flywheel エネルギー貯蔵装置

円盤状の物体を回転させて力学的エネルギーを蓄積するフライホイールは、軸受と空気の摩擦を減らす必要があります。軸受けについては、磁気軸受を使うと摩擦をほぼゼロにできます。下記が分かりやすい動画です。 https://www.youtube.com/watch?v=yhu3s1ut3wM どのくらいの磁場が必要か見積もってみましょう。Amber Kineticsの M32 (32kWhを蓄積)は、カタログによると、外径寸法直径54インチ、高さ52インチ、質量10500lbs(ポンド、4.6トン)だそうです。円盤は2~4トンではないかと思います。これを吊り下げないといけません。磁気軸受について必要な…

世界の研究所 Amber Kineics社 フィリピンのDe La Salle University設置の研究所

今週の世界の研究所は、米国カリフォルニア州のベンチャーAmber Kineicsの研究所(フィリピンのDe La Salle University =DLSUに設置)をとりあげます。この会社は、flywheel(はずみ車)によるエネルギー貯蔵装置を作っています。太陽光や風力では電力供給が安定しないため、電力蓄積設備がなければなりません。電力が一瞬でも不足すると停電してしまいます。リチウムイオン電池、ナトリウム硫黄電池などの蓄電池の開発も進んでいますが、力学的エネルギーとして蓄積するのは寿命の問題もコストに反映してしまいます。今週は、力学的エネルギー貯蔵技術について調べてみましょう。 https…

企業会計 interest coverage ratio 利息負担倍率

今週の企業会計は製鉄会社を例にとります。2020年の粗鋼生産量では中国の宝武鋼鉄集団が初めて1位になりましたが、それまで14年間はルクセンブルクのArcelorMittalでした。コロナでいろいろ変動があると思いますが、今後どうなるか興味深いです。日本製鉄は最近は3位。 https://www.worldsteel.org/steel-by-topic/statistics/top-producers ArcelorMittalは、インド出身のLakshmi Niwas Mittal(世界第6位の富豪)が世界の製鉄会社を次々に買収して大きくなり、最後にArcelorと合併して世界最大になりまし…

カースト制とIT産業の関係

インドと言えば地理でカースト制を習います。重大な事象なので、外部から軽々に論評することはできませんが、「インドでIT産業が盛んなのはカーストで決められた職業ではないので、だれでも従事できるからだ」・・・(※)という話を聞いたことがあります。本当かどうか調べてみました。下記はBloombergの記事で、これは米国の大手通信社です。読みながら単語を拾ってみましょう。 https://www.bloomberg.com/news/features/2021-03-11/how-big-tech-is-importing-india-s-caste-legacy-to-silicon-valley c…

インドの紅茶

インドは世界最大の紅茶生産国で、インド東北部(アッサム、ダージリンなど)と南部高地ニルギリ地方が有名な産地です。 http://www.ocha.tv/growing_regions/blacktea_producers/india/ 紅茶の会社としては国内資本のTata global beverages(2019年売上1000億円)とHindustan Unilever(2020年売上7000億円)が世界1、2位を争っているそうです(紅茶部門以外も含む)。 TataはイギリスのTetryやアメリカのEight O’clock社を買収して大きくなっています。 Unilever(ユニ…

インドは最大のワクチン生産国

昨日紹介した本によると、インドは世界最大のワクチン生産国だそうです。Serum Institute of India (SII, インド血清研究所)が世界最大のワクチンメーカーで、年間売上高586億ルピー=880億円(2018)。インドでのバイオ医薬品の市場規模は650億ドル。糖尿病患者数も世界一で、インシュリン製剤の開発も活発に行われているとのこと。 SII本社があるのはデカン高原にあるPune市(プネー、標高600m、人口500万、古くからの学園都市)で、冬は過ごしやすいが夏は高温、ただし乾燥している(年間降水量741mm, 東京は1528mm)とのことです。 https://ja.wik…

世界の研究所 Tata Consultancy Services(インド)

今週の世界の研究所は、インドのICT(information and communication technology)最大手 Tata Consultancy Services をとりあげます。下記web siteはさすがにしゃれています。 https://www.tcs.com/research-and-innovation インドはIT関係が強いのは聞いたことがあると思いますが、その中でも最大で、 https://www.tcs.com/investor-relations によると 従業員49万人、この4半期の売り上げ$6.33Bn=7300億円、利益$1.301Bn=1500億円、年…

企業会計 financial ratio analysis 会計指標分析

今週の企業会計は、financial ratio analysis 会計指標分析 を取り上げます。これはB/S, P/L, CF 等財務諸表から指標を算出して分析するものです。下記を参考にしました。これがスラスラできると役に立ちそうです。「ただし、これは経理担当者か外部の専門家の仕事で、できれば経営者の方は分析ではなく「判断すること」に注力して頂きたいところです。」と書いてありますが、ある程度分からないと判断もできないでしょう。 https://meetsmore.com/services/tax-accountant/media/53612  関連して下記の資格があるようですね。時間ができた…

haptics のデモンストレーション

haptics(触覚技術)は、五感(見る、聞く、嗅ぐ、味わう、触る)の中で「見る」「聞く」に次いで電子的に作れるようになったものではないかと思います。ベンチャー企業がいくつも立ち上がっており、製品を身近に見るのも遠い将来ではないと思います。下記は、英国王立協会のクリスマス講義の一部のようです。 https://www.youtube.com/watch?v=uPnHzQ7qJ2Y 講演全体は下記です。各年度のものがたくさんありそうです。 https://www.rigb.org/christmas-lectures/watch/2014/sparks-will-fly-how-to-hack-…

超音波による駆動、遠隔スピーカー

スピーカーを多数使って音波の波面を制御することにより、空気中に圧力の場を作って、物体に力を及ぼすことができます。下記は面白い動画です。 https://www.youtube.com/watch?v=jOnxr9Ez_Kc 上記の最後の方に出てきた超音波の干渉で差周波を作り、何もない空中から音を出す技術は parametric speaker と呼ばれて実用化されています。下記はイタリア語ですが、オシロ測定も出してわかりやすい解説です(5分くらいに200200÷220000というのが出てきますが、我々なら「~」と書くところでしょうね。200000Hzを搬送波としてFM変調し、差周波をとって復調…