コンテナ船とグローバリゼーション

コンテナ船に関して、「コンテナ物語 世界を変えたのは「箱」の発明だった」レビンソン、村井訳 日経BP が面白かったです。2019の改訂版はあとがきで野村総研による最新情報解説も載っています。1960年代に1人のトラック運送業者がコンテナを思いついて海運業に乗り出し、もう1社と有効性を実証して20年かけて広まりました。ばらばらの貨物に比べて積み下ろしの効率が格段に向上して輸送コストが桁で下がりました。衣類や中間製品、部品など、単価が安いものを運んでも元がとれるようになったため、工場が労賃の安いところに移転しました。現在のGlobalizationの立役者というところでしょう。
経済学者、官僚、政治家などはその影響を過小評価して後手後手に回るところが面白いです。
日本最大手の商船三井によるこの本を引用した解説があります。
https://www.mol-service.com/ja/blog/greatest-inventions 

結局、規模の経済が働くので船は大型化します。投資が巨大になるので、企業間の合従連衡がおこり、順位が頻繁に入れ替わっています。最初の2社は現在は消滅しています。
https://moverdb.com/shipping-companies/ によると
1位 デンマークMareask 300万TEU(20ft コンテナを単位とした総輸送量twenty feet equivalent unit)
2位 スイス MSC (Mediterranean Shipping Company, 非上場)266万TEU
3位 フランスCMA CGM 180万TEU
(上記3社が海運big 3と言われています)
4位 中国遠洋運輸 COSCO 154万TEU (海運業を合算するとCOSCOが世界一位、Mareasckが2位)
5位 台湾 Evergreen 長栄海運 93万TEU スエズで座礁させた会社です
6位 ドイツ Hapag-Lloyd 92万TEU
11位 日本 商船三井 54万TEU は、日本郵船50万TEUと川崎汽船38万TEUとコンテナ事業を統合して世界5位になるとのこと。電機メーカーも事業統合を早くやっておけばよかったのかもしれません。

container コンテナ
maritime/marine transportation 海運
合従連衡 making and breaking of alliance(同盟を作ったり壊したりすること) resorting to alliances as a diplomatic expedient(外交的手段として同盟を形成すること)
resort リ「ゾ」ート ~の手段に訴える、(名詞、発音は同じ)手段
labor cost 労賃
underestimation 過小評価 underestimate = think little of 過小評価する
事業統合 business integration
中間製品 intermediate products
衣類 clothing(衣類一般をさすときはこれ)
パイプ類 tubing
後手後手に回る react after the event; Since our leaders are incompetent, we always end up (with) reacting after the event.などと文句ばっかり言う人はいやですね。
incompetent イン「コ」ンピテント 無能

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