ホンモンジゴケ(Scopelophila cataractae)という東京の池上本門寺で1934年に発見されたコケがあります。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%B3%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%82%B4%E3%82%B1
これは、寺や神社などの緑青のあるところに生える苔で、銅イオンをとりこんで細胞壁に貯める性質があります。銅以外の重金属イオンも集めて不活化するので、環境浄化の働きが期待され、研究がおこなわれています。これ以外にも重金属を貯める苔は数種類あるようです(copper moss 銅ゴケ と呼ばれる)。ホンモンジゴケで重金属輸送 ATPaseが働いていることは解明されていますが、その先の細胞壁への貯蔵機構などは現在研究中のようです。
https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/handle/2433/230593
ナウシカの腐海植物を連想させますね。個人的には、どうやって進化したのだろうと思ってしまいます。人間文明なしに高濃度重金属の環境ができるものでしょうか? もともと自然の銅鉱山付近で進化して、神社仏閣の緑青つきの地面に住処を見出しているのでしょうか?胞子が銅鉱山から銅精錬所→銅製品と着いてきたのでしょうか?人間の場合、皮膚の色や鼻の高さなどの進化には少なくとも1000世代くらいかかっているとどこかで読みました。苔の繁殖周期が速いため青銅器文明(BC3000)以後に進化したということはありうるのでしょうか?この疑問の答はまだないようです。
https://en.wikipedia.org/wiki/Bronze_Age
寺 temple
神社 shrine シュライン
緑青(ろくしょう) patina パ「ティー」ナ , verdigris(色の名前でもある), verdigris patina
細胞壁 cell wall
腐海 Sea of Corruption
皮膚の色 skin color
世代 generations
post-apocalypse fiction ア「ポ」カりプス 黙示録(=文明の破滅)後を扱う空想小説
cataclysmic キャタク「り」スミック < catastrophe (破滅的な)大変動
encroaching steadily on the open land 開けた土地を絶え間なく浸食する
encroach 侵略、侵入、侵害、浸食する
tidal wave 潮の満ち干
prophesize 予言する