今週の「君主論」は、第7章と8章をとりあげます。他人の力と幸運でで権力を得たケースと、犯罪的所業で権力を得たケースです。他人の力の方は、チェーザレ・ボルジア(Cesare Borgia, 1475-1597)が登場します。この人は「君主論」で繰り返し出てきて、マキャベリズムを体現した人物とされています。法王の息子で、政敵をつぎつぎに謀殺したりして強引にイタリア諸都市(教会領)を支配下に置きましたが、マラリアがローマに蔓延したとき父・法王の死と同時に自分も発病したため政敵が法王に選出されてしまいました。賛成の条件として協力関係の協定を結んでいましたが法王に破棄され、逮捕→虜囚→脱出→戦死という経過をたどりました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%82%B6%E3%83%AC%E3%83%BB%E3%83%9C%E3%83%AB%E3%82%B8%E3%82%A2
マキャベリは、法王選出で失敗しなければイタリア統一ができていたかもしれないと嘆いていますが、私見ではうまくいったとしても時期尚早で長続きはできなかったのではないかと思います。当時のイタリアはバチカンや商人の都市があるのでたいへん複雑です。今でも、地方ごとに世界的ブランドを持つ会社が多数ありますが(どれも消費者向け製品ですね)、国民性があるのでしょう。8章はなじみのない例ばかりなので、飛ばします。
fortune 幸運 「フォー」チュン
vaccilate with France フランスとの間をよろめく 「ヴァ」ッシれイト
“So the duke erred in this choice and it was the cause of his ultimate ruin.”
つまり公はこの選択をあやまったわけで、それが最終的な破滅の原因であった。
err アー と読みます(こもった音)。間違うこと level 8 > error
ruin ルーイン 破滅、廃墟
“So whoever judges it necessary in his new principality to secure himself against enemies(敵に対して自らを防御する), to gain friends to himself, to conquer either by force or by fraud (力か欺瞞によって征服する), to make himself loved and feared by the people(民衆に愛されかつ畏れられる), and followed and revered by the soldiers(兵士たちに従われあがめられる), to eliminate those who can or might offend you(敵対するかもしれない相手を除去する), to renew old orders through new modes, to be severe and pleasant, magnanimous and liberal, to eliminate an unfaithful military, to create a new one, to maintain friendships with kings and princes so that they must either benefit you with favor or be hesitant to offend you(敵対するのをためらう) — can find no fresher examples than the actions of that man.”
revere リ「ヴィ」ア 崇敬する level 10
crime 犯罪