fMRIはまだ小部屋サイズ

今週紹介している論文をもう少し読んでいきましょう。
https://www.nature.com/articles/s41593-023-01304-9
脳の情報処理単位であるニューロン(神経細胞)は1000入力・1出力のプロセッサで、信号の強弱を0.1Vの電気パルスの頻度として扱います。ヒトの大脳皮質には160億個のニューロンがあるとのことです。
https://www.riken.jp/press/2014/20141121_1/index.html
ネットワークを組んでいるので、1個のニューロンの大きさの定義は難しそうですが、1mm^3分解能で血流の時間変化を解析することで思考が読めるというのは改めて驚きます。もう一桁以上分解能が必要なので当分無理だろうと思っていました。fMRIは場所により磁場を変える(磁場勾配)ことによって位置の情報を磁気共鳴の周波数に置き換えます。P. Lauterbur(ロータバー)による素晴らしいアイデアで、P. Mansfieldによる高速撮影法の開発とともに2003年にノーベル医学生理学賞になっています。
http://mind.c.u-tokyo.ac.jp/Sakai_Lab_files/NewsJ/Komaba_Gakubuhou2004.htm
血流の活発さは、同じ水素原子が磁気共鳴を続けていると信号が弱くなるのですが、その領域の外から新しい水素原子が供給されると信号強度が復活することを使います。これは、脳梗塞の位置を特定するときにも使う方法です(磁気共鳴アンギオグラフィ MRA)。この論文の研究で使ったfMRIの磁場は3T(テスラ)とのこと、超伝導マグネットが必要で、一式は必然的に小部屋のサイズになります。弱い磁場のものもありますが、3Tを使ったのは分解能を上げるためでしょう。この装置の値段は新品で$1,850,000=2.5億円です
https://www.meridianleasing.com/products/siemens-magnetom-skyra-3-0t
磁気共鳴の測定法は進化していて、試料表面ならば小型化可能になっていますが、3次元イメージングはできません。頭にかぶって動き回れるようになるにはまだかなり時間がかかるでしょう。磁気共鳴以外の方法(パルスレーザー光や超音波:ちょっと怖いですが)のほうが期待できるかも知れません。

英語は、言語学の単語集から覚えておくとよさそうな単語を拾ってみましょう。 https://glossary.sil.org/term
clause クろーズ 節、条項
circular definition 循環定義
consonant 子音
vowel ヴォウェる 母音 level 5
deductive mood 演繹叙法
etymology 語源
euphemism 婉曲語法
exclamation 感嘆詞 !
future tense 未来時制
past tense 過去時制
past perfect tense 過去完了時制
hypothetical mood 仮定法
linguistic 言語学の
noun ナウン 名詞
pronoun プロナウン 代名詞
article 冠詞 (記事、という意味もあります)
verb 動詞
irony 皮肉
lexicon 辞書、語彙(ごい)
pun ダジャレ、語呂合わせ level 10
salient セイりアント 目立った
syllable 「スィ」ラブる 音節 

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