石炭火力発電の気になる動向

日本の発電における石炭の割合は27.6%(2020年)のようです。エネルギー源の多様性を確保するためにいろいろな資源を使う方針です。現在、風力は1%以下ですが、太陽光が8.5%まで増えているのに驚きました。 https://www.isep.or.jp/archives/library/13188 欧州では石炭火力発電が効率が低くCO2を多く出すことから、2038年までに禁止する方向で動いていて、その影響で天然ガスの消費量が増えて需給がひっ迫し、電力料金が上昇しているようです。このままいくと大規模停電の可能性もあるという警告もあります。特に原発を止めながら野心的なCO2削減目標(1990年の6…

企業会計 その9 キャッシュフロー計算書(1)

今週の企業会計は、B/S, P/L以外に重要なもう一つの財務指標であるC/F(スラッシュはどれもつけなくても可。キャッシュフロー計算書 Cash Flow Statement)を解説します。 現金(cash)は企業にとって血液のようなものであるとよく言われます。支払うべきお金が払えない状況(デフォルト)を6か月間に2回すると銀行取引が2年間できなくなるというルールのようです。個人でもクレジットカードの引き落とし残高が不足して催促期日または2回目の引き落としに不足があるとカード停止になるそうです。 https://www.tsr-net.co.jp/guide/knowledge/glossar…

世界の飛び地(4) セウタ、メリリャ、キプロス、アラスカ

飛び地は不自然なので紛争の原因(または結果)になり、解消される傾向にあるようです。 何百年も昔にできた場合は落ち着いています。 例:セウタ、メリリャ(メリジャ、モロッコにあるスペインの飛び地、セウタはジブラルタルの対岸) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%82%A6%E3%82%BF https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%83%AA%E3%83%A3 しかし、第二次大戦後の「外交の墓場」にあったりすると問題を抱えたまま膠着します。 例:キプロス(cupperの語源、島を分断する…

世界の飛び地(3) ジブラルタル

今週は世界の飛び地の遠足ですが、有名どころとしては、英領ジブラルタル(Gibraltar)があります。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%AB ここは、ヨーロッパとアフリカが接近しているところで、半島の背後はスペインです。the Rockという石灰岩の岩山でできていて、鍾乳洞もあります。 https://www.youtube.com/watch?v=WgHYADia45c 長ぼそい岩山の対岸はアフリカですね。 所属は ネアンデルタール人→・・・→フェニキア→ムスリ…

ノーベル経済学賞2021 自然実験

今年のノーベル経済学賞は、「自然実験 natural experiments」に与えられました。 https://www.nobelprize.org/prizes/economic-sciences/2021/press-release/ 経済学では実験ができませんが、実際に起こった、条件が異なる事象を比較することで、実験したのと同じように定量的な結果を導こうとする方法です。移民が社会に与える影響、最低賃金を変えるとどうなるか、教育が労働市場にもたらす効果などです。1990年代にそれまでの常識を覆す結果が得られたとのことです。疫学で使われた手法を経済学に応用したもののようですね。下記wiki…

企業会計 その8 損益計算書(2)

今週の企業会計は、損益計算書(profit and loss statement; P/L)の続きです。 企業の収益力を見る重要な指標です。利益がマイナスになるとたいへんです。貯金を食いつぶしたら確実に倒産します。 各人に帰属する売上高と経費を細分化して、社内の組織や個人が勤務時間当たりいくら稼いでいるかに落とし込むのが「アメーバ経営」をはじめとする「管理会計」だと理解しています。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%90%E7%B5%8C%E5%96%B6 これを推し進めると、各人が意識するので利益は…

企業会計 その7 損益計算書(1)

今週の企業会計は、3つの財務諸表(貸借対照表(B/S)、 損益計算書(P/L)、キャッシュフロー計算書(C/F))のうち、P/Lについて。 https://career-cc.net/profit-and-loss-statement/ 損益計算書(profit and loss statement; P/L)とは、企業のある一定期間(例:4/1~3/31)の収益と費用の損益計算をまとめた書類です。 例を何にするか悩んだのですが、最近ニュースになっているEvergrandeにしましょう。 https://www.reuters.com/companies/3333.HK/financials …

企業会計 その6 無形固定資産と3つの会計制度

今週は予算申請書を書いていて余裕がありませんでしたが、あと1つで終わりです。突っ込みどころを深く考えたり、理論的な予測を計算したりするので、通常とは違う側面から研究が進みます(強制的に言語中枢と連想能力が活性化される副作用もあります。今週は私は饒舌になっていたのではないでしょうか)。 さて、企業会計は、固定資産の続きで、B/Sの左側にある「無形固定資産」を取り上げます。 https://biz.moneyforward.com/words/1693/ これは、特許権、鉱業権(採掘権、日本は商社などで重要)、のれん代などがあります。特許権や鉱業権は定額法による償却が行われますが、のれん代の償却は…

企業会計 その5 減価償却

今日の企業会計は、「減価償却(げんかしょうきゃく) depreciation」について解説します。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%9B%E4%BE%A1%E5%84%9F%E5%8D%B4 B/S(貸借対照表)には、左側(借方)に「固定資産」という項目があります。これは、工場の設備などを指します。「減価償却」は、固定資産が年々減っていく取り扱いです。具体的には、税金に関わってきます。固定資産は、個人では持ち家も該当しますが、所有するためには年々その分の税金(=固定資産税:家については評価額の1.4%を毎年)を払わなければならない、ということです。税は…

企業会計 その4 balance sheet (2)

今日の企業会計は、「貸借対照表 balance sheet, B/S」のつづきです。Polaroid社の http://getfilings.com/o0001047469-04-011980.html#di1376_item_8._financial_statements_and_supplementary_data の38ページを参照してください。 下の方のLiabilities and stockholders’ equity が「貸方」で、負債と株主資本です。経営の安定性の指標の一つが、「自己資本比率」で、自分のお金(自己資本、equity)を資本全体(=負債と自己資本の和…