Justice 第1章

今週から金曜日の読書は、Michael J. Sandel の “Justice: What’s the right thing to do?”を読みます。 Prof. Sandelはハーバード大学の政治哲学(Government Theory)の教授で、NHKでも以前(2010年ごろ)講義・討論番組がありました。道徳系の英単語は日本語との対応が一筋縄ではなく、お酒が入った席などで使うことが多いのでそれが多用される本書をやってみようと思った次第です。いろいろ極端な実例が多く面白いのですが、感情を揺さぶられるので疲れます。第1章では、天災の際の便乗値上げの是非…

さらに高速の光シャッターはできるか?

昨日紹介した市販品は30μ秒の開閉スピードの液晶シャッタでした。いい技術ですが、さらに速くすることはできるでしょうか?下記、研究者のQ&A掲示板に情報がありました。 https://www.researchgate.net/post/Where-do-I-find-Liquid-Crystal-Optical-Shutters-faster-than-10us 電気光学効果の一種であるポッケルス効果を使うと、液晶と同様に偏光方向を回転させることができます。wikipedia英語版は駆動回路のトランジスタの型番まで書いてあってマニアックです。昔のビデオディスク関連に使われていたそうです。…

高速液晶シャッターの特許

昨日の訂正です。「クロスニコル」はcrossed Nicolsで、Nicolは、昔の偏光素子Nicol prismから来ています(1828年に William Nicolさんが発明)。下記によると、用語には残っているが現在はNicol prismは使われていないとのことで、日本だけで使っているガラパゴス言葉になるかもしれません。英文ではcrossed polarizers のほうが多いようです。 https://en.wikipedia.org/wiki/Nicol_prism さて、昨日紹介した高速液晶シャッター(LC-Tec社)の特許を見ましょう。米国特許はUS Patent Office…

高速液晶シャッターの最前線

液晶ディスプレイの電極を両方透明にすれば、液晶テレビと同じ原理で光を通したり遮ったりするシャッターができそうなのはわかるでしょうか。単純化した原理としては、液晶分子の向きによって透過する光の偏光面が回転することを利用します。電圧をかけると液晶分子の向きが変わるので、直交した偏光子(crossed Nicols クロスニコルという(2022-02-02修正済))の間で偏光が90度回ると透過、回らなければ非透過です。シャッターの開閉速度は、100方向から見ることができる3Dディスプレイを60枚/秒の動画にするには、1秒間に100(方向ごとに画像が変わる)×60(動画のコマ数)回の開閉が必要なので、…

世界の研究所 Institute de Pierre-Gilles de Gennes

今週の世界の研究所は、フランスのInstitute de Pierre-Gilles de Gennesをとりあげます。 https://www.institut-pgg.com/ ここはマイクロ流体デバイスを主に扱っているようです。分析や合成のためのデバイスとしていろいろ使われていますね。 P.G. de Gennes(1932-2007)は 液晶の理論で1991年のノーベル物理学賞を受賞しています。液晶の他にも、汚い超伝導体や高分子など、乱れと秩序が共存する系の理論を徹底的に構築しました。来日時に講演を聞いたことがありますが、接着がどうして起こるかという話でした。その時に提示された未解決問…

碧巌録 知的存在の範囲

今週の碧巌録は、Case #80 趙州初生孩子(Chao Chou’s Newborn Baby) です。生まれたばかりの赤ちゃんに「六識」があるか?という問答です。答は「急流にボールを打つようなものだ」「そのこころは?」「流れて留まることがない」。存在はしているが句読点がない思考だと言っている、と私は解釈しました。わかりやすいと思います。 「六識」は、眼識、耳識、鼻識、舌識、身識、意識 の6つで、外界との相互作用を持つ知的存在かどうか?だと思います。 禅問答では、知性の定義と範囲に関する有名な公案がいくつかあります。「犬に「仏性」があるか? 狗子仏性」が例です。仏性、は「仏として…

いろいろな立体視デバイス

Oculus が作っている virtual reality goggleまたはsmart glassは立体視できるように両眼に視差を考慮した別々の画像を投影することと、見ている方向を認識するために姿勢センサーが備わっています。 立体視については下記に解説があります。 https://en.wikipedia.org/wiki/Stereoscopy ヘッドマウントディスプレイは下記 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%9E%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%87%E3%8…

仮想空間(VR)用のゴーグル型ディスプレイ

Meta Platform Inc.が買収した企業に、Oculus Technology があります。 ここは、立体視できるゴーグル型ディスプレイを開発しています。 https://www.oculus.com/?locale=ja_JP 接眼レンズが着いた双眼の液晶ディスプレイなのですが、きちんと作りこんでいるのだと思います。 スマホのアプリと安いゴーグルで試したことがありますが、動画を見ていたら乗り物酔いのようになりました。 Oculus Quest 2は評判がいいので、対策がされているのではないかと思います。技術的詳細を知りたかったのですが、CPUが速いのと、画素数が多いこと、音がステレ…

Meta Platform Inc.(旧Facebook社)の企業買収リスト

Meta Platform Inc. (旧facebook)は、多くの会社をM&A (merger and acquisition 企業買収・合併)してSNSのプラットフォームを集約しました。さらにハードウェアの会社も買っています。M&Aのリストがwikipediaの項目になっていますが、91社です。 https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_mergers_and_acquisitions_by_Meta_Platforms Zuckerberg stated in 2010, “We have not once bought a…

世界の研究所 Meta Research

今週の世界の研究所は、Meta (旧facebook)の研究所 Meta Researchです。 https://research.facebook.com/ 写真では、夢のような研究環境ですが、本物でしょうか? 研究員も全員?紹介されています。また、博士課程学生のサポートプログラムもあります($42000/year)。分野はmetaverseに関係はしますがかなり広く、一次選考は500語の作文と推薦状で申し込むようです。私が学生なら応募を考えたかもしれません。 https://research.facebook.com/fellowship/ “metaverse”を…