ふたご座流星群

明日がふたご座流星群のピークで、楽しみにしていたのですが見えなさそうな天気予報です。ハワイのすばる天文台のライブカメラで我慢しますか。 https://www.youtube.com/watch?v=CKSv05ajKL0 流星群は、破砕した小惑星や彗星のかけらの軌道と地球の軌道が交わっているところを地球が通過するときにおこります。地球の公転軌道に対してほぼ固定されているので、特定の星座のどこか1点から放射状に流れるように見えます。 流星が多く有名なものは「しぶんぎ座(1月4日)」「ペルセウス座(8月13日)」「ふたご座(12月14日)」です。1時間当たり40個だと、90秒ごとに1個見えること…

成功したDART実験 — 宇宙機を小惑星に衝突させて軌道を変える 

Heraが結果を見に行く、NASAによる小惑星に宇宙機をぶつけた実験はDART(double asteroid redirection test)という名前です。 https://science.nasa.gov/mission/dart/ 2022年9月6日に衝突に成功しました。地球から1100万mの距離(月と地球の距離の30倍)で、500kgの宇宙機が14000miles/hour= 22531 km/h= 6.26 km/s の速度で衝突したとのことです。 90分の特集番組がyoutubeに載っています。飛ばしながら見ましたがよくできています。 https://www.youtube.c…

世界の研究所 欧州宇宙機構の探査機 Hera

今週木曜日はふたご座流星群です。今年は晴れていればたくさん見えると予想されています。流星は地球軌道上の岩(”小さい”小惑星)が地球と衝突してできるものです。流星群は、小惑星がたくさん集まっているところを地球が通過するときに見えます。 今週の世界の研究所は、European Space Agency (ESA)の宇宙探査機Heraを取り上げます。 https://www.esa.int/Space_Safety/Hera この探査機のミッションはちょっと込み入っていて、小惑星が地球に衝突するのを回避する計画に関するものです。映画「アルマゲドン Armageddon」(19…

知識創造企業(3) ゴミ箱モデルほか、従来の経営学理論は役立たない

金曜日の「知識創造企業」3回目は2章の後ろ半分です。古代からの哲学における「知識」の扱いを踏まえて、20世紀からの経営学研究における「知識」について解説しています。 いま、締切に追われているので、節の見出しだけ拾っていきましょう。Marshall, Hayek, Schupenterの比較、Penrose, Nelsom, Winterらが論じる「知識の蓄積場所」としての企業、 経営・組織理論における「知識」、科学的経営と人事の理論、およびその統一の試み、Simonの経営を情報処理パラダイムとしてとらえる理論、ゴミ箱モデル、 ビジネス戦略の科学、企業文化研究、Drucker(ドラッカーは有名で…

ウェッブ宇宙望遠鏡の打ち上げ

James Webb Space Telescopeの打ち上げのライブ動画の録画(2時間余)がyoutubeにあがっています。2021年12月25日です。 https://www.youtube.com/watch?v=7nT7JGZMbtM 6分ぐらいに司会の女性が I am an astronomer. と自己紹介しているのがいいですね。 15分くらいの、なぜ赤外線の望遠鏡を作ったのかという解説もわかりやすいです。惑星の水分子や星雲などの分子を見ること(おそらく熱による発光)、赤外領域まで赤方偏移した古い遠くの恒星や銀河を見ることが目的です。 20分くらいから製作の様子や苦労など。責任者の…

ウェッブ宇宙望遠鏡の冷凍機と検出器

James Webb Space Telescope の製作については公式youtubeがあります。 https://www.youtube.com/watch?v=zXyz1QtPqUY 太陽電池は2kW出力です。長さ6mと、思ったほど大きくないですが、自動的に展開(deploy)する仕組みのようです。 https://www.youtube.com/watch?v=I5PLNHAs2io 使用電力は1kWで、太陽電池の劣化を考えて2kWにしているようです。 可視(波長600nmの赤)~近赤外(5μm)は37ケルビンに冷却したHgCdTe検出器を使っています。この温度は、太陽光や地球からの赤…

ウェッブ宇宙望遠鏡、大きさはプールくらい、主鏡はベリリウム製

James Webb Space Telescopeの大きさは、パラボラ状の主鏡が直径6.5m、ひし形の「台」のサイズが21mx14m、打ち上げ重量は6.5トンだそうです。 小学校のプールの水面より少し小さいくらい、ということで、思ったよりも大きいですね。 https://en.wikipedia.org/wiki/James_Webb_Space_Telescope 写真が下記にあります。「ひし形の台」と見えたのは主鏡と検出カメラに太陽光が当たらないようにする “sun shield”で、厚さ0.1mmのカプトン(ポリイミド)膜にアルミを蒸着したものが5枚重ねてあるそ…

世界の研究所 James Webb Space Telescope

今週と来週は宇宙の話をしようと思います。今週の世界の研究所は、NASAが中心となって建設した James Webb 宇宙望遠鏡(JWST)です。運営はNASAと欧州宇宙機構(ESA)と共同だそうです。 https://webbtelescope.org/home https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%83%E3%83%96%E5%AE%87%E5%AE%99%E6%9C%9B%E9%81%A0%E9%8F%A1 Ja…

知識創造企業(2) 西洋哲学における認識論

金曜日の「知識創造企業」2回目は2章の半分です。2章3章は理論的な「キモ」なのでじっくりいきたいです。 2章はプラトンから西洋哲学を概観し、それを踏まえて日本で「知識」をどうとらえていたかを歴史的に説明します。それからこれまでの経営学のなかで「知識」をどう扱っていたかを解説し、そこに不足があったために経営学を取り入れたアメリカ企業が1970-1980年代に不調に陥ったという話をします。 説得力のある議論を展開していて感心しました。今日は西洋哲学と日本における「知識」のとらえ方についての英文を見ていきます。 “The philosophical inquiry of knowledg…