マキャベリ(4) チェザーレ・ボルジア
今週の「君主論」は、第7章と8章をとりあげます。他人の力と幸運でで権力を得たケースと、犯罪的所業で権力を得たケースです。他人の力の方は、チェーザレ・ボルジア(Cesare Borgia, 1475-1597)が登場します。この人は「君主論」で繰り返し出てきて、マキャベリズムを体現した人物とされています。法王の息子で、政敵をつぎつぎに謀殺したりして強引にイタリア諸都市(教会領)を支配下に置きましたが、マラリアがローマに蔓延したとき父・法王の死と同時に自分も発病したため政敵が法王に選出されてしまいました。賛成の条件として協力関係の協定を結んでいましたが法王に破棄され、逮捕→虜囚→脱出→戦死という経…