武士道 商業倫理、金貨の国外流出

今週の「武士道」は、第7章 「Veracity or Truthfulness 至誠・信実」からです。 ・・・To the question, “Which is more important, to tell the truth or to be polite?” the Japanese are said to give an answer diametrically opposite to what the American will say – but I forbear any comment until I come to speak of wi…

武士道 七難八苦を与え給え

今週の「武士道」は、第12章”The Institutions of Suicide and Redress”「切腹(せっぷく)及び敵討(かたきうち)」からです。幕末の開国に伴い、切腹についても海外で紹介されるようになりました。神戸事件(1868)の責任を取って列国外交官の前で切腹した武士の例が詳細に引用されています。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E6%88%B8%E4%BA%8B%E4%BB%B6 さらに敵討を含めて衝撃的な例をいくつか述べた後、真の武士は自分の命を大切にするものであるとして以下の記述です。 And …

アイデアとは複数の問題を一気に解決するものである

https://www.1101.com/iwata/2007-08-31.html が面白かったです。数々のヒット商品を生み出した任天堂の故・岩田社長のインタビューで、11回の続き物です。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B2%A9%E7%94%B0%E8%81%A1 第1回が有名な「アイデアというのは複数の問題を一気に解決するものである。  “The ideas are something which solves multiple issues at once.”」 ところで、英訳を一緒に載せているのはなぜでしょうね?こなれた訳…

武士道 鷹山公

今週の「武士道」は、5章 Benevolence, The Feeling of Distress (仁愛 - 不忍の心)から、今週出てきた上杉鷹山公を紹介した部分を紹介します。 How often both Confucius and Mencius repeat the highest requirement of a ruler of men to consist in benevolence. “…Virtue is the root, and wealth an outcome.”…Under the regime of feuda…

飢饉対策冊子「かてもの」、ジャガイモききん

天保の飢饉は大被害をもたらしましたが、明るい話題もあります。米沢藩では、1802年に、「かてもの(糅物)」というパンフレットが配布(1575部)されました。これは、飢饉のときに使える山野の代用食糧の解説書で、天明の飢饉の後、名君と呼ばれる上杉鷹山公(1751-1822)と有能な家老・莅戸善政(のぞき よしまさ1735-1804)により作成されたものです。備蓄を含めた事前の対策のおかげで、天保の飢饉(1833-39)では米沢藩では餓死者がでなかったとのことです。また、「かてもの」は後の屯田兵も活用したそうです。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8B%E3…

江戸時代の飢饉の原因

江戸時代には4回飢饉がありました。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B1%9F%E6%88%B8%E5%9B%9B%E5%A4%A7%E9%A3%A2%E9%A5%89 最後の天保の飢饉は1833年から39年までですから、185年前で、それほど昔ではありません(一世代30年として6世代前、おじいさんの、おじいさんの、さらにおじいさん(自分がおじいさんの年齢の場合。自分が子供の年齢で考える場合は、「おじいさん」が1回減ります))。人口も江戸期の国勢調査(享保の改革から6年ごと)の記録があり、1834の27,063,907人から1840年の25,918,412人…

世界の研究所 FAO 国連食料・農業機構

今週の世界の研究所は、国連食糧・農業機構(FAO; Food and Agriculture Organization of the United Nations)を取り上げます。行政だけでなく、傘下に研究機関を抱えています。世界人口が90億人を突破しており、食料の確保は重要です。本部はイタリアのローマにあります。職員は3400人です。「Fiat Panis 食料を!」という意味のラテン語がロゴになっています。 最近FAOは「昆虫食」を勧めています。下記動画はラオスの日常食の紹介で「閲覧注意」です。 https://www.youtube.com/watch?v=BogV5aVW5zE 下記の…

武士道 武士道の淵源(3) 陽明学

今週の「武士道」は、2章 Sources of Bushido (武士道の淵源)の続きで、仏教・神道ときて次は儒教です(これで2章おわり)。知識よりも行動を重視するのは特に陽明学の影響が大きく、それは新約聖書の教えとも通じるところがある、という流れで、武士道の成立は16世紀の戦国時代の混乱のため一人一人がよく考えたからではないか、と進んでいます。確かに、文明の適切な時期に混乱状態にあることが社会の精神的成熟のきっかけになる、というのは各地で見られます(以下省略部分でイタリアを例にとっています)。個人も苦しい時は成長につながる時期だと信じたいところです。 The writings of Conf…

コンテナ船とグローバリゼーション

コンテナ船に関して、「コンテナ物語 世界を変えたのは「箱」の発明だった」レビンソン、村井訳 日経BP が面白かったです。2019の改訂版はあとがきで野村総研による最新情報解説も載っています。1960年代に1人のトラック運送業者がコンテナを思いついて海運業に乗り出し、もう1社と有効性を実証して20年かけて広まりました。ばらばらの貨物に比べて積み下ろしの効率が格段に向上して輸送コストが桁で下がりました。衣類や中間製品、部品など、単価が安いものを運んでも元がとれるようになったため、工場が労賃の安いところに移転しました。現在のGlobalizationの立役者というところでしょう。 経済学者、官僚、政…

ドリトル先生とナマケモノ

動物と話をする、というとドリトル先生の話を思い出しますね。 作者のHugh Lofting (1886-1947) はイギリスとアメリカを行き来した童話作家で、他の仕事をしているときに自分の子供むけに作った話が本になりました。機関車トーマス(The Railway Series by Rev. Wilbert Awdry オードリー牧師)もそうなので、よくあるパターンのようですね。 ネット上の自由出版プロジェクト Project Gutenbergで最初の話”The Story of Doctor Dolittle” その他が読めます。挿絵もついています。最初の話はボラ…