世界の研究所 小説投稿サイト Wattpad

硬い話が続いたので、今週は趣向を変えて「職業作家でない人の小説公開サイト」について世界ではどうなっているか調べてみましょう。 日本には、「小説家になろう」(2004年~)他、たくさんあります。 https://en.wikipedia.org/wiki/Sh%C5%8Dsetsuka_ni_Nar%C5%8D 英語圏では2006年に立ち上がった”wattpad”(カナダ トロント)がおそらく最大でwikipediaにも載っています。 他にもあるようですが、wikipediaには載っていません。 https://launchspace.net/general/wattpa…

世界の研究所 独 Merck Electronics部門

今週は半導体微細加工の講義をもう1回やらないといけないので、フォトレジスト(光のパターンを物質に転写するために使う塗料)に関する資料を集めています。この分野は東京応化工業、JSRなど日本の会社が強いですが、 生々しすぎるので、世界の研究所は初期のフォトレジストの定番であったAZシリーズを現在作っている ドイツのMerck KGaA のElectronics部門を取り上げます。 https://www.merckgroup.com/en/expertise/our-businesses/electronics.html Merck(メルク)という化学メーカーはドイツのダルムシュタットに本拠がある…

世界の研究所 台湾TSMC

今週・来週はピンチヒッターで4回の講義をしないといけません。半年前から分かっていたのですが、結局今準備をしています。いかに余裕がないか、自分でもあきれるばかりです。 さて、その講義で半導体微細加工について話そうと思うので、今週はその周辺を解説します。世界の研究所は、台湾TSMC (Taiwan Semiconductor Manufacturing Corporation, 台湾積体電路製造股份有限公司)です。 股份 gǔfèng は日本語では「株式」と訳しますが、中国本土では制度には違いがあるようです。台湾では似ていると思いますが… https://hiroyukiz.com/chinese…

世界の研究所 The Lineac Coherent Light Source (米国)

38年ぶりの阪神優勝だそうで、ファンの皆様はおめでとうございます。カーネルサンダース人形は今回は無事でしょうか。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%81%AE%E5%91%AA%E3%81%84 今週は先週の続き、原子像を見る新しい手法の解説で、X線自由電子レーザーを使う方法です。世界の研究所は、日本のSACLA(Spring8に併設, 2011年にレーザー成功)でもいいのですが、そ…

世界の研究所 英国ベンチャー Nanoco Technologies plc.

今週の世界の研究所は、英国のUniv. Manchester 発ベンチャー Nanoco Technologies plc.をとりあげます。2001年設立です。 https://www.nanocotechnologies.com/about/history/ ここは、今年のノーベル化学賞になった量子ドットの工業生産法を開発してビジネスにしています。特にカドミウムが入っていないものを作っています。 ここの人もノーベル賞候補かな、と思っていましたが2018年に亡くなっていました。 https://news.liverpool.ac.uk/2018/10/22/obituary-professor…

世界の研究所 英国 The Royal United Service Institute for Defense and Security (RUSI)

今週の世界の研究所は、英国の安全保障シンクタンク The Royal United Service Institute for Defense and Security (RUSI、英国王立防衛安全保障研究所) を取り上げます。ここはウクライナ-ロシア関係で情報源としてよくニュースに登場していましたが、イスラエル-ハマス関係でも情報を発信しています。1831年に設立された、この種のものとしては世界最古のシンクタンクとされています。 https://en.wikipedia.org/wiki/Royal_United_Services_Institute 現所長はケント公爵(故エリザベス女王のい…

世界の研究所 Global CCS Institute (メルボルン)

先週はノーベル賞の合間にCO2回収技術について解説を始めていました。今週はその続きで、世界の研究所はGlobal CCS Instituteを取り上げます。これはオーストラリアのメルボルンに本部があり、Washington DC(米国)、London(英国)、Brussels(ベルギー)、北京、東京に事務所がある40人の組織です。日本は環境省の幹部が入っているので、政府が関与しているようです。ここが出している二酸化炭素分離貯蔵(carbon dioxide capture and storage, CCS)に関する下記レポート(pdf注意)はあちこちで引用されています。 https://www…

世界の研究所 大気CO2直接回収プラントの 1PointFive社

今週はノーベル賞の解説をするので題材が不規則になります。とりあえず、発表がない日と来週を混ぜて二酸化炭素の直接大気回収(Direct Air Capture: DAC)技術の現状について解説したいと思います。今週の世界の研究所は、最近日本の全日本空輸(ANA)と提携を結んだ米国の1PointFive社を取り上げます。ここは独立系石油会社 Occidental Petroleum社の子会社で、カナダのCarbon Engineering社と提携してDACプラントを建設しています。 https://www.1pointfive.com/ https://ja.wikipedia.org/wiki/…

世界の研究所 英国 arm社

今週の世界の研究所は、今年9月14日に米国NASDAQ市場に再上場を行ったarm社です。1975年に英国で設立されたベンチャーがもとになっています。 https://www.arm.com/blogs/blueprint/arm-official-history 自分では半導体の製造を行わないで、CPUとその周辺回路の設計図(トランジスタの接続等)を売ることにより収益を上げています。携帯電話などで高いシェアを持っており、車載コンピュータや通常のCPUにも進出しています。2016年にソフトバンクが3.3兆円で買収した時は話題になりましたが、まだ株価が乱高下中ですがかなり現在の価値は上がっていて(…

世界の研究所:慶応義塾大学・斯道文庫

今週の世界の研究所は、慶応義塾大学附属研究所・財団法人斯道文庫を取り上げます。 http://www.sido.keio.ac.jp/index.php 教授5人、専任講師1人のこじんまりした組織で、炭鉱・セメント王の麻生太賀吉氏の寄贈がもとになっていて、日本および東洋の古典を研究しているようです。確かに、古文書は改築などに伴ってまだまだ出てくるでしょうから、寄贈先が必要ですね。国公立大学は経費の管理が面倒なので、私立大学はよい受け皿になると思います。西行について色々調べていたらここで行われた面白い展覧会を見つけました。近くなら行きたかったです。 https://bijutsutecho.co…