菌を使って製品を作る際には、いろいろ選抜したり突然変異させたり、場合によっては遺伝子組み換えをやって望みの性質を備えた菌を作ると思います。これも知財だと思いますが、保護はされるのでしょうか?調べてみました。「菌種」「特許」で検索すると下記が出てきました。ここは国の機関ですが、面白い役割を担っています。そのうち詳しく見てみましょう。
https://www.nite.go.jp/nbrc/patent/index.html
「特許を成立させるには発明が実際に為されたこと(発明の完成)と、第三者がその発明を再現できること(技術の公開)を保証しなければなりません。特許微生物寄託とは、微生物を利用した発明の場合のこれらの要件を満たすため、その微生物を寄託する制度です。このため、特許法施行規則第27条の2及び3の規定に基づく寄託機関として、また、特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約に基づく国際寄託当局として、特許手続上の微生物の受託等を行う特許微生物寄託業務を行っています。」
とのことで、菌は国内も国際的にも特許になる、図面や遺伝子ではなく、菌そのものを公的機関で保存する、という答えでした。菌だけでなく、植物細胞、藻類、原生動物、種子、動物細胞、受精卵も機関に寄託して特許になるようです。
英語は https://microbiologysociety.org/publication/past-issues/modern-microbes-microbial-tools/article/comment-to-patent-or-not-to-patent.html から
“In exchange for full disclosure, the inventors can protect their invention for up to 20 years. In theory, by revealing their invention publicly, others can benefit by using it as a springboard for further developments. Without a patent, inventors are almost powerless to stop someone else exploiting their invention. ” 完全に内容を公開する代わりに、発明者は発明を20年保護される。理論的には発明を公開することにより、ほかの人はその発明を土台にしてさらに進歩させられる利点がある。特許がなければ発明者は他者が勝手に発明を使うのを阻止する際にほとんど無力である。
invention 発明
inventor 発明家
reveal 明らかにする リヴィーる
springboard (跳び箱の)踏切板、きっかけを与えるもの
a vaulting box 跳び箱 ヴォーるト
pole vault 棒高跳び
vault アーチ屋根、地下金庫室、手や棒を使って跳躍する level 7
以前、スヴァールバル種子貯蔵庫 seed vault
https://en.wikipedia.org/wiki/Svalbard_Global_Seed_Vault
を取り上げました。
“you should also consider if you will infringe someone else’s patent before exploiting your invention.”
exploit エクスプ「ろ」イト 搾取する、使う、開拓する(いろいろな意味がある難語です)。名詞は、偉業、手柄
infringe 侵害する level 11