世界の研究所 カリーニングラード大学 Kant Academie (世界の飛び地(1))

今週は、秋の遠足ということで、少し科学技術を離れて世界の「飛び地」を見て回ろうと思います。世界の研究所は カリーニングラード大学(Imanuel Kant Baltic Federal University)のカント研究センターにします。哲学者カントが教授をしていたので、ゆかりのKant Academieがあるようなのですが、英語ページがありません。研究者として10人くらいの名前が書いてあります。google翻訳によると、下記 Kant Academieはロシアと西欧での哲学の比較、国境を越えた哲学的受容(?)の研究をしているようです。旧ソ連の時はカント哲学者はどうしていたのか、考えるとたいへ…

世界の研究所 Fridtjof Nansen Institute (Norway)

今週の世界の研究所は、ノルウェーの Fridtjof Nansen Institute (フリチョフ・ナンセン研究所)です。 https://www.fni.no/?lang=en_GB 研究対象はちょっと変わっていて、環境、生物多様性、気候変動の他に海洋法、北極・ロシア政治について研究しているようです。北極とロシアはいろいろあります。北極点には陸地が無いですが、石油、天然ガス(一説では地球上の1/4)、鉱産資源が豊富だと言われていて、ロシアが2007年に北極点の海底(深さ4261m)に潜水艇でチタン製(!)の国旗を建てて排他的経済水域であると主張したことにより緊張が高まりました。2015年に…

世界の研究所 ミネソタ大学極地研究所

今週の世界の研究所はミネソタ大学極地研究所(The Polar Geospatial Center (PGC) at the University of Minnesota)です。 https://www.pgc.umn.edu/ 研究所といっても、遠隔観測等のデジタル情報を扱うサービスを専門にしているようです。 https://japan.googleblog.com/2012/07/blog-post_18.html 今週は極地探検家を取り上げようと思います。 spatial spaceの形容詞。スペイシャる「空間に関する」「場所の」 spacial これも 「空間的な」スペイシャる 辞書…

世界の研究所 Abdus Salam International Center for Theoretical Physics 国際理論物理学研究センター

今週の世界の研究所は、イタリアのトリエステにあるAbdus Salam International Center for Theoretical Physicsを紹介します。ここは、素粒子理論でノーベル賞を取ったパキスタン出身のSalamの提案で設立されました。物理や数学の研究や賞の選考の他に高等教育が充実していない国の学生を選んで(年数人です、どうやって選ぶのでしょうか)他国の博士課程入学のための証明書を出す活動も行っています。 https://youtu.be/_9dPsxEE6Pk https://www.ictp.it/about-ictp/media-centr1e/news/202…

世界の研究所 Sandia National Laboratory LAMMPS と Zマシン

今週の世界の研究所は、分子動力学ソフトLAMMPSを開発している(先週間違えた)米国のSandia National Laboratoryを取り上げます。ニューメキシコ州のアルバカーキにあります。世界最強のX線発生装置「Z machine ズィー マシン」で有名です。 https://ja.wikipedia.org/wiki/Z%E3%83%9E%E3%82%B7%E3%83%B3 https://www.youtube.com/watch?v=pMI_n6MyaIs https://www.youtube.com/watch?v=eaopaLJk3-Y (Lab tour で見学できますが…

世界の研究所 米国 Los Alamos National Laboratory

今週の世界の研究所は米国のLos Alamos 国立研究所(1)です。ここは、機密を要する原爆開発のマンハッタン計画(2)の最終段階のためにNew Mexico州の人里離れた場所に1943年に建設されたものです。同計画は、1939年からのべ40000人を投入して、連鎖反応が起こるという情報だけから5年で原子爆弾の開発にこぎつけました。ウランの同位体濃縮、核反応断面積の精密測定、爆弾の設計など、短期間で越えた技術的ハードルは驚くべきものがありますが、日本人としては複雑な感情を抱かざるを得ません。水爆もここで開発されました(Jahn-Teller効果やBET吸着式のE. Tellerが指揮, 19…

世界の研究所 CO2海底貯留実験施設(苫小牧)

今週の世界の研究所は、北海道苫小牧にあるCO2海底貯留実験施設です。これは資源エネルギー庁がお金を出してつくった民間企業が運営しています。二酸化炭素排出に国際的に課金されるようになると、それを引き取るビジネスが成立するはずです。 https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/ccs_tomakomai.html https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/ccs_tomakomai_2.html CO2は、25℃でも67気圧で液体になります。(臨界点は31℃73気圧…

世界の研究所 スバールバル世界種子貯蔵庫(Svalbard Global Seed Vault)

今週の世界の研究所は、ノルウェー領スバールバル諸島のスピッツベルゲン島にあるスバールバル世界種子貯蔵庫(Svalbard Global Seed Vault)です。 https://www.youtube.com/watch?v=7C3nO8MYQQw https://www.croptrust.org/our-work/svalbard-global-seed-vault/ https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%AB%E4%B8%96%E7%95%8…

世界の研究所 MossTech (苔に関する virtual な研究所)

今週は「苔(こけ)、蘚苔類(せんたいるい)」について紹介します。moss research で検索したところ、デンマーク工科大学を中心に3大学+1研究所+4つの会社が作っているバーチャルな研究所 “MossTech”が見つかりました。 https://www.mosstech.eu/ まだできたばかりなのか、所員10人(7か国)、院生6人で、websiteと「苔を見る会」のイベントが主要な活動のようです。ターゲットは新しい遺伝子の探索や分子合成系の開発で、着眼点は面白いと思います。国際的な仲間でこういうvirtualな研究所がたくさんできると楽しいですね。 日本でも「苔…

世界の研究所 The Julliard School ジュリアード音楽院

今週の「世界の研究所」は、The Julliard School ジュリアード音楽院 を取り上げます。 https://www.juilliard.edu ここは、世界でも指折りの音楽・舞台芸術の学校で、アメリカのニューヨークにあります。皆さんが知っている有名な現代の演奏家・作曲家を多数輩出しています。 下記ビデオを見る限り、しっかり勉強できそうですね。生徒も教員もいい顔をしています。 https://www.youtube.com/watch?v=v1k_18-NOB0 ※ 研究所というよりも教育機関ですが、新しいことも当然教えているので、研究もしています。そろそろ研究所が尽きてくるので、徐…