企業会計 interest coverage ratio 利息負担倍率

今週の企業会計は製鉄会社を例にとります。2020年の粗鋼生産量では中国の宝武鋼鉄集団が初めて1位になりましたが、それまで14年間はルクセンブルクのArcelorMittalでした。コロナでいろいろ変動があると思いますが、今後どうなるか興味深いです。日本製鉄は最近は3位。
https://www.worldsteel.org/steel-by-topic/statistics/top-producers
ArcelorMittalは、インド出身のLakshmi Niwas Mittal(世界第6位の富豪)が世界の製鉄会社を次々に買収して大きくなり、最後にArcelorと合併して世界最大になりました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%BF%E3%83%AB
大津著「英語の決算書を読むスキル」でリーマンショック後の2010年のArcelorMittalが取り上げられています。
そこではinterest coverage ratioについて解説されていました。利息負担倍率と訳されますが、英語のまま使う方が多いようです。
これは =(営業利益 + 金融収益)÷ 支払利息
企業の安全性、つまり財務体質の健全性を評価する要素の1つ。この比率が高いほど、財務的に余裕があることを意味しています。製鉄業のような設備産業は設備投資が重い上に、原料確保が必要で(鉱山を買ったりする)、さらに今後は脱炭素投資も必要です。社債などで借金をするか、株式で市場から資金を集める必要があるため、この数値は乱高下するようです。合併で規模を追い求めるのは巨額資金が必要なためです。interest coverage ratio はArcelorMittalはここ数年マイナスもありますが2020年は2.27, 韓国のPOSCOは3.35です。日本の会社はinterest coverage ratioが見つからないのはなぜでしょうか。海外の企業に比べて日本の企業は株式市場からの資金集めが不得手なのかもしれません。
https://mba.globis.ac.jp/about_mba/glossary/detail-11723.html
https://finbox.com/NYSE:MT/explorer/interest_coverage

英語は https://www.investopedia.com/terms/i/interestcoverageratio.asp から
The interest coverage ratio is a debt and profitability ratio used to determine how easily a company can pay interest on its outstanding debt.
interest 「イ」ンタレスト 利子
debt デット 借金
profitability プロフィタ「ビ」リティ 収益性
outstanding は「卓越した」などもありますが、ここでは not yet done, solved, or paid
We’ve got quite a few debts still outstanding. 未払いの借金がたくさんある
creditor 債権者 ク「レ」ディタ
lender 貸し方
Generally, a higher coverage ratio is better, although the ideal ratio may vary by industry 産業によって異なる.
In simpler terms, it represents how many times the company can pay its obligations using its earnings. 稼ぎで現在の借金を何回払えるかを表している

※ 来週から、金曜日は禅の公案集「碧巌録」Blue Cliff Record を読むことにしようと思います。

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