安全管理

私はここ数年、工学部の安全管理を担当していて、毎年の講演会も企画しています(引き受け手がいなくて自分で話すこともある)。今年は、外部の人に依頼しました。参加をお願いします。さて、「団塊の世代」(現在67~69才、第二次大戦後のbaby boomで生まれた人)の「経験知」がある人が大量に引退して事故が増えるのではないかと言われていました。印象で語るのはよくないので、こんど統計を調べてみます。 http://handa.jpn.org/1/index.html – 団塊の世代 baby boomer generation; 同時期、世界中で子供が増えました。理由は戦争が終わったからです…

ノーベル化学賞 CRISPER/cas9

ノーベル化学賞はCRISPER/cas9でした。数年前からもうすぐ受賞するといわれていた画期的な技術ですね。発明は7年前ですか。もともと細胞が持っているファージの攻撃を防ぐ免疫の仕組みを利用したもので、原理は下記の動画が分かりやすいです。 https://www.cosmobio.co.jp/product/detail/crispr-cas.asp?entry_id=14354 cas9は生物ごとにいろいろ種類があるみたいです。タンパク質データベースでCAS9と入れるといろいろ出てきます。切りたいところのRNAをくっつけたcas9を用意するとそこで切ってくれるのですね。下記は、どうやって結晶…

ノーベル物理学賞 

今年のノーベル物理学賞は宇宙物理でしたね。理論家のRoger Penroseは物性物理の分野でも有名で、また、一般向けに「皇帝の新しい心」という本も書いています(たしか、私が学部生のころです。今見たら、まだ売っていました)。これは長くて高いので、時間がない人はブルーバックスの「心は量子で語れるか」が面白かったです。熱力学と量子力学に関する教科書に書いていない知識が得られます。ただし、微小管(microtuble)中の量子干渉が意識の源である、という説には賛成できませんでした(Penroseが今もそう考えているかどうかは不明、これからインタビューなどで明らかになるのではないでしょうか)。我々に近…

超伝導加速器とNbの精密加工

先週のKEKB加速器では、超伝導加速器が使われています。現在の加速器は、荷電粒子の運動に同期した交流電圧(GHz)を周期的共振器にかけることで、進行する振動電場を発生、粒子を同期させて加速します。同じ振り子を等間隔で紐に結びつけて揺らすとき、振り子の共振周波数から少しずらして揺らすと、進行波ができる原理です。 そこに超伝導(Nbニオブ)を使うことで電力損失を半分以下に減らす技術は日本発です。それでも消費電力は「岩手八幡平で計画中のILCで12万kW」だそうです。一世帯あたりの消費電力は最大で0.5~1.5kW(空調の有無による)だそうですから、約10万世帯分ですね。1世帯の電気代が月1万円だと…

大英博物館のwebsite

大英博物館 The British Museum のwebsite は面白いです。 大きなディスプレイが欲しくなりますね。google street viewによる virtual tourもあり、 展示物が3Dになったら行かなくてもよくなるかもしれません。 その場合は無料ではなくなるかもしれませんが、入場料数回分を 年会費として払う人は多いと思います。 https://www.britishmuseum.org/collection/galleries/egyptian-sculpture product 製品 初めにアクセント vendor 納入業者 a vending machine 自…

Intel vs AMD 銅配線

IntelがAMDに負けそうで苦戦している話は聞いたことがあると思います。 株も7月の7nmプロセスの延期発表で20%下がっています。 https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-07-23/QDXVTZT0G1L901 原因の一つは配線材料の失敗だそうです。Siの上にCuをつけていますが、 CuがSiに拡散すると深いトラップを作るのと、electromigrationを起こすので 、それを防ぐためにCoやRuの薄膜をSiの上に つけてからCuを付けます。いっそのことCoだけで配線したらどうか、 とIntelがやってみたら、抵抗が高くなる場合が…

ゲーデル数

昨日のhash function は、文字など、文書の内容を1つの数字に置き換えています。これは、Kurt Goedelが証明した不完全性定理(Godel’s incompleteness theorem 1931)に使われているアイデア(Goedel numbes)に由来があるような気がします。言語の要素を自然数に置き換えるという考えは、コンピュータを知る現代では当たり前ですが、確かに天才的ですね。みんな若い時は気になるので、解説本も多数出ています。暇な人は調べて、時間があるときにに考えてみるといいと思います。どうでもいいことかもしれませんが、面白いです。 http://www.…

ブロックチェーン

昨日の「現代経済学・・・」の本のつづき。この本はblockchain の説明が分かりやすいというレビュー多数。かいつまんで書くと、 ・ブロックチェーンは、インターネット等、だれでもアクセスできる記録場所に置いた文書(帳簿)の改竄(manipulation)を防止する手法。 https://en.wikipedia.org/wiki/Blockchain ・帳簿を例えば10取引ずつ1ページとして、ページをばらばらにする(”block”の由来) ・各ページの内容から1つの数字=ハッシュ値(例えば64桁)をつくる。この規則を与える関数をハッシュ関数 Hash function…

ルソーの一般意思と非線形性

長沼伸一郎という作家がいます。授業でも使う「物理数学の直観的方法」、伊藤の補題(lenma)を説明する「経済数学の直観的方法」は良い本だったので、最近評判の「現代経済学の直観的方法」を読んでみました。たとえ話が上手い人です。 「人々の短期的願望を欲望と言い、長期的願望を希望と言う」 「非線形性があるので、個々人の主張の足し算で集団の正しい意思決定(ルソーの一般意思)が得られるという現代アメリカの思想は誤りである」 などは秀逸だと思います。 shareholder 株主 institutional investor 機関投資家 stock exchange 証券取引所 bourse (欧州の)証…

数値予報

気象庁は数値予報の研修テキストを公開しています。第三部は教科書的になっているので、暇で困る人は読んでみてください。機械学習等を取り入れる試みも本気でやっていますが、データ点が多いせいか、最近の手法はそこまで有効ではないようです。計算もここまで使い込めば全球の1日程度の予測ができるという感覚は重要だと思います。豪雨をもたらす線状降雨帯の予報はまだまだのようですが。来年HSIの機械学習の講義で一部使えないかと思っています。 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/nwptext/51/No51.pdf fiscal year 営業年度 (4月~3月) acad…