世界の研究所 David Austin Roses (英国)

昨日、植物園を見てきました。バラがたくさん咲いていましたが、品種には育種者と年号が書いてあり、かなりの割合で”David Austin”という人が登場しました。調べてみると、イギリスの有名な育種家で、10代で趣味としてバラの育種をはじめ、世界展開に成功して現在は2代目が継いでいるようです。日本にも支店があって、webもあります。本拠地にバラ園があるようです。行ってみたいですね。 https://www.davidaustinroses.com/pages/plant-centre-and-gardens 下記が日本版カタログです。苗木を各国の拠点に送って育ててから売ると…

意識のハードウェアのしっぽ

今週取り上げている論文は、「意識」のハードウェアの実体のしっぽを捕まえた画期的なものだと思いますが、米国でもメディアは少ししか取り上げていません。日本のメディアではまだ見ていません。個人的には、哲学や心理学が理系の実験科学に変わる流れの1つのマイルストーンとして位置づけられると考えます。 私は購読しているMIT technology reviewで見つけましたが、調べるとNew York Timesがプレスリリース(5月1日)の当日とりあげています。これを転載した地方紙がいくつかあります。しばらく前に金曜日の読書で読んでいた”You are not listening”…

fMRIはまだ小部屋サイズ

今週紹介している論文をもう少し読んでいきましょう。 https://www.nature.com/articles/s41593-023-01304-9 脳の情報処理単位であるニューロン(神経細胞)は1000入力・1出力のプロセッサで、信号の強弱を0.1Vの電気パルスの頻度として扱います。ヒトの大脳皮質には160億個のニューロンがあるとのことです。 https://www.riken.jp/press/2014/20141121_1/index.html ネットワークを組んでいるので、1個のニューロンの大きさの定義は難しそうですが、1mm^3分解能で血流の時間変化を解析することで思考が読めると…

fMRIで意識を読む仕組み

昨日紹介した記事の元論文は、https://www.nature.com/articles/s41593-023-01304-9 です。 functional MRI (fMRI)の信号を機械学習させています。fMRIは、脳卒中などの診断に使うMRI(核磁気共鳴イメージング)を脳の働きの3次元画像化に用いるものです。被験者に文章を聞かせながらfMRIで脳を測定し、脳の各所の働き(血流の活発さを1mm分解能で測定した、と考えてください)の時間変化を測定しました。その結果を機械学習、すなわち、もとの文章と関連の強い信号の時間的空間的組み合わせを特定する訓練をプログラムが行い、訓練結果(=コンピュー…

世界の研究所 Department of Neuroscience, The University of Texas at Austin

連休も終わりました。元気出していきましょう!私は今回は遠くにはいきませんでしたが、コインランドリーで一日中布団の洗濯をする間にjavascriptをだいぶ読めるようになったのが収穫です。やりたいことができるようになるにはまだ先が長いですが… 今週の世界の研究所は、テキサス大学オースティン校の理学部神経科学科 Department of Neuroscience, Faculty of Natural Sciences, The University of Texas at Austin を取り上げます。教員が39人いるので、学科としては普通の大きさですね。神経科学の研究者を集めて教育もしている…

サイトカイニンとサイトカインは違う

今日は発根促進剤を含む植物ホルモンを見ていきましょう。 https://en.wikipedia.org/wiki/Auxin が日本語版よりだいぶ詳しいです。 ・1881年にCharles Darwinとその息子が単子葉植物の「子葉鞘」を使っての向日性(光屈性)についての実験をしました。先端に光を当てると光の方向に屈曲しますが、根に近いほうで光が弱いほうの細胞分裂が盛んになっています。したがって、なにかが先端から光刺激で細胞分裂している部分に移動していることが結論づけられました。 ・1910-13年にデンマークのP.B.Jensenが光屈性を示す先端を切り離したりくっつけたりして、ゼラチン膜…

サクラの挿し木とナフチルアセトアミド

サクラは挿し木で増やしやすい、とのことでやり方を調べてみました。 https://agripick.com/1683 緑色の若い枝を使う+発根促進剤「ルートン」を使う、のだそうです。 ルートン rootone は商品名で、物質としては1-naphtylacetoamide ナフチルアセトアミドです。 下記動画6分半くらいで手で触っているので、人体には無害なのでしょうか(->高濃度では動物に毒だそうです)。 https://www.youtube.com/watch?v=1ondqk5VUkk 製品の説明は下記です。毒性の分類は「普通物」、含量0.40%だそうです。残りはでんぷんなどでしょ…

ソメイヨシノは単一クローンが数百万本

ソメイヨシノのサクランボはあまり大きくならないですが、それは桜は自家受粉が不稔(ふねん:実がならないこと)であるためとのことです。すべてのソメイヨシノが1本の木から挿し木(さしき)と接ぎ木(つぎき)で増えたクローン(1990年代に遺伝子解析で判明)なので、ほかの木でも自家受粉になってしまうというのは面白いです。サクランボができていたらそれは別の種類の桜の花粉がついた可能性があるということです。また、ソメイヨシノはエドヒガンとオオシマザクラの交配で江戸時代末に染井村(現・東京都駒込)というところで作られたとのことです。明治以来100年余で数百万本(一説には一千万本超)まで増えているとのことで、す…

世界の研究所:森林総合研究所(日本) と サクラについて

先週の土曜日に東京に行ってきました。桜が満開できれいでした。今週は桜について調べてみましょう。 月曜の世界の研究所、今週は日本の森林総合研究所です。(そろそろ過去に何を書いたか忘れてきたので重複を検索しましたが、初出のようです) https://www.ffpri.affrc.go.jp/ffpri.html 本部はつくば市ですが、北海道、東北、関西、九州に育種場があります。また、樹木の「遺伝子銀行」を作っていて、有名な木の遺伝子を保存しているようです。植物は接ぎ木や挿し木でクローンが作れるので、保存しておくのは大切ですね(遺伝子だけでクローンが作れるかどうかは調査します)。 東京・高尾山の近…

ヤモリは多数の絨毛の先についた吸盤を使っている

接着といえば、大気圧の影響を忘れることはできません。大気圧は、ほぼ1kg重/cm2です。 (余談)空気の密度が1.293kg/m3なので、1cm2(=10^-4m2)あたり1m高さで0.1293g,これが1kg=1000gになるには1000/0.1293=7.7kmの高さが必要になります。大気は上空に行くほど薄くなりますが、ざっと厚さ10km(対流圏、その上が成層圏)と覚えておくといいでしょう。飛行機が30000ft~10kmの高さを飛ぶのは、エンジンの燃焼に必要な酸素の量と空気抵抗の兼ね合いで決まっていると思います。 すなわち、1cm2の吸盤を使えば最大1kgを支えることができるはずで、接着…