世界の研究所 United States Institute of Peace (USIP)

今週の世界の研究所は、米国平和研究所 (United States Institute of Peace, USIP)をとりあげます。いろいろ心が痛むニュースがある中で、社会を良くするために少しでも役立ちたいものです。 https://www.usip.org/ https://en.wikipedia.org/wiki/United_States_Institute_of_Peace ここは国立(American federal)の研究所で、1984年レーガン政権のときに設立されました。年間予算は40億円強、職員300人です。研究の他に外交や交渉の訓練をしており、wikipediaによると設…

有機フッ素化合物の合成法と他の用途(マスクなど)

今週はフッ素を含む有機分子について調べてきました。Justiceを読むのはお休みして続けます。パーフルオロエーテルの合成法その他、有機フッ素化合物について詳しく書いてあるサイトを見つけました。 https://www.fluorochemie.com/brief-introduction-of-pfpe-synthesis-methods.html こういう物質を作るのはどうするのだろうと思っていましたが、紫外線を使う方法もあるのですね。日本だとダイキン(上記サイトではDajin)とAGCがフッ素化学で有名です。 有機フッ素化合物でelectret(電荷や、揃った永久双極子が絶縁体にくるまれた…

呼吸できる液体

フッ化炭素(有機フッ素?)系の液体は酸素を溶かすので、哺乳類が中で生きていけるというデモがいくつかyoutubeにあがっています(1~2日以上はダメ、もしくは後で死ぬとの話もあります)。SFでは、宇宙旅行で加速度を高くするために酸素を溶かした液に人間が入って肺まで満たすという話もあります(巡航速度に達したら空気に戻さないと食事ができませんが)。密度が人体に近い液体中だと、加速度による疑似重力に対して浮力が働くので、影響がなくなります。空気が入っている肺が一番の問題になります。自分ではやりたくありませんね。息苦しい時の悪夢に出てきそうです。フッ化炭素系物質は密度がやや高い(フロリナートで1.8g…

地球温暖化係数 global warming potential (GWP)

地球温暖化係数 は英語では global warming potential GWP値というようです。もう一つGTP global temperature potentialというのもあるそうですがモデル依存であまり使われていないそうです。 https://www.epa.gov/ghgemissions/understanding-global-warming-potentials 定義はCO2の1トンの大気放出を1とする値(放出1トンあたり)のようです。その物質による熱輻射の吸収効率と大気にとどまる時間の両方が関係します。一度放出したときに、そのあと20年とか100年とかの影響の総和で比較…

フッ素系冷媒と地球温暖化

昨日のSolvay社のGalden(ガルデン)は、フッ化炭素系の冷媒です。化学的に安定、絶縁性(ガルテンは2.45mmで40kV)などの利点があり、電子産業としては冷媒や熱い気体によるはんだ付けに使われます。 フッ素系冷媒で有名なのは3M社のフロリナート(florinert, シェア50%)とノヴェック(novec シェア20%)、そしてSolvay社のガルデン(シェア30%)です。 https://eetimes.itmedia.co.jp/ee/articles/2204/07/news060.html https://eetimes.itmedia.co.jp/ee/articles/2…

世界の研究所 ベルギー Solvay社

今週の世界の研究所は、ベルギーのSolvay社を取り上げます。日本を含む世界中に展開していて、研究所も各国にあります。炭酸ナトリウムのソルベー法(アンモニア・ソーダ法)を高校化学で習うと思いますが、発明者Ernest Solvay(1838-1922)が起こした会社です。ソルベーは23才のときに、現在も使われているあの芸術的な反応の組合わせを開発しました。Solvay社は化学会社の規模ランキングでは世界25位です(下記50位ランキングには日本勢は8社入っています。そのうち分析してみましょう)。 https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_largest_chem…

Justice 第八章 アリストテレスの主張

今週のJusticeは、第8章”Who deserves What? / Aristotle”です。古代ギリシャのアリストテレスの正義論を論じます。古代の議論がなぜ8章に置かれているかは、まだわかりません。緻密に構成されていると思うので、意味があるはずです。さて、この章ではリバタリアン(自由至上主義者)が「選択の自由」を、ロールズが「公正」を正義の条件として重視したのに対し、「名誉や報酬を受け取るのにふさわしい人か?」という観点を重視するアリストテレスの主張を論じています。最高級の楽器を与えらえるべき人は、最もうまく演奏できる人である、というのは確かに正義の感覚の一部で…

磁性微粒子による探傷技術

昨日 magnetic yokeを調べていたら、下記を見つけました。 https://www.youtube.com/watch?v=qpgcD5k1494 磁性微粒子(マグネタイト?)に蛍光塗料を吸着させています。 magnetic yokeや電流で磁場を発生させると、磁場の分布で内部の傷のところに磁性微粒子が集まるので傷が分かるという面白い技術です。対象は、鉄など強磁性体でないといけません。この技術を売っている会社はyoutubeに載せているだけでも何社かあるようです。効率の良いモータの設計には、複雑な構造の磁石や磁性体+コイル中の磁場を計算する必要があります。傷が磁場分布を変えることから…

世界最大の電磁石

世界で最も大きな電磁石は?と検索すると、フランスに建設中の核融合炉 ITER のcentral solenoid が出てきます。下記によると、高さ18m、直径4.25mで、中心磁場は13テスラだそうです。Nb3Sn線材を用いた超伝導線を5km巻いたソレノイドが6個積み重ねてあって、重さは1000トン。磁場の強さは航空母艦を2m浮かせられる、というよくわからない数値が出ています。 https://www.ga.com/general-atomics-to-ship-world-s-most-powerful-magnet-to-iter 鉄くずをくっつける磁石は、カタログによると径1mで0.5~…

改良型 Bitter plate

強い定常磁場をつくるには、超伝導コイルの内側に常伝導電磁石を入れます(ハイブリッドマグネット)。超伝導は電力を消費せずに磁場を作れますが、臨界磁場があり、磁場が大きくなると超伝導でなくなってしまうため、外側になります。臨界磁場を超えた磁場を作るために内側の常伝導電磁石の磁場を足します。常伝導は抵抗があるので発熱が問題になります。昨日のフロリダの研究所では40000アンペアを流しているそうです。このような電流は改良型ビッター板を使わなければなりません。下記動画にくわしいですが、銅の円環に切れ目を入れて絶縁体(黄色いのはポリイミド箔)を挟みながららせん状に何百枚も重ねて締め付けることによってコイル…