ヘリウム生産設備と市況

鉱産資源に関する情報は、国の機関であるJOGMECのサイトに最新情報が記載されています。 例えば、カナダが国産critical mineral listを定めたニュース http://mric.jogmec.go.jp/news_flash/20210317/154454/ アルミニウム、アンチモン、ビスマス、セシウム、クロム、コバルト、銅、蛍石、ガリウム、ゲルマニウム、グラファイト、ヘリウム、インジウム、リチウム、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、ニオブ、白金族、炭酸カリウム、レアアース、スカンジウム、タンタル、テルル、錫、チタン、タングステン、ウラン、バナジウム、亜鉛 ヘリウム…

無料ソフトの理由

昨年秋の量子化学の実習では、遠隔で行うためにAmazon Web Service(AWS) for Educationを使いました。これは講義であることをAmazonに証明書つきで申請することにより、、学生一人当たり最低限(10GBハードディスク)が無料になりました。が、OSその他に半分以上使われてしまって計算プログラムを入れるのに四苦八苦(しくはっく)しました。今回は機械学習なので、pythonライブラリを使うことになるため、Google Colaboratoryで行う予定です。これは、Jupyter Notebook(~ IPython)と同じように使えて、かなり便利で、Google Dr…

世界の研究所 Deepmind Technologies

今週の世界の研究所は、会社組織ですが英国のDeepMind Technologiesを取り上げます。囲碁で人間よりも強くなった人工知能 Alpha Goで有名です。2010年に設立、CEOは研究者のDemis Hassabis氏(1976年生まれ)です。Hassabis氏は13才でチェスの世界ランキングを取得し、15才で大学入学資格を得た神童で、Cambridge Universityがgap year取得を命じたときにゲーム会社でインターンをして傑作ゲームを作り、1年でPorscheを買うくらい儲けたそうです。学部卒業後に会社勤めをしてから大学院に入学して2009年に博士号取得、大学の仲間と…

コンテナ船の積み荷は1兆円?

巨大コンテナ船により、港の様子はすっかり変わりました。コンテナ1個の太平洋横断に手続きを入れて15日,運賃18万円くらいかかるようです。 https://modric19.com/32-container-freight-day 横浜-Los Angeles 8829km÷44km/h(高速コンテナ船速度)=200時間=8.4日ですから、積み下ろし・通関に数日ずつかかるのでしょうね。 これを20000個積むと、運賃関係が360億円になるので、座礁したエヴァーギヴンへの請求額が1000億円、一時期は数兆円と言われていたのもおかしな桁ではないですね。 世界にいくつかのハブ港ができて、そこからより小…

コンテナ船とグローバリゼーション

コンテナ船に関して、「コンテナ物語 世界を変えたのは「箱」の発明だった」レビンソン、村井訳 日経BP が面白かったです。2019の改訂版はあとがきで野村総研による最新情報解説も載っています。1960年代に1人のトラック運送業者がコンテナを思いついて海運業に乗り出し、もう1社と有効性を実証して20年かけて広まりました。ばらばらの貨物に比べて積み下ろしの効率が格段に向上して輸送コストが桁で下がりました。衣類や中間製品、部品など、単価が安いものを運んでも元がとれるようになったため、工場が労賃の安いところに移転しました。現在のGlobalizationの立役者というところでしょう。 経済学者、官僚、政…

コンテナ船の大きさ

スエズ運河で座礁したエヴァーギヴン号は、全長400m,幅59m、喫水深さ33mで、長さは札幌駅くらいです。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%82%AE%E3%83%B4%E3%83%B3 積載重量は20万トンで、20ft((長さ)6058×(幅)2438×(高さ)2591mm)のコンテナを20124個積めるそうです。 https://www.mol-logistics-group.com/support/handbook/seacontainer/index.html 鉄道のコンテナは1…

世界の研究所 Logistic Management Institute と 運輸総合研究所

この3月、スエズ運河でコンテナ船が座礁して騒ぎになりました。コンテナ船の巨大さに驚き、物流の現状について少し調べてみました。 今週の世界の研究所は、物流に関する研究もしている(?)アメリカのシンクタンク(think tank, consulting firm) LMI(Logistic Management Institute)と日本の財団法人 運輸総合研究所をとりあげます。 LMIはもともと、米国政府の物流(兵站へいたん)の管理のためにKennedy大統領とMcNamara国防長官により1961年に設立されました。 https://en.wikipedia.org/wiki/Logistic…

世界の研究所 島根大学次世代たたら協創センター

今週の世界の研究所は、ローカルですが、島根大学次世代たたら協創センターを取り上げます。 所長をOxford大学から招き(兼任)、近くに研究所(冶金研究所)がある日立金属(株)の研究者を教授(兼任)としている新しいタイプの研究所です。最新鋭の電子顕微鏡を数台購入しています(収差補正はついていませんが)。大学の先生方の力を生かすうまい仕掛けだと思います。 https://www.youtube.com/watch?v=41gqMD8wl_M 動画8分51秒から、Oxford大学では教授一人1.5億円/年、最低でも一人3000万円/年を企業から集めているとの発言があり、面白かったです。日本では企業か…

iPS細胞による人工血小板

献血の話の続きです。赤血球や血小板は核を持たないので人工物で代替できそうに思います。私が子供のころから人工血液の研究は行われてきましたが、最近はiPS細胞から血球を大量生産することを目指したベンチャーが立ち上がっています。 http://www.megakaryon.com/technology/ iPS細胞は、がん化しそうなものを取り除く必要がありますが、分化して核を持たなくなったものはその心配がないと素人目にも思えます。放射線を当ててから使う予定だそうです。献血が過去のものになる日も来そうですが、いつごろでしょうか。 細胞 cell 核 nucleus 「ニュー」クれウス 複数はnucle…

世界の研究所 NPO形態のPlanetary Science Institute

今週の世界の研究所は、NPO(non-profit organization)形態の民間の研究所 Planetary Science Institute(惑星科学研究所、米国アリゾナ州ツーソン)を取り上げます。 https://psi.edu/about 1972年設立で、NASA等のプロジェクトに関与したり、博士号をとった人の腰掛に使われたりしています。カリフォルニアやボストンなど(さらに外国も)、家族の関係で遠隔で仕事をしている人も複数いて、勤務形態は時代を先取りしていると思います。最初は会社のサポートがありましたが、現在は独立しています。政府の補助金を入れるために会計面を整備して専門のス…