東洋医学の「経絡」の理解の現状

東洋医学には経絡(けいらく、英語はMeridian)やツボ(acupoints)という概念があり、そこの皮膚や組織を刺激すると対応する臓器に影響が及ぶとされています。個人的経験では、少なくとも神経性の下痢(魚腹、手の親指につながる手のひら)や長時間英語で講義した後の激しい胃痛(大衝、足の親指と人差し指の間の付け根)には効果があります。webを見ていると、鍼灸院のページのいくつかで「軸索反射 axon reflex」という言葉がありました。これは、皮膚からの刺激が脳や脊髄などの中枢を通らずに血管の拡張などの応答を起こすもので、体温調節、発汗、喘息などに深くかかわっていることが分かっています。
https://en.wikipedia.org/wiki/Axon_reflex
ニューロン(神経細胞)は入力1000個、出力1個のプロセッサで、出力がさらに多くのニューロンの入力につながっているので、そのネットワークが見えないところで経絡を作っていても論理的には変ではないでしょう。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E7%B4%B0%E8%83%9E
文献を調べましたが、実験的証明はないようです。下記が2013年に発表されています。
https://link.springer.com/article/10.1007/s11655-013-1456-0
軸索反射と、”volume transmission (血液やリンパ液を通じた細胞間信号物質の流れ)”の両方が経絡として働いているとの説ですが、この仮説は実験的に証明されてはいないようです。経絡が液体の流路で、ペプチド分子がそれに沿って拡散する、というのが本当ならば解剖学的に証明できるはずで、それがないと個人的には納得できません。
軸索反射説を鍼灸の学校で教えているのかもしれません。軸索反射自体は1873年に発見されています。
軸索反射によって、血管の収縮(vasoconstriction)だけでなく、血管の拡張(vasodilation)や液・血球の滲出も引き起こされるようです。太い血管やリンパ管には平滑筋があるのですね。調べきれていませんが、軸索反射によるリンパ液の滲出が起こるとすれば、冷やすとやけどの水ぶくれが起こりにくいことと関係ありますね。
https://en.wikipedia.org/wiki/Vasodilation
https://www.mnc.toho-u.ac.jp/v-lab/shinkin/circulatory/circl-2-1.html
https://www.pieronline.jp/content/article/0039-2359/262130/1147

英語は「軸」その他
axis 軸
the Axis 「ア」キシス 枢軸国(WW2の)cf. the Allies 「ア」らイズ 連合国
axiom 公理 「ア」キシオム level 12
theorem 定理
corollary 系 level 11 定理から自然に導かれる結果 (私はlとrを間違えます。ラテン語:花の冠の贈り物 corona=花の冠、 とくっつけて覚える?)
lemma 補題 れンマ
conjecture 「コ」ンジェクチャ 予想 Riemann Conjecture リーマン予想
axon 軸索 「ア」クソン
meridian 子午線
spinal reflex 脊髄反射(脳までいかないが、脊髄で折り返して筋肉の動作が起こる) スパイナる 脊髄
asthma 「ア」ズマ 喘息 “sth”は”z”と発音します。
vaso- 血管を表す接頭辞 例 a vaso-occlusive device 血管閉塞器具
vasopressin バソプレッシン 抗利尿ホルモン(血管浸透圧を上昇)
occlusive オク「る」ーシヴ 閉塞(へいそく)性の level 20
occluded front 閉塞前線 (温暖前線と寒冷前線がくっついたもの)
warm front 温暖前線
cold front 寒冷前線

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