世界の研究所 Boston Metal

先週は炭素税の話をしていましたが、今週は下記によるとCO2排出源の11%を占めるという製鉄について調べてみます。思ったより多いですね(年次はわかりませんが8%という記事もあります)。 https://www.sustainable-ships.org/stories/2022/carbon-footprint-steel その理由は鉄の酸化物(鉄鉱石)を炭素で還元するためです。以前(2021-10-20)、Swedenの会社が水素による鉄鉱石の還元で製鉄をするプロセスに成功したという話を紹介しました。 https://www.ssab.com/en/fossil-free-steel 今週の世…

世界の研究所 炭素排出権取引にかかわる国際イニシアチブ CDP, SBT, RE100, TCFD

今週の世界の研究所は、炭素排出権取引にかかわる国際的な取り組みを調べてみましょう。参考にしている本は、野村総合研究所編「カーボンニュートラル」日経文庫(2022年)です。仕組みはまだ作られている途中のようですが、(1)各国内の政策による経済支援(CO2を減少させる試みに補助金をつける)。 (2)カーボンプライシング、具体的には炭素税に類するものです。これは各国が自国の企業に課します。 (3)国境炭素調整。国により炭素税の率が違う場合、軽い税率の国では物を安く生産できるので輸出に有利になってしまいます。炭素税が安い国の製品には関税を課して国がその分を吸い上げたり、逆に炭素税が重い国からの物品に補…

世界の研究所:森林総合研究所(日本) と サクラについて

先週の土曜日に東京に行ってきました。桜が満開できれいでした。今週は桜について調べてみましょう。 月曜の世界の研究所、今週は日本の森林総合研究所です。(そろそろ過去に何を書いたか忘れてきたので重複を検索しましたが、初出のようです) https://www.ffpri.affrc.go.jp/ffpri.html 本部はつくば市ですが、北海道、東北、関西、九州に育種場があります。また、樹木の「遺伝子銀行」を作っていて、有名な木の遺伝子を保存しているようです。植物は接ぎ木や挿し木でクローンが作れるので、保存しておくのは大切ですね(遺伝子だけでクローンが作れるかどうかは調査します)。 東京・高尾山の近…

世界の研究所:英国 The Alan Turing Institute

今週の世界の研究所は、英国の情報科学の国立研究機関である The Alan Turing Instituteを取り上げます。 Alan Turing (チューリング)はこれまでも何回か出てきましたが、1936-1950年ころにコンピュータを学問的に研究する方法を開発し、人工知能の概念を提出した分野の創始者のひとりです。また、暗号解読者(code-breaker)としての仕事を中心に映画にもなっています。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%BC%E3…

世界の研究所 産総研 接着・界面研究ラボ

今週の世界の研究所は、日本の産業技術総合研究所(産総研)の「接着・界面研究ラボ」を取り上げます。産総研は2300名の研究者を抱える日本の国立研究所組織の一つで、つくばを中心に、全国に特色を持った11の拠点があります。 https://www.aist.go.jp/aist_j/information/about_aist.html 接着・界面研究ラボはいろいろな部門の研究者が集まってできた小組織ですが、化学、分光、機械特性評価、シミュレーションなど様々な手法を「接着」という対象の解明に集中させています。名簿にあるのはリーダー級の人たちが多いので、おそらくその下の人たちも関与していて、それなりの…

世界の研究所 オンラインのコンピュータ講座

今週の世界の研究所は、オンラインのコンピュータ講座を取り上げます。当然、Udemyなどオンラインの教育企業があります。エンジニアたちが有料の解説動画を上げるプラットフォームです。無料ブログ(Qiita)→有料動画(Udemyなど)、という流れのエコシステムができています。 https://www.udemy.com 大学のオンライン集中講座もあります。 https://bootcamp.du.edu/ はUniversity of Denverという米国アリゾナ州の私大がやっています。3か月(週20時間)か半年(週9時間)のコースで、6科目×24回+マンツーマン指導ありで12000ドル=160…

世界の研究所 北京精彫集団

今週の世界の研究所は、中国の工作機械メーカー 北京精彫集団(彫の漢字はつくりが隹)を取り上げます。 https://www.jingdiao.com/ https://us.jingdiao.com/machines/home 先週、日経系のメディアを中心にニュースになっていました。ミクロンレベルの精度での3次元加工、平滑性はさらに下のナノレベルに達する機械加工を行うマシニングセンターを日本メーカーの半分の価格で売り始めたということです。加工例は下記。時間は1日以上かかっていますが、ピカピカの曲面が得られています。人力では桁違いの時間と職人芸が必要でしょう。 https://www.youtu…

世界の研究所 OpenAI LP と OpenAI Inc.

今週の世界の研究所は、最近話題のchatGPTやDall-E等を発表したOpenAI LP社およびその親団体である非営利法人OpenAI Inc. をとりあげます(本部は米国サンフランシスコ)。私も大学院の機械学習の講義でopenAIgymを使っているので、お世話になっています。 https://ja.wikipedia.org/wiki/OpenAI 今週は、OpenAI社が発表した各システムの仕組みや、現段階での利用法を調べてみようと思います。 我々教師にとっては、レポート課題を解く言語型AIは成績評価ができなくなるため恐怖の対象です。言語型AI側に、レポートのテキストに消せない印を埋め込…

世界の研究所 Howard Hughes Medical Institute

今週の世界の研究所は、米国の Howard Hughes Medical Institute です。本拠はメリーランド州ですが、いろいろなところにいる研究者を所員として雇って、巨額の予算をつける制度をとっています。財団形式ですが、資産は3兆円くらいあり、Micorsoftのビル&メリンダ・ゲイツ財団に次ぐ規模だそうです。研究と教育(小学校からポスドクまで)を支援するようです。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%92%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B…

世界の研究所 Twitter社

昨年末からTwitterで面白い動きが起きています。インターネットの普及で直接民主制が可能になるかもしれないと思っていましたが、一つ目の波が来つつあるようです。従来のマスコミとは完全に分離して、自然発生した「野生」オンブズマン(※)が活動しているので時代の流れを感じます。 今週の世界の研究所は、Twitter社です。今週はインターネット上のプラットフォームと関連技術を調べたいと思います。またちょっと仕事の波が来ているので、調査が浅くなることはご容赦ください。まずTwitter社の技術ブログ(2017)から: https://blog.twitter.com/engineering/en_us/…