ドリトル先生とナマケモノ

動物と話をする、というとドリトル先生の話を思い出しますね。 作者のHugh Lofting (1886-1947) はイギリスとアメリカを行き来した童話作家で、他の仕事をしているときに自分の子供むけに作った話が本になりました。機関車トーマス(The Railway Series by Rev. Wilbert Awdry オードリー牧師)もそうなので、よくあるパターンのようですね。 ネット上の自由出版プロジェクト Project Gutenbergで最初の話”The Story of Doctor Dolittle” その他が読めます。挿絵もついています。最初の話はボラ…

バウリンガル

若い人は知らないかもしれませんが、2002年9月に、タカラ(現・タカラトミー)からバウリンガル(Bow-Lingual)というおもちゃが発売されました。犬の首輪に装着したワイヤレスマイクの信号を本体が受けて、解釈します。「フラストレーション」「威嚇」「自己表現」「楽しい」「悲しい」「欲求」の6種類の感情が表示されたそうです。当時、これには驚きました。14800円が半年で30万個(44億円、そこでほぼ終わり)売れたヒット商品となり、イグノーベル賞「平和賞」を受賞しています。2009年に新型を出しましたが、この売り上げは不明です。そのあとiphoneアプリ版が出ています。 https://alla…

動物の鳴き声にも意味があるはずだ

動物の鳴き声にも意味があるはずだ、と考えた先駆者に米国のRichard Lynch Garner (1848-1920)がいます。 https://en.wikipedia.org/wiki/Richard_Lynch_Garner 少年兵として南北戦争(1861-65)に従軍したという昔の人ですが、類人猿の言葉を録音機器を使って調べた最初の人です。Edisonが発明した蓄音機で動物園の猿の鳴き声を記録して,それを猿に聞かせて反応を見るなどの実験で意味を探りました。その結果を出版し、Edison, Bell(電話のベルの父親で、聾者のために発音記号を発明した教育者), Cleveland(22…

世界の研究所 Konad Lorentz Institutes

今週の世界の研究所は、AustriaのVienna(ウィーン) 近郊にあるKonrad Lorentz Institute for Evolution and Cognition Research (コンラート・ローレンツ進化と認知の研究所)とKonrad Lorentz Institute of Ethology(同・動物行動学研究所)を取り上げます。Konrad Lorenzは、動物生態学の創始によって1973年にノーベル医学生理学賞を受賞しました。同時受賞者はミツバチが8の字ダンスをして蜜の方向を仲間に知らせる方法を解読したKarl von Frischと魚の本能行動を解明したNico …

武士道 勇気を養う

今週の「武士道」は、Courage, The Spirit of Daring and Bearing (第4章 勇気:敢為堅忍の精神)からです。 Courage was scarcely deemed worthy to be counted among virtues, unless it was exercised in the cause of Righteousness. In his Analects, Confucius defines Courage by explaining, as is often his wont, what is its negative is. &l…

運が悪い時どうするか & 貴族の呼称

「偶然」と関係ある概念として「運」があります。昔からいろいろなことが言われていますが、 「「ツイてない」「スランプ slump」と思ったらジタバタしないで基本に帰る」という教えは一致しているように思います。 上手くいかない精神状態の時に大きな決断をすると失敗する確率が高いのは道理なので、納得できます。 しかし、私の拙(つたな)い経験では、苦境でリスクを伴う大きな決断をしなければならないことは実は多いので、日ごろの修行が大切になります。昔の武士は、「心胆を練る」ために、子供(小学生くらい)の時から道場に通っていて、子供たちだけで夜中に神社に行ったり死刑場にいったりする肝試しをしたそうです(「海舟…

偶然を扱う数学的方法 確率微分方程式

偶然をきちんと扱うには、確率微分方程式(stochastic differential equations)を使う必要があります。これは、ブラウン運動の理論から発展したもので、確率的に値が変わる項が含まれます。保険、金融商品(デリバティブなど)の価格算定に応用可能です。電気的ノイズを扱うのにも使えます。統計力学の先の方に出てきます。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%BC%E9%81%8E%E7%A8%8B stochastic スト「キャ」スティック 確率論的な 「偶然」の訳はいろ…

都市伝説 百匹目の猿現象

ユング心理学のsynchronicityを敷衍(ふえん)すると、「百匹目の猿現象」のような都市伝説ができてしまうので要注意です。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BE%E5%8C%B9%E7%9B%AE%E3%81%AE%E7%8C%BF%E7%8F%BE%E8%B1%A1 これは、日本の小さい島の猿が芋を洗うことを覚えて、その数が増えていくと、他の島でも洗うようになったという話ですが、出典とされる論文には記載がなく、証拠のない「都市伝説」であるとされています。その題名の本も出ていますが、専門家から繰り返し否定されています。 一時期流行った「ミーム m…

世界の研究所 ユング研究所

今週の世界の研究所は、スイスの心理学研究所 C.G. Jung Institute (ユング研究所)を取り上げます。 https://en.wikipedia.org/wiki/C._G._Jung_Institute,_Z%C3%BCrich C.G. Jung(1875-1961)はS.Freud(フロイト, 1856-1939)の後から分析心理学を作った人です。最初はフロイトと共同研究をしていましたが、途中で袂(たもと)を分かっています。Jung研究所は、Jung自身が設立して所長をしていました。日本からも有名な学者が留学しています。専門家には怒られてしまうかもしれませんが、私の理解によ…

武士道 日本刀 = サムライの魂

今週の武士道は、The Sword, The Soul of The Samuri(第13章 日本刀:サムライの魂)からです。 …The question that concerns us most is, however: Did Bushido justify the promisucous use of the weapon? The answer is unequivocally, no! As it laid great stress on its proper use, so did it denounce and abhor its misuse. A dastar…