籾の彫刻

スバールバル種子保存庫には、日本人製作の稲籾(もみ)の彫刻が飾られているそうです。 http://www.portwave.gr.jp/tanabe/japanese/itou/200910.html 加工法はアーク放電+気体噴射を利用して金属を削る独特のものです。 http://www.portwave.gr.jp/tanabe/japanese/nomura/2008/index.html アーク溶接の修行中の私から見ると、これで彫刻するのはすごい技術が必要だと思います。 この原理を利用した工具も売っています。下記の製品は、鉄だけでなくコンクリートブロックも切れるようですが、とても彫刻はで…

世界の研究所 スバールバル世界種子貯蔵庫(Svalbard Global Seed Vault)

今週の世界の研究所は、ノルウェー領スバールバル諸島のスピッツベルゲン島にあるスバールバル世界種子貯蔵庫(Svalbard Global Seed Vault)です。 https://www.youtube.com/watch?v=7C3nO8MYQQw https://www.croptrust.org/our-work/svalbard-global-seed-vault/ https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%AB%E4%B8%96%E7%95%8…

企業会計 その0 風説の流布

金曜日の「英語」は読書関連と勝手に決めています。会社で偉くなるには会計がわからないといけないとのこと、そうなりたい人は早いうちから意識をもって勉強してほしいです。技術者でも、自分の給料、自分が作り出している付加価値、日々の仕事がどうつながっているかを意識するのは面白いと思います。大学の研究室を企業会計で考えると、残念ながら常に倒産寸前の零細企業です(金額が読めない数年単位の補助金頼みで、制度的に貯金や借金がほとんどできないため)。日曜日や寝られないときに企業会計の本をいろいろ見ています。現存する企業(特に国内)を分析すると面白そうですが、いいかげんなことを言うと「風説の流布」という犯罪を構成す…

ギンゴケ、シモフリゴケ、砂の惑星

年のせいか、図鑑のように写真の多い本を見て心を休めることが多くなりました(いくつか先人のそのような記述を見たことがあります。若い時は「なんと暇な・・・」と思っていましたが、今はわかります。年齢とともに、ずっと根(こん)を詰めることが難しくなります)。最近見ている本は、大石善隆著(福井県立大の先生です)・コケはなぜに美しい(NHK出版)ですが、その中で、ギンゴケ(Bryum argenteum)やシモフリゴケ(Rhacomitirum lanuginosu)が面白いと思いました。下記は、個人のwebですが、顕微鏡写真がすばらしいです。 https://soyokaze2jp.blogspot.c…

銅を集めるホンモンジゴケ

ホンモンジゴケ(Scopelophila cataractae)という東京の池上本門寺で1934年に発見されたコケがあります。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%B3%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%82%B4%E3%82%B1 これは、寺や神社などの緑青のあるところに生える苔で、銅イオンをとりこんで細胞壁に貯める性質があります。銅以外の重金属イオンも集めて不活化するので、環境浄化の働きが期待され、研究がおこなわれています。これ以外にも重金属を貯める苔は数種類あるようです(copper moss 銅ゴケ と呼…

ゼニゴケのゲノム

ゼニゴケ(Marchantia polymorpha)の全ゲノムは2017年に解明されました。著者40名(!)の論文です。 https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2017-10-06-0 その他のコケの全ゲノムは未解明のようです。 ゼニコケが他の陸上植物(維管束植物)よりも少ないゲノムセットを持っていることから、藻類から進化した初期の状態をとどめていて、そこから他の陸上植物に進化したことが推測されています。陸上植物は倍数体の形成やそれを利用した育種(重複するコピーの一部が突然変異など)などにより複雑なゲノム(遺伝情報)を持つことが知られています。…

世界の研究所 MossTech (苔に関する virtual な研究所)

今週は「苔(こけ)、蘚苔類(せんたいるい)」について紹介します。moss research で検索したところ、デンマーク工科大学を中心に3大学+1研究所+4つの会社が作っているバーチャルな研究所 “MossTech”が見つかりました。 https://www.mosstech.eu/ まだできたばかりなのか、所員10人(7か国)、院生6人で、websiteと「苔を見る会」のイベントが主要な活動のようです。ターゲットは新しい遺伝子の探索や分子合成系の開発で、着眼点は面白いと思います。国際的な仲間でこういうvirtualな研究所がたくさんできると楽しいですね。 日本でも「苔…

新型脳磁計

金曜日は本を読むことにしていますが、今回は準備が間に合わないので、今週出てきた脳磁計の話のつづきです。 (「小説という表現形式の頼もしさは、マヨネーズをつくるほどの厳密さもないことである」司馬遼太郎、「今日の英語」は小説ではないですが、言い訳です。) 脳波測定では全体の活動しかわかりませんでしたが、脳のシナプスの電流が作る磁場を測定することでどこが活動しているかが頭蓋骨の外からわかります。 脳磁計は日本ではリコーが販売しています。 https://jp.ricoh.com/release/2018/0709_1.html 使用料は下記一時間740ドルです。fMRIよりは安いようです。 http…

拍子の脳による認識

音楽の拍子(ひょうし、beat)の脳による認識についても研究がおこなわれています。やはり、超伝導脳磁計(MEG)をつかってどこが働いているかを見ています。人間で実験するにはそれしかないでしょうね。一時期、日立が開発した光トモグラフィーが 流行っていましたが、感度が足りないのでしょう、脳磁計の独壇場のように見えます。この装置は恐ろしく高価だと思います。下記論文ではいろいろな拍子を聞かせて、周期的な刺激に感じる部分とその応答波形を見ています。反応する部分は耳の上の両側の側頭葉にあるみたいです。短調・長調の区別は前頭葉左側の言語中枢の一つ(音⇔単語、ブローカ野。もう一つはウェルニケ野で単語⇔意味。)…

短調と長調の認識

短調と長調はおそらく人類に普遍的に同様の感情をひき起こすと思います。 和音を聞くと納得できると思います。 https://autochords.com/ 脳のブローカ野 (Broca’s area,前頭葉左側にある言語中枢の1つ。イメージ⇔単語・文の機能)が長調と短調の認識の際に活動していることが脳磁計での計測から報告されています。 https://www.nature.com/articles/nn0501_540?foxtrotcallback=true https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%8…