今週の企業会計は、3つの財務諸表(貸借対照表(B/S)、 損益計算書(P/L)、キャッシュフロー計算書(C/F))のうち、P/Lについて。
損益計算書(profit and loss statement; P/L)とは、企業のある一定期間(例:4/1~3/31)の収益と費用の損益計算をまとめた書類です。
例を何にするか悩んだのですが、最近ニュースになっているEvergrandeにしましょう。
https://www.reuters.com/companies/3333.HK/financials
の左3つボタンのIncome statementsを見てください。右のボタンAnnualが年次、Quarterly が四半期(3か月ごと)です。Annualの最新が31-Dec-20で去年の年末までの1年間ですね。
Total Revenue 収入 507248 million dollars [M$] = 56兆円
Cost of Revenue, Total 収入を得るために使った費用 384643 M$ = 43兆円
Gross Profit 利益 122605 M$ = 14 兆円 → 14÷56= 25%の収益率で、
ものすごく儲かっています(以前の説明で、優良会社の最低目標が8%でした)。しかし、膨大な借金(18兆円?)の期限が来ているのに返せないという話です。貸している銀行等が支払いを待ってあげないと破綻となります。
危ないという情報が出ると商品が売れなくなったり、お金を貸してくれなくなったり(利率が高くなることもある)するので、収益も下がってきます。
Quarterlyを見ると、最新の30-Jun-21 で
Gross Profit ÷ Total Revenue = 28835÷222690=13%で、実際に収益率が下がっているようです。
https://www.bbc.com/news/business-58729791 から単語を拾ってみます。
debt デット 借金
bond 債券 これは株と違って、(1) 一定の利子を払う (2)指定した期日がきたら元本を返す という約束をしている券です。ただし、(JRの回数券のように)期限前に売りたい人もいるため、市場価格が存在し、額面(元本、発行元が最初に売った金額)よりも上がったり下がったりします。この価格決定は経済学の面白い問題で、いずれ解説したいです。
interest 利子 「イ」ンタレスト
Struggling firm to raise $1.5bn as debt payment looms 借金支払いが迫り15億ドル(1650億円)を必死で募(つの)る会社
loom ぼんやり現れる、不気味に迫る、立ちはだかる 名詞で 機織り機(はたおりき)
Dangers were looming ahead. 危険が不気味に迫っていた
The iceberg loomed up out of the fog. 氷山は霧の中からぼんやりと現れた
property ここでは、不動産 がはまるでしょう。辞書では土地、地所、財産・・・で、最後に我々が使う「特性」が出ています。
Evergrande missed a bond interest payment last week. E社は先週の債券の利払いができなかった。
one of the main lender 主要な貸し手の一つ
the crisis engulfing the world’s most indebted property developer 世界で最も借金漬けの土地開発業者を圧倒しつつある危機
engulf 吸い込む、飲み込む、圧倒する (level 11)