動物の鳴き声にも意味があるはずだ、と考えた先駆者に米国のRichard Lynch Garner (1848-1920)がいます。
https://en.wikipedia.org/wiki/Richard_Lynch_Garner
少年兵として南北戦争(1861-65)に従軍したという昔の人ですが、類人猿の言葉を録音機器を使って調べた最初の人です。Edisonが発明した蓄音機で動物園の猿の鳴き声を記録して,それを猿に聞かせて反応を見るなどの実験で意味を探りました。その結果を出版し、Edison, Bell(電話のベルの父親で、聾者のために発音記号を発明した教育者), Cleveland(22、25代アメリカ大統領)らから寄付を受けて、アフリカのGabonに蓄音機を持って研究に行きました。1910年にはチンパンジーを連れ帰り、英語100語を教えてSusieと名付けて一緒に講演に回ったそうです。京都大学のアイちゃんなどの例を考えても、Susieさんは本当に英語が分かっていたのでしょうね。彼の学説は現在は書き換えられているそうですが、この天才的な実験手法は現在も有効で(行動観察の代わりに脳に電極を指したり、fMRIを使ったりはするでしょうが)、先駆者であることは間違いないでしょう。
上記 wikipediaから
primates 「プライ」メイツ 類人猿
the theory of evolution 進化論
Thomas Edison’s early phonograph エジソンの初期の蓄音機
The lower primates have a rudimentary language. 下等類人猿(←嫌な言葉ですが、良い訳を思いつきません)は原始的な言語を持っている。
rudimentary ルーディ「メ」ンタリ 基本の、初歩の、原始的な、未発達の、痕跡(こんせき)の (レべル12、比較的よく遭遇します。日本語との意味のずれ、要注意です)
a rudimentary organ 痕跡器官
rudiment 「ルー」ディメント 基本、原理、初歩、退化器官 the rudiments of economics 経済学の初歩
but in later years more skeptical and even satirical articles began to appear …
skeptical ス「ケ」プティカる 懐疑的な (よく使います)
satirical サティ「リ」カる 風刺的な、皮肉な (猿に人間の言葉を数世代教えたら、進化して話せるようになるという説を唱えたが、後年、自分で否定したことを指しています)
scientific scrutiny 科学的に厳密な研究 スク「ルー」ティニ 直訳では「精査」と訳します。
because he was a notoriously sloppy researcher だらしのない研究者として有名であったため こういう副詞の和訳は注意です。受験英語ではやらないほうがいいかもしれませんが、述語にしたほうが日本語らしくなります。
sloppy だらしない、いいかげんな (きつい悪口です)
While he himself was not able to make a sound case (ちゃんとした例を示すことはできなかったが)for his intuitions about monkey speech(猿の話ことばに関する直観を支持する), it has since been proven (後になって証明された)that monkeys do have a rudimentary language of their own(猿が自分たちの初歩的な言語を本当に持っていて), and that they can learn a vocabulary of a few hundred human words.(数百語の人間の言葉を学ぶことができる)
副詞のsince =それ以来 例 Ever Since Darwin (本の題名=ダーウィン以来)
https://www.makocho0828.net/entry/since-iroiro-180603