世界最大の電磁石

世界で最も大きな電磁石は?と検索すると、フランスに建設中の核融合炉 ITER のcentral solenoid が出てきます。下記によると、高さ18m、直径4.25mで、中心磁場は13テスラだそうです。Nb3Sn線材を用いた超伝導線を5km巻いたソレノイドが6個積み重ねてあって、重さは1000トン。磁場の強さは航空母艦を2m浮かせられる、というよくわからない数値が出ています。
https://www.ga.com/general-atomics-to-ship-world-s-most-powerful-magnet-to-iter

鉄くずをくっつける磁石は、カタログによると径1mで0.5~1トンくらいの鉄を吸いつける磁力があるようです(下記はインドの会社)。
https://www.youtube.com/watch?v=SsTAOYgHmNo

吸着力は磁場勾配が関係するので計算が難しいですが、一般に面倒な問題は、エネルギーで考えると概算ができます。たとえば1トンの質量を10cmくらいの距離吸いつけて持ち上げられるとすると、10000N×0.1m = 1000J の磁気エネルギーということになります。一様な磁場の磁気エネルギー密度はμH^2/2なので、μ=4π×10^-7として、空間の体積π×(0.5)^2×0.1mをかけると、磁束密度μH ≒ 0.5テスラとなります。ごく粗い見積もりで、桁しかあてになりませんが、そんなにおかしな値ではないですね。鉄芯と継鉄(ヨーク)の形を工夫してわざと磁場勾配を大きくするような設計をしているはずです。

magnetic yoke ヨーク 磁気回路に使う鉄、yokeは牛のU字型のくびき、天秤棒。形から?
Its magnetic force is strong enough to lift an aircraft carrier 2 meters (6 feet) into the air.
aircraft carrier 航空母艦、空母 = carrier vessel, airplane carrier, flattop
atomic-powered aircraft carrier 原子力空母
“The cable is precisely wound into flat, layered “pancakes” that must be carefully spliced together.”
splice スプらイス テープ、DNA片などを接合する、より継ぎする level 11
“Since the dawn of the atomic age,” 原子力時代の黎明期から
dawn ドーン 夜明け

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