企業会計 その4 balance sheet (2)

今日の企業会計は、「貸借対照表 balance sheet, B/S」のつづきです。Polaroid社の
http://getfilings.com/o0001047469-04-011980.html#di1376_item_8._financial_statements_and_supplementary_data
の38ページを参照してください。
下の方のLiabilities and stockholders’ equity が「貸方」で、負債と株主資本です。経営の安定性の指標の一つが、「自己資本比率」で、自分のお金(自己資本、equity)を資本全体(=負債と自己資本の和、「貸方」の総額)で割ったものです。Polaroid社の2003年末は 自己資本(Total common stockholders’ equity)が219.6M$, Total liabilities and stockholder’s equity が513.7M$なので、自己資本比率は219.6÷513.7=42.7%だと思います。
https://doda.jp/companyinfo/contents/finance/009.html
によると日本の平成30年の黒字企業のうち、製造業の自己資本比率の平均は 45.6%なので、42.7%は悪くないのではないかと思います。(業種別の自己資本比率は別途解説すべきですね)
倒産後にいろいろ手術をしてこの状態に持ってきたのでしょう。この会社の自己資本の大部分は”Retained earnings”(内部留保=事業の利益の積算値)です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%85%E9%83%A8%E7%95%99%E4%BF%9D
この会社は倒産して会社ごと売買されていて、42ページ以降に経緯と資産査定の説明があります。
資産が584.5M$, 負債が224.1M$なので、差し引き237.7M$で売買されたと書いてあります。なぜ差額がプラスなのに倒産したかというと、すぐ返さないといけない借金が返せなくなったためです。工場など固定資産は、すぐ使えるお金ではありません。B/SのCommon stockholder’s equity というのが横線になっていて、注釈がついているのは、株式による資本が倒産によってゼロにされたのだと思います。すなわち、株式により入手したお金は、借金とは違って返さなくてもいいお金(自己資本)だということになります。借金は、倒産した場合は管財人の管理で返せる分を配分します。

subsidaries 子会社
Primary 本体(=Polaroid社)
domestic subsidaries 国内子会社
preferred stock 優先株
shareholders’ equity 株主資本 = net asset / net worth 純資産(←2005年以降の名称)
equity ratio 自己資本比率
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E5%B7%B1%E8%B3%87%E6%9C%AC%E6%AF%94%E7%8E%87
retained earnings 内部留保
fixed assets 固定資産
transaction 取引
inventory 棚卸資産、在庫 「イ」ンヴェントリ
extraordinary gain 特別利益(売買の際など、非定常の利益)
fair value of certain of the assets acquired 取得された一部の資産の適正価値

※ 国をまたいだ会社の売買の際の価値の査定はたいへんそうですね。売るほうと買う方で査定額が違いまとまらないとか、査定が間違って買ったほうがあとで大打撃を受けるとか、ニュースになるエピソードも多いです。

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