世界の研究所: 上海のCAS-MPG Partner Institute of Cumputational Biology

古いSFですが、小松左京の「復活の日」(1964)というのがありました。似たような小説(SFというよりホラー)にStephen KingのThe Standというのがあります(1978)。どちらも映画・テレビシリーズになっていますが、設定は似ており、突然現れた病原体で人類がごく少数まで減り、滅亡の縁にたたされるという話です(小説としては全く違う、それぞれの作家らしい話になっています)。先週のScience誌に、人類の祖先が90万年前に1200人まで減少して絶滅の縁にいたという論文が出ました。これは現代人の遺伝子解析から家系図のモデルを立てるというデータサイエンスの手法を駆使して導いたようです。…

世界の研究所:メキシコのCIMMYT(国際トウモロコシ・小麦改良センター)

トウモロコシがおいしい季節は終わりつつありますが、北海道のトウモロコシはスーパーに売っているものも甘くて驚くほどおいしいです。今週の世界の研究所は、トウモロコシと小麦の品種改良を研究するメキシコのCIMMYT (Centro Internacional de Majoramiento de Maiz y Trigo)をとりあげます。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E3%83%88%E3%82%A6%E3%83%A2%E3%83%AD%E3%82%B3%E3%82%B7%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%A0%E3…

世界の研究所:World Allergy Organizaiton 世界アレルギー機構

先日、古い木材の近くで長時間過ごしていたら呼吸器のアレルギー反応が起きました。検索してみたところ、過敏性肺(臓)炎という病気があることを知りました。これは、古い木材に生えるカビ(trichosporonという白カビ(というより糸状になる酵母?)、目にはあまり見えないようです)の胞子(無性生殖で、分節型分生子というようですが、英語版はsporeと書いています)に対するアレルギーだそうで、多くの患者さんがいるそうです(干し草の菌や鳥の糞に反応する場合もある)。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%B3%E3%82%B9%E3…

世界の研究所 スウェーデン 王立技術大学 KTH

先週、大学の仕事が終わった後で真空中の駆動機構を作っていて、非磁性の良いバネが必要になりました。そういえば、超弾性合金を演示実験用にもっていたな、と思い出してバーナーで熱処理しながらコイルに巻いてみたところ、素晴らしいものができました。うれしかったので、今週は「超弾性(擬弾性)合金」について解説しましょう。世界の研究所は、1932年に超弾性現象が発見された(が、数十年埋もれていた)、スウェーデンのKTH(王立技術大学、Royal Insititute of Technology、スウェーデン語で Kungliga Tekniska högskolan)を取り上げます。 https://www.…

世界の研究所:ウィルキンソン探査機とプランク探査機

先週金曜日に宇宙の寿命の話をしました。現在はビッグバン以来138億年ということになっています。そのデータを取ったのが米国のウィルキンソン探査機(Wilkinson Microwave Anisotropy Probe, WMAP)と欧州宇宙機構のプランク探査機(Planck Surveyor)です。 https://ja.wikipedia.org/wiki/WMAP https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AF_(%E4%BA%BA%E5%B7%A5%E8%A1%9B%E6%98%9F) WMAPは打ち上…

世界の研究所: Inst. of Volcanology & Geodynamic ANSRF, Russian Academy of Science

先週はダイヤモンドアンビルセル(diamond anvil cell)を使った放射光実験で、ガスケットとして使用する元素レニウム(rhenium, Re)の板をいじっていました。今週の世界の研究所は、レニウムの鉱物であるReS2を1994年に発見した樺太のユジノサハリンスク(豊原)にある Inst. of Volcanology & Geodynamic ANSRF, Russian Academy of Science をとりあげます。wikipediaにも載っていない小さな研究所だと思います。研究所のwebも見つかりません。が、ここの研究者(とInstitute of Experi…

世界の研究所 Wistar Institute (米国)

暑いですが元気出していきましょう!さて、今週は先週予告したように細胞寿命の話を調べたいと思います。世界の研究所は、細胞の分裂回数が有限であること(Hayflick Limit ヘイフリック限界)が1961年に発見された米国フィラデルフィアのWistar Institute ウィスター研究所 をとりあげます。 https://wistar.org/ ここは1892年に医療訓練所として設立され、現在は国立がん研究センターの一つです。民間の機関が国家レベルの研究所に発展している例は米国ではしばしばありますね。 三種混合ワクチン(麻疹、風疹、おたふくかぜ)の開発、現在広く使われている狂犬病ワクチンの開…

世界の研究所 セミ関連の cicada safari アプリと cicadamania サイト

関東の内陸部は気温が高くなっていて、梅雨は明けていませんが盛夏といっていいのではないでしょうか。今週の世界の研究所は、夏の昆虫であるセミの研究プロジェクトのアプリ “cicada safari” https://cicadasafari.org/ と、おそらく個人でやっている web https://www.cicadamania.com/ をとりあげます。前者は、米国の Mount St. Joseph University の先生(Prof. Gene Kritsky)が2019年に始めたアプリだそうです。Science 誌にもとりあげられています。 https:/…

世界の研究所 フランス Institut National de Recherche en Informatique et en Automatic

フランスで暴動が起こっているようです。今週の世界の研究所は、フランスから、Inistitut National de Recherce en Informatique et en Automatique (INRIA; 国立情報学自動制御研究所)をとりあげます。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E5%9B%BD%E7%AB%8B%E6%83%85%E5%A0%B1%E5%AD%A6%E8%87%AA%E5%8B%95%E5%88%B6%E5%BE%A1%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6…

世界の研究所:炭素繊維複合材料発祥の地 通産省大阪工業試験所(現 産総研関西センター)

先週はいろいろなニュースがありました。ロシアの反乱(未遂?)と潜水艇の話が印象的でしたが、今週は潜水艇のほうにしましょう。関係の方々の魂が安らかであることを祈ります。遭難した潜水艇はカーボンファイバー強化プラスチック(carbon fiber reinforced plastics=CFRP)で作られていたという情報があります。今週の世界の研究所は、カーボン複合材の発祥の地(特許1959年)といえる旧・通産省・大阪工業試験所(現:産業技術総合研究所関西センター)を取り上げます。進藤昭男博士の活躍は国立研究所と産業界の連携がうまくいった成功例として知られています。 https://www.ais…