ソメイヨシノは単一クローンが数百万本

ソメイヨシノのサクランボはあまり大きくならないですが、それは桜は自家受粉が不稔(ふねん:実がならないこと)であるためとのことです。すべてのソメイヨシノが1本の木から挿し木(さしき)と接ぎ木(つぎき)で増えたクローン(1990年代に遺伝子解析で判明)なので、ほかの木でも自家受粉になってしまうというのは面白いです。サクランボができていたらそれは別の種類の桜の花粉がついた可能性があるということです。また、ソメイヨシノはエドヒガンとオオシマザクラの交配で江戸時代末に染井村(現・東京都駒込)というところで作られたとのことです。明治以来100年余で数百万本(一説には一千万本超)まで増えているとのことで、す…

世界の研究所:森林総合研究所(日本) と サクラについて

先週の土曜日に東京に行ってきました。桜が満開できれいでした。今週は桜について調べてみましょう。 月曜の世界の研究所、今週は日本の森林総合研究所です。(そろそろ過去に何を書いたか忘れてきたので重複を検索しましたが、初出のようです) https://www.ffpri.affrc.go.jp/ffpri.html 本部はつくば市ですが、北海道、東北、関西、九州に育種場があります。また、樹木の「遺伝子銀行」を作っていて、有名な木の遺伝子を保存しているようです。植物は接ぎ木や挿し木でクローンが作れるので、保存しておくのは大切ですね(遺伝子だけでクローンが作れるかどうかは調査します)。 東京・高尾山の近…

Also Sprach Zarathustra(3)超人:ニーチェとナチズム

金曜日のZarathustraは、第一部で出てくる「超人 Ubermensh, 英 overman or superman」について考えてみましょう。Amazonで”Nietzche and Nazis” by Stephen R.C. Hicks (2017) https://www.amazon.co.jp/dp/B003XVYHRU という短い本を見つけました。星4.5と高評価なのでざっと読んでみました。ナチスの幹部だったヒトラーとゲッベルスがニーチェに心酔していたというのは事実のようで、Delphiのニーチェ全集の解説やwikipediaではニーチェの実の妹が売…

シャープレー値による貢献度解析

World Baseball Classic で日本が優勝してよかったですね。野球のようなチームで行うゲームで、各選手がどのくらい勝利に貢献したかを定量化できれば、たとえば年俸を決めたり、他チームに移籍したりするときに有用なデータになると考えられます。こういう分析も機械学習の守備範囲に入ります。会社の人事課などでも使えるのではないでしょうか。 ちょっと検索したら下記が見つかりました。 https://www.nutanix.com/theforecastbynutanix/industry/how-machine-learning-and-ai-can-predict-player-outco…

digital twinとマルコフ連鎖モンテカルロ法

植物工場や自動車の設計においてコンピュータの中に作られる実物を模擬する正確なモデルのことをdigital twinと言います。digital twin をどう作るか、が問題です。自動車の設計など、関与する現象が理詰めで分かる(流体力学(空力 くうりき)、エンジン出力、発熱、燃費など)ものは、寸法や材料のパラメータから必要な方程式を立てていけばよく、エンジンの発熱などは実験から「この出力のときは発熱が何ワット」「放熱器の特性はこう」という関数関係のグラフを導いて組み合わせればよさそうです。植物工場も実験から関数関係を導くのだと思いますが、生物は個性があるので、多数の個体についてばらつきを均した(…

data-centric-engineering

The Alan Turing Instituteの研究分野の一つに”data-centric-engineering”というのがあります。いわゆるDXをエンジニアリングに応用しようというものですが、その対象は参考になります。 https://www.turing.ac.uk/research/research-programmes/data-centric-engineering 下記は凝った動画ですが、私は文字で見たほうがわかりやすいです。 https://youtu.be/uFyHd4Sz0bY “Impact”(影響、効果)の欄には (1…

世界の研究所:英国 The Alan Turing Institute

今週の世界の研究所は、英国の情報科学の国立研究機関である The Alan Turing Instituteを取り上げます。 Alan Turing (チューリング)はこれまでも何回か出てきましたが、1936-1950年ころにコンピュータを学問的に研究する方法を開発し、人工知能の概念を提出した分野の創始者のひとりです。また、暗号解読者(code-breaker)としての仕事を中心に映画にもなっています。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%BC%E3…

Also Sprach Zarathustra(2)概要と第一部のさわり

金曜日のZarathustraは、概要を解説してから第一部の最初を読みましょう。余談ですが、論理的な思考力や文章の構成力を鍛えるには、文章を要約する訓練が即効性があります。例えば、4冊のZarathustraを1文で、400字で、3ページで要約しなさい、などの問題を自分に課してみるといいと思います。最初は添削が必要かもしれません。社会人向けの講座もあるようですが、大学受験生向けの通信添削講座(Z会など)の難関国語コースが実はコスパがいいと思います。chat-GPTが(将来は)うまく模範解答を作ってくれるかもしれませんね。 さて、2文で要約すると、「神のない新興宗教の教祖であるZarathust…

ダイヤモンドアンビルセル

月曜日に紹介した高圧における室温超伝導の実験は、ダイヤモンド アンビル セル(diamond anvil cell, 略称DAC, ダック)を用いて行われました。私も昨日DACの使い方のノウハウを専門家に習っていたところです。アンビルというのは「金床(カナトコ)」の意味ですが、高圧の分野では、錐状の物体で両端が平らなものを指します。この形を使って高圧を発生させる方法を編み出したのは昨日のBridgmanです。高圧力を出すにはアンビルが変形してはいけないので、できるだけ硬い物質としてダイヤモンドが使われ始めました。米国標準局(National Bureau of Standard, 現NIST)…

発明家教授 ブリッジマン

Percy W. Bridgman(ブリッジマン)は、ハーバード大学の実験物理学の教授でした。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%B8%E3%83%9E%E3%83%B3 結晶成長のBridman-Stockbarger法の開発や、 https://en.wikipedia.org/wiki/Bridgman%E2%80%93Stockbarger_method 硬い物質と柔らかい物質を組み合わせて漏れを無くし高…