Ruan Ji’s Poems and Essays(1):竹林の七賢のリーダーで「白眼視」の語源

金曜日の読書は今週から阮籍の「詠懐詩」と文章を訳した”Collected Poems and Essays of Ruan Ji - translation by Atticus Lin, Neotao Studio, Kindle 版”を読もうと思います。阮籍(AD210-263)は三国志の時代の魏(AD220-265)の人です。魏は曹操とその子が蜀・呉を滅ぼしたあと、司馬懿(「死せる孔明、活ける仲達を走らす」の仲達)の子孫に乗っ取られて滅亡します(魏→晋)。その際、曹操の子孫と司馬仲達の子孫の熾烈な争いに巻き込まれないようにするために官職から離れて過ごしたグループが…

南極の氷の地質年代による変化

南極の厚さ2000m超の氷(Ice Sheets)が融けているのはここ20年ほどの観測で明らかなようです。 https://climate.nasa.gov/vital-signs/ice-sheets/?intent=121 しかし、歴史的にどうかというと、氷が全くない時期もあれば地球全体が氷に覆われた「全球氷結 Snowball Earth」の時期もあり(24~21億年前と8.5~6.3億年前)、複雑です。地球の歴史を見ている存在があるとすれば、「このくらいでガタガタ騒ぐな」と思っているかもしれません。下記によれば(このwebは時々ならば無料で読めるようです)、火山活動によるCO2発生と植…

カタバ風はフェーンと違って寒い

南極越冬隊の人の講演で「カタバ風」というのが出てきました。katabatic wind で、滑降風と訳すようです。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BB%91%E9%99%8D%E9%A2%A8 高地で放射冷却によって冷えた空気が重くなり、重力で低いほうに流れて強い風が吹くようです。 南極、グリーンランド、アラスカなどでブリザードを伴う強い風になるそうです。 温帯の山地でも、日本の「颪(おろし)、例:六甲おろし」、アドリア海のボーラ(Bora)、フランスのミストラル(mistral)、カリフォルニアのサンタアナ(Santa Ana その風が吹く地名でもある)…

南極の基地は45か所

南極にある基地は55か国により45か所が運営されているようです。 https://en.wikipedia.org/wiki/Research_stations_in_Antarctica 滞在人数は夏季は4800人、冬季は1200人ということで、極限環境で頑張っている人がいるのは素晴らしいですね。冬季の内陸は補給もなく数か月貯蔵物資で耐える必要があるようです。 1898年につくられた最初の基地の写真があります。 https://en.wikipedia.org/wiki/Research_stations_in_Antarctica#/media/File:Camp_and_Hut,_Ant…

世界の研究所: 南極の Amundsen-Scott Pole Station

先週の学会で南極越冬隊の話を聞きました。越冬隊は30人程度で、昭和基地に滞在します(現在第67次。出発から期間まで1年2か月だそうです。)。昭和基地の位置は南緯69度で、オーロラが良く見える緯度だそうです。オゾンホール、CO2濃度、重力場の精密測定や生物調査をおこなっているそうです。 https://www.nipr.ac.jp/antarctic/ 南極点にも基地があります。これは米国のアムンゼン・スコット基地(Amundsen-Scott)です。南極点に最初と2番目に到達した2つの探検隊の隊長の名前がついています。1956年設立です。50人程度が越冬するそうです。 https://en.w…

No B.S. Price Strategy(14): 21章 価格を決めるのは経営者だけ 22章 不況時の価格

金曜日の読書”No B.S. Price Strategy:…”は第21章 “A jury of four but only one decides fate 四人の陪審だが一人だけが運命を決める”,第22章 “Price in recessions 不況時の価格” です。23章、24章もありますが、広告文の実例や情報商材の案内なので、本文はここまでです。21章は、自分、自分の会社の社員、同業者、顧客の4つが価格に影響力を持つが、自分以外の言うことを聞くと価格は底辺をさまようことになる、ということを説明しています。抜粋で…

sandpile model

地震の大きさと頻度には指数関数の関係がある、というのはグーテンベルグ・リヒターの法則(Gutenberg–Richter law;GR則)と呼ばれていますが、極端に大きな地震について成り立つかどうかは疑問視されています。 https://www.kyoshin.bosai.go.jp/kyoshin/gk/publication/1/I-3.2.4.html GR則が成り立つ理由についてはいろいろ研究されています。断層や岩石破壊がべき乗則に従うから、というのが一説です。下記は30年以上前の解説ですが、そのころ流行った「フラクタル」が強調されています。 https://www.jstage.js…

くりこみ群

べき乗分布の特徴の一つに「自己相似性」があります。ここでは、y=x^(-α)のグラフを拡大しても同じように下に凸の右下がりの曲線になることを指しています。下記の図を見るとよくわかると思います。 https://design.kyusan-u.ac.jp/OpenSquareJP/?Distribution 自己相似性は相転移の近傍でも見られる現象です。例えば沸騰している水を拡大すると、分子レベルからcmスケールまで同じように水蒸気の気泡が存在します。これは、いたるところで水が液体から水蒸気に変化しているためで、「ゆらぎ」が増大して系全体に広がる相転移現象に普遍的です。この様子を扱う手法として「…

Pareto分布

昨日の記述に誤りがありましたので訂正します。Paretoが報告したのは、所得分布ではなく、イタリアの土地の80%が地主の上位20%によって占められているということでした。 これを拡張してPareto分布(第一種パレート分布)という確率分布関数が導入されています。 P(X>x)=(xm/x)^α when x>xm, =1 when x < xm です。すなわち、変数Xがx以上の値である確率がx^(-α)に比例するという分布です。 80:20を与えるのは、α=log_4(5)=1.16の時だそうです。地主の所有する土地の面積のような場合はXは上からの順位で、1番目よりも小さい順…

世界の研究所: スイス Univ. Lausanne CREA(Institut d’économie appliquée)

先週は機械学習の集中講義でPareto(パレート)分析をスライド1枚だけ紹介しました。これは20/80(または80:20)の法則、ニッパチの法則と呼ばれることもある経験則で、19世紀のイタリアの経済学者Vilfredo Paretoが1880年代(イタリア統一は1871年)の都市の納税者の分析で報告したものです。 https://www.nri.com/jp/knowledge/glossary/pareto_princ.html 上位20%の人数の合計が全体の80%の収入を得ていると言っています。この経験則はいろいろなところで見られます。アリなどでもよく働く上位20%のアリが全体の80%の労…