世界の研究所 米国・Creative Enzyme社、日本・ヤクルト中央研究所

先週の研究会は天候にも恵まれ、無事終わりました。今日は講義のあと14時発の飛行機に乗り、東京で別の国際会議の仕事です。外国の知り合いを何人か呼んでいて、久しぶりに直接話ができます。明日夕方締め切りの重たい案件が一つあるので、まだ綱渡りです。先週痛めた腰が早く治るといいのですが… さて、今週は先週の続きで、乳酸菌~有用菌の関連を見ていきます。月曜日の研究所としては、下記はどうでしょうか? https://www.creative-enzymes.com/cate/probiotics_99.html このアメリカの会社はいろいろな酵素を売っているようですが、10年前からプロバイオティクス(要はヨ…

乳酸菌が作る抗生物質ナイシン

乳酸菌には”probiotics”など腸管内の生息により免疫の活性化などの効果があるとされていますが、単独でも他の菌を殺す作用があります。抗生物質ナイシン(Nisin)を産出します。食あたりに効果があるのを実感していますが、要因はこれかもしれません。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%82%B7%E3%83%B3 水溶性多環式抗菌ペプチドで、10億分の1(=part per billion)の濃度で効果があるとのことです。食品添加物として用いられています。食品添加物用には乳酸菌を天然物(牛乳など)に作…

乳酸菌はいろいろな種類の菌を含む

「乳酸菌」、というのは酸性環境を好み、乳酸を産出するという性質でくくっただけの名前で、分類学的にはいくつかの異なる種類を含んでいるとのことです。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B9%B3%E9%85%B8%E8%8F%8C 乳酸を作る原料として何を使うか、は厚生省は「糖」、日本発酵乳協会はブドウ糖や乳糖などの「糖」wikipediaは糖だけでなく、アミノ酸やビタミンB群、Mn,Mg,Feなども必要、など、記述に少し違いがあります。 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/…

世界の研究所 内蒙古伊利实业集团股份有限公司 欧州研発中心

昨日は講演会とパーティがあって日帰りで東京に行ってきました。何十年ぶりに会えた人もいて有意義でした。 さて、今週は乳酸菌の話をしようとしています。世界の研究所は、世界のヨーグルトの会社の2位であるYili(内蒙古伊利实业集团股份有限公司)のヨーロッパの研究所を取り上げます。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%8A%E5%88%A9%E9%9B%86%E5%9B%A3 ちなみに世界1位はNesleで、5位にフランスのダノン、8位に日本の明治乳業が入っています。 ネスレはいろいろな部門でランキング1位なので、別の題材で取り上げます。 下記ページはどこをクリッ…

カゼインのレネットによる沈殿、リコッタチーズ

ついに今年もあと1か月になってしまいました。体に気を付けて、気を抜かずにいきたいですね。 チーズの作り方は、昨日のyoutubeにあったように、牛乳を乳清と固形物に分け、脂肪分をバターとして除いてから、乾燥させながら発酵させることでチーズができます。その時に乳酸菌による糖の分解だけではなく、タンパク質の分解やカビによる脂肪の分解などがあり独特の風味が出るということです。乳酸菌やカビは面白そうなので来週以降調べることにして、牛乳を固化するところをもう少し見てみましょう。余談ですが、乳清にもタンパク質は入っているので、発酵による酸性化→加熱(または加熱のみ)により固化させてさらにチーズを作る方法(…

チーズの製法

チーズができるとき何が起こるかの解説はyoutubeにいくつも上がっています。 https://www.youtube.com/watch?v=g2N1eZPOcCk https://www.youtube.com/watch?v=uQcKLdy59qg https://www.youtube.com/watch?v=jMAlToEYHJM まず、rennetという反芻動物の胃からとれる酵素でカゼインタンパク質(Caでくっついたミセル)の負に帯電した表面を切り取り凝集させます。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%82%BC%E3%82%A4%…

東洋医学の「経絡」の理解の現状

東洋医学には経絡(けいらく、英語はMeridian)やツボ(acupoints)という概念があり、そこの皮膚や組織を刺激すると対応する臓器に影響が及ぶとされています。個人的経験では、少なくとも神経性の下痢(魚腹、手の親指につながる手のひら)や長時間英語で講義した後の激しい胃痛(大衝、足の親指と人差し指の間の付け根)には効果があります。webを見ていると、鍼灸院のページのいくつかで「軸索反射 axon reflex」という言葉がありました。これは、皮膚からの刺激が脳や脊髄などの中枢を通らずに血管の拡張などの応答を起こすもので、体温調節、発汗、喘息などに深くかかわっていることが分かっています。 h…

麻薬様物質(オピオイド)が鍼刺激により体内で産生される

鍼による痛み止めの機構はendogenous opioid (体内産生麻薬様物質)が出るためというのは確立していますが、鍼刺激からそれが起こるメカニズムはまだ研究途上のようです。acupunctureとopioidで検索すると論文は300あまり出ています。鍼から電流を周波数(数Hzです)を変えて流すと、周波数によって何種類かあるopioid受容体を一種類ずつ選択的に活性化できるというのも確かなようです。鍼の手技でゆっくり回すというのがあると聞いたことがありますが、それと関係していそうです。 分子レベルの研究では、下記がopen accessなので購読していなくても読めます(2020年)。ネズミ…

鍼による鎮痛作用

昨日の研究所 National Center for Complementary and Integrative Health は鍼(はり)による痛み止めの臨床研究も組織しています。東洋医学で効果が確実とされているものの一つが「鍼(はり)麻酔」です。これは、鍼刺激によっていわゆる「脳内麻薬」(endogenuous opioid, 内因性オピオイドというみたいです)の分泌が起こることが実験的に確かめられていて、中毒性のある痛み止めの麻薬の代替を狙っている研究です。特に、線維筋痛症(fibromyalgia)、関節リューマチ、がんのような慢性の痛みに対する効果が期待されています。 https:/…

世界の研究所 米国 補完統合医療研究センター National Center for Complementary and Integrative Health (NCCIH)

今週の世界の研究所は、米国NIHの下にあるNational Center for Complementary and Integrative Health (NCCIH)をとりあげます。 https://www.nccih.nih.gov/ ヨガや東洋医学系を研究しているようです。部長級(Director)が10人いるので、そこそこの大きさの組織です。研究資金を提供する機能もあります。webをざっと見たところ、「怪しく」ならないようにかなり気を付けて研究しているようです。  先々週の金曜日に、平安時代に日本にお灸が普及したという話をしました。お灸は北東アジアの遊牧民族発祥の技術だそうですが、私…