世界の研究所 国立遺伝学研究所(日本)

今週の世界の研究所は、静岡県三島市の国立遺伝学研究所(National Institute of Genetics; NIG)です。 https://www.nig.ac.jp/nig/ja/ データーベースの整備や、遺伝資源の保存など地道な仕事の他に、遺伝学に関する研究を行っています。所員は500人。 人間の遺伝情報の概略はすでに得られており、個人による違い、その機能や病気(がんなど)のときにどこが変化するかが研究されています。 人間のゲノムの情報量は750MBと言われています。 https://en.wikipedia.org/wiki/Human_genome#Information_c…

世界の研究所 Institute of Archeology (University Colledge London)

今週の世界の研究所は、University Collage London, Institute of Acrcheology (考古学研究所)です。 ざっと調べたところ、考古学研究所と銘打っているところはここだけのようです(博物館は他にたくさんあります) University College London (UCL)は、ロンドン大学の一部として位置づけられています。30名のノーベル賞(Ramsey, Braggなど)と3人のフィールズ賞を出しています。昔から留学生教育に熱心で、伊藤博文、小泉純一郎氏など日本の首相も留学しているそうです。Charles Darwinは裕福な無所属の学者でしたが、…

世界の研究所 Jet Propulsion Laboratory

今週の世界の研究所は、Jet Propulsion Laboratory (JPL, ジェット推進研究所, カリフォルニア州パサデナ)を取り上げます。ここは、カリフォルニア工科大学(CalTech)に付属しており、NASAの研究所として運用されています。私も若い時に行ったことがあります。 https://www.jpl.nasa.gov/ CalTechは、理系の小さい私立大学ですが、アメリカでランキング最上位グループで(年によって変わる)、ノーベル賞もたくさん出ています(40人)。 アメリカは政府委託でいろいろな大学(地方大学含む)に特殊な研究機関を付属させて、大きなお金を継続的につけていま…

世界の研究所 NPO形態のPlanetary Science Institute

今週の世界の研究所は、NPO(non-profit organization)形態の民間の研究所 Planetary Science Institute(惑星科学研究所、米国アリゾナ州ツーソン)を取り上げます。 https://psi.edu/about 1972年設立で、NASA等のプロジェクトに関与したり、博士号をとった人の腰掛に使われたりしています。カリフォルニアやボストンなど(さらに外国も)、家族の関係で遠隔で仕事をしている人も複数いて、勤務形態は時代を先取りしていると思います。最初は会社のサポートがありましたが、現在は独立しています。政府の補助金を入れるために会計面を整備して専門のス…

世界の研究所 Institute for Advanced Study (プリンストン高等研究所)

今週の世界の研究所は、Institute for Advanced Study (プリンストン高等研究所)を取り上げます。英語名にはPrincetonはついていないようです。 https://www.ias.edu/ https://en.wikipedia.org/wiki/Institute_for_Advanced_Study 研究所のMottoは”Truth and Beauty”とのこと。 Einstein, Goedel, von Neumann, Oppenheimerなどが有名です。また、数学者 Edward Witten (フィールズ賞)、経済学者Eric Muskin (ノ…

世界の研究所 AT&T Bell Laboratories

今週の世界の研究所は、今はなき AT&T Bell Laboratories (ベル研)を取り上げます。 AT&Tは電話会社。Bellという名前は電話の発明者A.G. Bellです。過去9件のノーベル賞(退職者の在籍時の業績も含む)を出しています。 https://en.wikipedia.org/wiki/Bell_Labs 1937: Clinton J. Davisson 物質波の実験的検証 1956: John Bardeen, Walter H. Brattain, and William Shockley トランジスタの発明 1977: Philip W. Ande…

世界の研究所 De Beers ダイヤモンド関係

今週の世界の研究所は、ダイヤモンドの研究 and/or「De Beers」を含むもので検索してみました。 ダイヤモンドシンジケートの元締めデビアス(De Beers, いまはイギリスの鉱山会社 Anglo Americanの傘下)の子会社 Element Sixが人工ダイヤで有名です。下記サイトのビデオではきれいな工場・実験室が見えます。小売りもしています。 https://www.e6.com/ 下記IIDGR社は、デビアス傘下の真贋(しんがん)を調べる研究所(会社)です。人工と天然を見分ける装置も作っているようです。 深紫外線照射下の蛍光(fluorescence、光照射下の発光)とりん光…

世界の研究所 国連大学と関連組織

今週の世界の研究所は、国連傘下の研究組織についてとりあげます。 https://jp.unu.edu/about/unu-system 国連大学の本部は、東京・渋谷区にあり、学部はありませんが大学院を持っています。 その下に14の研究組織があるようです。 社会、経済、資源にかかわる文系の研究が多いようですね。 https://jp.unu.edu/explore いわゆるSDGsにかかわる研究を熱心に推進しているようです。 研究者が全世界で400人余りいるようです。一部は大学と両方に属していますね。 multifaceted 多面的な facet は多面体の面ですね。 comprehensiv…

世界の研究所 米国研究公正局

今週の世界の研究所は、アメリカのOffice of Research Integrity(米国研究公正局)をとりあげます。これは、研究所ではなく行政機関です。研究上の不正に対応する専門の政府機関で、ORIと略されます。アメリカでも1980年ころ、捏造、改竄、盗用などが相次ぎ、NIH (National Institute of Health 国立公衆衛生局)の下にOffice of Scientific Integrity という組織が作られ、それが他局と合併独立したものです。 最近の米国の事件が実名で公開されています。 https://ori.hhs.gov/case_summary ストー…

世界の研究所 ドイツ ヴァルター・マイスナー研究所

今週の世界の研究所は、ドイツの Walther-Meißner-Institut (WMI), Bayerische Akademie der Wissenschaften (バイエルン州科学アカデミー ヴァルター・マイスナー研究所)です。ここは、低温電子工学の研究所です。この分野は日本では各大学の研究室として散在して苦労しているところが多いようですが、ここはまとまっています。超伝導のマイスナー効果のマイスナーが初代所長、生誕100周年で「低温研究所」から名前を変えたようです。 https://www.wmi.badw.de/aboutus/portrait.htm 小さい研究所ですが、講義の…