International Otaku Event Association

コミケットには外国からも多くの来訪者があり、会場でも外国語担当のボランティア(英・中・韓は常時、他の言語も)が対応しているそうです。各国で同様の催しも行われています。IOEA (International Otaku Event Association)という冗談のような名前の組織が国際連携を担当しているようですが、webは日本語版のみのようです。 https://ioea.info/i-o-e-a-top/#list 「理事イベント」というのが8つあって、その米国の一つは2022年の登録者が40000人で過去最大、とのことなので、日本より一桁少ないと思います。https://www.otak…

コミックマーケットの運営は3000人のボランティアによる

コミックマーケット(コミケ)がどのように運営されているか、についての解説書が先週出版され、さっそく読みました。 https://www.amazon.co.jp/dp/4065300444 コロナ前3日で75万人の来場者、おそらく1日に20万人は来ているでしょう。今年の夏は密を避けるために9万人の入場制限が行われたそうです。動画がyoutubeにあります。 https://www.youtube.com/watch?v=HdDCEP_n5oc 地方都市1つ分の人が集まってくるイベントです。同人誌の即売会(一団体が長机半分のスペース)が主目的で、途中から「コスプレ」が自然発生して現在ではコスプレ…

世界の研究所 明治大学・東京国際マンガ図書館

今週の世界の研究所は、明治大学・東京国際マンガ図書館です。ここはまだ完成しておらず、先行して米沢嘉博記念図書館が開館しています。 https://www.meiji.ac.jp/manga/index.html 米沢嘉博氏は、今週末(12/30-31)に東京ビックサイトで第101回が開催される「コミックマーケット」の7~70回の代表を務め、来場75万人のイベントの基礎をつくりました。 https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/profile.html https://www.comiket.co.jp/ 個人的には、大部分がボランティアで運営されるコ…

You are not listening (4) 第3章

金曜日の”You are not listening”、今日は第3章です。”Listening to your curiosity - what we can learn from toddlers” 元CIAの主任尋問官(chief interrogator)の話から始まっています。読者を引き込むのがうまいです。聞く能力は科学というよりも芸術(rather art than science)で、尋問術というのはあるが、真実を語っているかはわからない。それより好奇心を高めて適切な質問をすることが重要である、と言っています。ジャーナリストとしての作…

マヨラナ粒子 磁性半導体と超伝導体の接合

Microsoft Station Q 研究所は、世界中の大学の研究室に投資して仮想的な研究機関を作る試みです。日本の政府シンクタンクのCRDSが継続的にレポートを出しています。これは運営形式がJSTのCRESTやさきがけ予算と似ている(研究者を定期的に集めて情報交換させ、共同研究も推奨する仮想的な研究所)せいもあるかもしれません。 https://www.jst.go.jp/crds/pdf/2016/SP/CRDS-FY2016-SP-02.pdf https://www.jst.go.jp/crds/pdf/2016/WR/CRDS-FY2016-WR-12.pdf https://ww…

マヨラナ粒子の論文の撤回

Microsoft Station Q 研究所は2016年にオランダのDelft工科大学に研究室を作りました。 https://news.microsoft.com/europe/2019/02/21/microsofts-new-quantum-computing-lab-in-delft-opens-its-doors-to-a-world-of-possibilities/ 上記ページにはいくつか動画がのっていて、量子コンピュータの解説をしています(単純化しすぎていて、わかりやすいかどうかは別)。 Majorana粒子を超伝導体と半導体のナノワイヤ接合で実現する話で有名ですが、都合の悪い…

結び目を表す多項式

Microsoft Station Q のうち数学部分の基礎は、ジョーンズ多項式をもとにしていると聞いています。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%BA%E5%A4%9A%E9%A0%85%E5%BC%8F ジョーンズ多項式は、組み紐(ひも)の結び目を表す多項式(負のべきも含む)で、1983年に発見されました。 素粒子論や統計力学とも関連することが分かっていて、盛んに研究されています。面白そうな本がたくさん出ています。 下記はキラリティの判定が簡単に行えるという簡単な解説です。 ht…

世界の研究所 Microsoft Station Q

全国的に荒れ模様のようですが、今年もあと少し、元気にいきましょう。 今週の世界の研究所は、Microsoftがいくつかの大学に設置している量子コンピュータの研究所Station Q をとりあげます。 ここは日本でいうと寄付講座で学科を作っているようなもので、数学者・物理学者・電子工学者が結合しています。トポロジーを使う独特の方式を研究しているようです。 https://news.microsoft.com/stories/stationq/ https://japan.zdnet.com/article/35107136/ 下記は量子化学計算に対する応用可能性の解説です。10年前のものなので、…

You are not listening (3) 第2章

金曜日の”You are not listening”、今日は第2章です。”That Syncing Feeling - The neuroscience of listening” Facebook(現Meta)のザッカーバーグのエピソードから始まっています。全米のインタビュー旅行をしてその様子をfacebookにアップしたそうですが、いい加減に聞いていて評判が悪かったとのこと。よい聞き手になるには、話し手と感情を同期させること、というのが本章のメッセージです。fMRIを使った実験や、ノーベル経済賞学者(Kahneman)と共同研究者(Tver…

菌の知財はどうなっているか?

菌を使って製品を作る際には、いろいろ選抜したり突然変異させたり、場合によっては遺伝子組み換えをやって望みの性質を備えた菌を作ると思います。これも知財だと思いますが、保護はされるのでしょうか?調べてみました。「菌種」「特許」で検索すると下記が出てきました。ここは国の機関ですが、面白い役割を担っています。そのうち詳しく見てみましょう。 https://www.nite.go.jp/nbrc/patent/index.html 「特許を成立させるには発明が実際に為されたこと(発明の完成)と、第三者がその発明を再現できること(技術の公開)を保証しなければなりません。特許微生物寄託とは、微生物を利用した…