今週の世界の研究所は、英国の情報科学の国立研究機関である The Alan Turing Instituteを取り上げます。
Alan Turing (チューリング)はこれまでも何回か出てきましたが、1936-1950年ころにコンピュータを学問的に研究する方法を開発し、人工知能の概念を提出した分野の創始者のひとりです。また、暗号解読者(code-breaker)としての仕事を中心に映画にもなっています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0
この研究所はロンドンの大英図書館内に2015/16年度に設立され、400人以上の研究者を擁し、データ科学と人工知能を研究しているそうです。ちょっと面白いのは、”Business Team”という部門を持っていて、ビジネスへの応用を図っているところでしょうか。
https://www.turing.ac.uk/people/business-team
Business Team には公共政策(Public Policy)、公衆衛生(コロナ?)(Public Health)、防衛と公安(Defence and Security)、財政経済学(Finance and Economy)、都市解析(Urban Analytics)、ロボット(Robotics)、オープンソース開発(Tools, Practice and Systems)などのグループがあるようです。
今週はこの研究所を手掛かりに面白そうな関連トピックを探ってみたいと思います。
英語は研究所のwebから。
researcher at large 野放し研究者(?) 地位の名前としては面白いですね。
be at large (LDOCE) = if a dangerous person or animal is at large, they have escaped from somewhere or have not been caught 危険な人物か動物で、逃げてまだ捕まっていないことを表す言葉
pint of science 「一杯の科学」でしょうか。 pint パイント は容量単位で液体に対しては米0.473L、英0.568L。固体(乾物)では米国のみ0.550Lとなります。
“The Institute offers many benefits to employees, including private medical insurance and 10% pension contribution.” 研究所は従業員に私的健康保険や年金への10%の補助など、多くの福利を与えます。日本の厚生年金とどっちが有利でしょうか。
https://www.mhlw.go.jp/nenkinkenshou/manga/04.html
日本は月給の9.15%を雇用者(会社など)が負担、労働者は同額を負担するようです。それで年金額は平均14.8万円で、現役時より差がつかないようになっている。
イギリスは 賃金の13.8%を雇用者が負担。週15万円以上の部分は労働者負担がぐっと減ります。それで年金が8.5万円+報酬比例部分。パッと見は高給取りはイギリスのほうが有利に見えますが、下記資料は古く、2016年から均等化が進んだようです。
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/pdf/shogaikoku-england.pdf
ethics 倫理