世界の研究所 米国 Los Alamos National Laboratory

今週の世界の研究所は米国のLos Alamos 国立研究所(1)です。ここは、機密を要する原爆開発のマンハッタン計画(2)の最終段階のためにNew Mexico州の人里離れた場所に1943年に建設されたものです。同計画は、1939年からのべ40000人を投入して、連鎖反応が起こるという情報だけから5年で原子爆弾の開発にこぎつけました。ウランの同位体濃縮、核反応断面積の精密測定、爆弾の設計など、短期間で越えた技術的ハードルは驚くべきものがありますが、日本人としては複雑な感情を抱かざるを得ません。水爆もここで開発されました(Jahn-Teller効果やBET吸着式のE. Tellerが指揮, 1952)。ここから核兵器が世界に広がった経緯は、スパイの暗躍(3)があったりして複雑です。現在はDepartment of Energy の傘下にあり、軍事の他にもいろいろな研究を行っています。von Neumannらが創始した高いシミュレーション技術を持っており、現在では、核実験をしなくても未臨界の実験だけで各種定数を決めて爆弾を作れるようになっています。一部をLAMMPSというソフトウェアパッケージとして公開しており、私も使っています(明日以降紹介:訂正、LAMMPSはLos AlamosではなくSandia National Lab.とTemple Univ.が作成)。運営は入札により大学と企業の連合体が行っているようで、運営方法に興味がもたれます。2007年にはスパイ事件があり、最近も実験室の掃除をしていたらプルトニウムを含む廃棄物が発火して火事になった(4)などいろいろ不祥事もあるようです。
(1) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%83%A2%E3%82%B9%E5%9B%BD%E7%AB%8B%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80
(2) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%8F%E3%83%83%E3%82%BF%E3%83%B3%E8%A8%88%E7%94%BB
(3) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%95%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9
(4) https://www.santafenewmexican.com/news/local_news/lab-fire-highlights-ongoing-lanl-waste-problems/article_cb737522-2724-54ad-aa6b-2232e6485ecf.html

top-secret 最高機密
hurdle ハードル
desert 砂漠 「デ」ザート 動詞で「見捨てる」名詞で「当然の報い」(deserts)はデ「ザ」ート
dessert デ「ザ」ート 食べるデザート
be active behind the scenes 暗躍する
rampant 跳梁(ちょうりょう)する、流行する
criticality 臨界
prestage 特権
blunder 大失敗
fiasco 大失敗
bloat 燻製にする、膨れさせる our already bloated nuclear weapons stockpile すでに膨れ上がった核兵器の山
scarce water resources 少ない水源
facilitywide housekeeping day 研究所一斉清掃の日
The lab did not incur any fines as a result of the incident. その研究室は事故の罰金を科せられなかった。
incur イン「カー」 level 9 負う  受け身の意味を持つ能動動詞です。

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