世界の研究所 CO2海底貯留実験施設(苫小牧)

今週の世界の研究所は、北海道苫小牧にあるCO2海底貯留実験施設です。これは資源エネルギー庁がお金を出してつくった民間企業が運営しています。二酸化炭素排出に国際的に課金されるようになると、それを引き取るビジネスが成立するはずです。

https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/ccs_tomakomai.html
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/ccs_tomakomai_2.html

CO2は、25℃でも67気圧で液体になります。(臨界点は31℃73気圧)
https://web.tuat.ac.jp/~oginolab/japanese/essay/20190407/20190407.html
海中の圧力は、10mあたり1気圧増えるので、67気圧にするには660mの深さにもっていけばいいことになります。
http://www.ipc.tohoku-gakuin.ac.jp/nken/fluid/fluid_2/
また、CO2も他の物質と同様、気体→液体で体積が減少します。
25℃の密度はすぐには見つかりませんが、0℃1気圧の気体 1.977kg/m3, -20℃20気圧の液体 1.030kg/L
なので、液化によって体積は約2000分の1になると考えられます(これは、通常よりも大きな比です。ヘリウムは700)。
現在、CO2濃度は産業革命前の280ppmから、2018年に410ppmになったとのこと。これは過去80万年で最高値だそうです。あと45年で500ppmになるとの予測があります。
https://www.businessinsider.jp/post-167043
CO2の量を概算してみましょう。以下の計算は間違っているので注意です。明日訂正しますが、どこがおかしいか考えてみて下さい。

大気の厚さは約10km, 地球半径6371kmから、大気の体積は5×10^9 km^3となり、
この中の100ppmのCO2の体積は5×10^5 km^3  質量は20兆トン(←明日修正)
これを液化して1/2000の体積にし、厚さ100mの箱に閉じ込めようとすると、面積は2500 km^2(←明日修正)となります。
東京都の面積が2194km2なので、原理的に不可能な量ではないですね。
ただし、海底にそんな箱を作るのはたいへんなので、砂の上に岩があるような海底油田や海底ガス田のような地形に閉じ込める計画です。
日本の沿岸域には最大2400億トンが貯留できるとの見積があります。でも20兆トンの1/70(←明日修正)にすぎません。世界全体を使っても海底貯留は一時的な時間稼ぎで、最終解決にはならないとされています。

産業革命 industrial revolution
臨界点 critical point
海底油田 offshore oil field
海底ガス田 offshore gas field
砂岩 psammite, arenite, sand rock
海底貯留 store in a seabed stratum
海底 seabed
地層 stratum ストレイタム (level 10)
時間稼ぎ gaining time, stall (←飛行機の失速、馬小屋の仕切り、引き延ばしの口実)
最終解決 a final solution
埋める bury ベリー
大気圏 atmosphere
対流圏 troposphere トロポスフィア 約11kmまでの大気
成層圏 stratosphere 11-50km

Leave a Comment

Comments

No comments yet. Why don’t you start the discussion?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA