RFIDの組み立て装置、銅ナノ粒子インク

RFIDはアンテナとmmサイズのシリコンチップからできています。組み立ての装置が下記です。 https://www.youtube.com/watch?v=_yKJprfFafk シリコンチップを切り出す装置(dicer)は日本が得意です。 https://www.youtube.com/watch?v=ScVRmpDgmTU アンテナは蒸着したアルミをエッチング(アルミはリン酸によく溶けます)して作ります。プラスチックフィルムにアルミを蒸着するのはポテトチップの袋に使われている枯れた技術です。 下記は、銅のインクジェットプリンタで作ろうとしています。試作にはいいと思いますが、量産には時間がか…

RFIDの心臓部は2mm角のシリコンチップ

RFIDにはアンテナは必要ですが、当然、13.56Mz,433MHz,900MHz等の検波、演算、発振・変調を行う電子回路が必要です。必要な項目のリストは下記にあります。 https://resources.pcb.cadence.com/blog/2024-rfid-chips この会社CADENCEは、米国の会社で、electronic design automation (EDA、電子設計自動化)の世界的大手です。当然、RFID用の半導体の設計ツールを売っています。 アンテナ、トランジスタ以外にもインダクター、コンデンサー等シリコン以外でできた部品も必要なはずですが、どうやっているのでし…

RFIDのアンテナの構造

UNIQLOのRFIDは、900MHz程度の電波(UHF帯)をアンテナで受け、整流して回路の電源として、タグの内容をレジに通信したり、会計が済んでいることをタグのメモリに書き込んだりしていると思われます。 まずアンテナの形状が興味深いです。 https://explore.averydennison.com/walmart-rfid/p/1 900MHzの電波の波長は33㎝です。波長の半分の長さのアンテナ(λ/2ダイポールアンテナ)は共振により最大の受信感度持ちますが、16.5cmはRFIDタグには大きいです。そこで折り曲げた形状でさらに半分にしているように見えます。 https://tech…

世界の研究所:RFIDを作っているAvery Dennison Corp.は接着剤の会社

UNIQLOのレジは値札のタグにRFID(radio-frequency identification)が埋め込まれていて、所定場所に置くだけで会計ができます。このRFIDの原価は1個4セント(6円)だそうです。 https://www.wsj.com/articles/uniqlos-parent-company-bets-big-on-tiny-rfid-chips-600b124f どこが作っているかを調べたら接着剤や高分子フィルムの会社で驚きました。 https://rfid.averydennison.com/jp/home/news-insights/case-studies/un…

砂漠に安定な構造物を作るには、風化していない砂と入れ替える必要がある

今週月曜日に紹介したNEOMのLineと呼ばれる900万都市計画(計画は大幅に縮小)は、よく調べてみると鏡のように反射する200m幅の壁の中に高さ500mの高層の都市を作る計画のようです。 https://www.youtube.com/watch?v=3xPac81D4Kw 宇宙船の中の暮らしのようになるでしょう。確かに、砂漠の昼の高温や夜の低温は避けられるでしょうが、子供の時から居ると独自の感性をもつようになるかもしれません。 計画は大幅に縮小されて171kmの長さが2.4kmになりましたが、高さ500m、幅200m、長さ2400mのビルと考えると壮観ですね。 https://greekr…

太陽熱発電

太陽電池による太陽光発電が日本では主流ですが、日射が強いところでは太陽熱発電も実用可能性があります。構造が単純で壊れにくいのが利点です。 地面に角度をつけて敷き詰めた鏡をつかって太陽光を塔の先端などの一か所に集中させます。塔の先端に水のタンクがあれば昇温して蒸気に変わるでしょう。それでタービンを回せば発電ができます。最近の蒸気タービンの効率は良いので、太陽電池と勝負をしても勝てるかもしれません。 イスラエルのものが有名です。下記2つ目の下の方にきれいな写真があります。 https://en.wikipedia.org/wiki/Ashalim_Power_Station https://www…

ルブアルハリ砂漠に太陽電池を敷き詰めれば世界のエネルギー問題は解決する

サウジアラビアの西側は高原及び山地ですが、南東のほうにあるルブアルハリ砂漠の面積は25万km2で、日本の陸地面積37万km2と近い桁です。 https://www.saiyu.co.jp/special/mideast_asia/oman/midokoro/rub_al_Khali/ ここに太陽電池を敷き詰めたらどのくらい電力がつくれるでしょうか? 地球が受ける太陽光のエネルギーである太陽定数は1366W/m2で、これは大気による散乱や緯度の効果は含んでいません。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AA%E9%99%BD%E5%AE%9A%E6%95%B…

世界の研究所:サウジアラビアの未来都市NEOM

今週の世界の研究所は、サウジアラビアで計画されている新都市”NEOM”を取り上げます。ここは2017年の国家戦略Saudi Future Investment Initiative 2030で提唱されたもので、紅海の奧、アカバ湾に面したヨルダンとの国境の砂漠を改造しようとするものです。コロナなどがあって計画は遅れており、まだあまりできていません。 計画としては、グリーン水素の供給工場が目玉で、砂漠の強い継続的な日射と安定した風力を使ったエネルギー供給が期待されます。 https://en.wikipedia.org/wiki/Neom 下記が公式webですが、未来都市の…

SETI @ home

1999年から2020年までSETI@homeというプロジェクトが動いていました。これは、カリフォルニア大学(UC)バークレー校のBerkley SETI Research Centerが電波望遠鏡の観測データを切り分けて参加するボランティアにインターネットで送り、参加者は自宅のコンピュータのバックグラウンドで解析プログラムを走らせるというものです。 520万人が参加していたそうですが、2020年に一般参加を休止し(hybernate)、たまった解析結果をまとめる作業に入ったということです。 https://en.wikipedia.org/wiki/SETI@home これだけのプロジェクト…

レーザー光の探索 laser SETI

SETI Institute は電波望遠鏡を使って恒星間の電波通信や呼びかけを探していました。レーザー光は遠くまで届くので、レーザー光を使って通信しているのではないか?という説があり、それに基づいてレーザー光を探すLaserSETIというプロジェクトが遂行されています。 https://www.seti.org/laserseti 光の検出器に感度が弱い普通のCCDカメラを使っているというのが不思議なところです。レーザーは単色だから、というのが理由として挙げられています。よくわからないので詳しく見てみました。 https://laserseti.net/ によると、CCDカメラを2つ並べて、t…