボン粒子は可視光で…

紙面位置認識の特許

紙面に場所によって異なる細かいパターンを印刷して位置を認識させる基本アイデアは、スウェーデンのAnoto AB(アノト社)の創業者Crister Fahraeus 氏の博士論文(1996)で、その年に会社が設立され、その子会社がAnotoだそうです。同氏は今は、Angel投資家になっているようです。このアイデアは画期的ですね。日本ではAnoto ABが2001年に特許出願しています。 Anoto ABは、スウェーデンのルント(Lund)市で1999年に設立されたそうです。 ルントは古い町で、12世紀にできた聖堂が有名です。また、MAX Lab放射光があります。 https://www.anot…

紙をなぞると声が出るペン

今週は、最近よく見るようになった、ペンでなぞると紙面上の位置を認識する技術を紹介しましょう。 http://gridmark.co.jp/en/technologies 赤外線のみを吸収するインクで細かいドットパターンを描き、可視光を吸収するインクで人間が見る情報(絵や文字)を描くなど、面白いですね。 応用は下記が一番威力があると思います。ペンでなぞると音声が出ます。ディズニーの幼児教育キットにも使われています。(お母さんが声を録音と紐づいたシールを貼る) https://www.kumonshop.jp/ 普通のペンと合体して手帳の予定表を書いたときに日付を認識して自動で取り込むという応用例…

世界の研究所 MAX IV Lab

今日はおそらく第150回です。余裕がない時は短くなってしまうかもしれませんが、できるだけ続けたいと思います。 今週の世界の研究所は、スウェーデンのMAX Labです。 https://www.maxiv.lu.se/ ここは、Lund市の郊外にあり、去年も学会で行きました。Lundはスウェーデンの南側のスコーネ地方にあります。このへんはニルスの不思議な旅の舞台です。 MAX Labは、内装に木材がふんだんに使われているのが特色です。去年行ったときは、日本のJ-PARCと同様の加速器による中性子発生施設(ESS; European Spallation Source)を併設するため工事をしていま…

孫子 風林火山

今週の孫子は、7章 軍争篇(Maneuvering)からです。「15 故兵以詐立、以利動、16 以分合為変者也。17 故其疾如風、其徐如林、18 侵掠如火、不動如山、19 難知如陰、動如雷霆。20 掠郷分衆、廓地分利、21 懸権而動。22 先知迂直之計者勝。此軍争之法也。」 17と18が武田信玄の旗「風林火山」です。 https://www.city.kofu.yamanashi.jp/senior/kamejii/035.html 個人的には19に憧れます。 15. In war, practice dissimulation, and you will succeed. 16. Wheth…

メトロノーム

月末から始まる「物性化学」講義の準備をしています。3年目の今年は、流れがだいたい固まったので教科書の骨子を作るべく、もがいています。1回目の力学系のところで「エントロピー生成最小原理」(I. Prigogine)の証明をどうするか考えているところです。例年証明せずに紹介だけしていますが、なんとか納得感を出したいと思います。添え字だらけの式はここには載せられないのですが、メトロノーム(下記、動画リンク)の話を一般化する方向で考えています。さて来週月曜日に間に合うかどうか。 https://www.youtube.com/watch?v=Aaxw4zbULMs https://www.youtub…

硬X線光学

硬X線は、中性子星(pulsar)やブラックホールの観察に使われます。高エネルギーの光にはレンズとして使える物質がありません。低エネルギーのX線には、すれすれ入射による反射(斜入射望遠鏡)を使う方法(1,2:X線回折装置の集光にも応用されています)があります。それが使えないほどの高エネルギー微弱光を見るため、いろいろな方法が考案されました。札幌出身の故 小田稔教授(3)による「すだれコリメータ」(4)が最初で、2次元版のcoded mask(5)があります。天文学、生物学に使われる極限の光学は半導体のナノリソグラフィ等にも応用可能で、勉強になります。 (1) http://astro-dic.…

世界の研究所 流浪地球&高能物理研究所

今週の世界の研究所は、中国から選ぼうと思いましたが、web上の情報が少なく、延期です。かわりに、去年ヒットしたSF映画を紹介しましょう。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%81%E8%BB%A2%E3%81%AE%E5%9C%B0%E7%90%83 https://www.youtube.com/watch?v=0TDII5IkI3Y 原作は読みましたが、映画は相当ストーリーが変わっているようです。 太陽が赤色巨星になることがわかり、地球にたくさんの核融合エンジン(燃料は地殻の石のようです)を作って地球ごと太陽系を脱出してαケンタウリを目指すところまでは…

孫子 「奇」

今週の孫子は、5章 兵勢篇(Energy)からです。「三軍之架、可使必受敵而無敗者、奇正是也。 兵之所加、如以(石段)投卵者、虚実是也。凡戦者、以正合、以奇勝。故善出奇者、無窮如天地、不(立と掲のつくり)如江河。終而復始、日月是也。死而復生、四時是也。」 型にはまった正攻法だけではダメで、臨機の応用(「奇」indirect tacticsと訳してありますが、ちょっと違う感じですね)が必要であるという主張です。長州藩の「奇兵隊」の「奇」の基になった考え方だと言われています。 To ensure that your whole host may withstand the brunt of the…