CASE と SGDs

近未来とビジネスに関するbuzz wordを2つ紹介します。 CASE: 自動車業界での今後の潮流と言われている connected, autonomous, shared, electricの略です。自動車はこれから大変革がおこると思います。どの業界も似たようなものですが、しばらくは安定を求める人向けの職場ではなくなるでしょう。 https://global.toyota/jp/mobility/case/ SDGs: Sustainable Development Goals エスディージーズ 予算申請書や大学評価にも使われます。北海道大学は日本の大学でSDGsへの取り組みが国内一位と評価…

ロボット調理

web開催の研究会で下記の冒頭の動画を紹介されました。真の用途は料理ではなく、化学・生物実験に向いているのではないか、というのが大方の意見だと思います。価格によりますが、実験室の自動化は進んでいくでしょう。 http://www.moley.com 料理については既にお饅頭やパンの機械があります。量産か、多様化か、というところですね。下記は名前が面白いです。動画もよくできています。 https://www.rheon.com/jp/topics/page.php?id=503 (下記は音量注意、後半のパン生地をシートでつくるところはいい工夫ですね) https://www.youtube.co…

世界の研究所 Max Plank Society

今週の世界の研究所は、ドイツのMax Plank Societyです。 https://en.wikipedia.org/wiki/Max_Planck_Society 最初は国王の名前のKaiser Wilhelm Societyと言っていましたが、1948年に、所長のMax Plank (プランク定数の人です)が亡くなったのを機に改名されました。 今年もノーベル賞2人でています。 https://www.mpg.de/nobel-prize 傘下に84の研究所がある一大機関で、年間予算は2200億円、日本の科研費総額(2692億円)と同じくらいですね。昔からRuskaの電子顕微鏡の発明など…

孫子 主導権

今週の「孫子」は、6.虚実編(weak points and strong)の冒頭です。当たり前のことを言っていますが、うまくまとまっています。何とかして主導権を握れ、がメッセージです。 Sun Tzu said: Whoever is first in the field and awaits the coming of the enemy, will be fresh for the fight; whoever is second in the field and has to hasten to battle will arrive exhausted. 2. Therefore th…

超小型加速器

以前、シンクロトロンなどの高周波加速器の交流電圧を1点だけにかけたらどうなるか考えたことがありますが、調べたらすでに実用化されていてがっかりしました。下記の会社はその技術を用いた超小型加速器製作でビジネスが成立していてすごいと思います。約30年前に私が長期インターンでアメリカDuPontの研究所にいたときに、この社長さん(当時、住友重機)の売込みのセミナーがあったのを覚えています(”Bench top synchrotron”という題でした)。超小型シンクロトロン(立命館大学にある放射光施設 Auroraなど)だけではなく、その後、タングステン微小ターゲット(μmサイズ…

安全管理

私はここ数年、工学部の安全管理を担当していて、毎年の講演会も企画しています(引き受け手がいなくて自分で話すこともある)。今年は、外部の人に依頼しました。参加をお願いします。さて、「団塊の世代」(現在67~69才、第二次大戦後のbaby boomで生まれた人)の「経験知」がある人が大量に引退して事故が増えるのではないかと言われていました。印象で語るのはよくないので、こんど統計を調べてみます。 http://handa.jpn.org/1/index.html – 団塊の世代 baby boomer generation; 同時期、世界中で子供が増えました。理由は戦争が終わったからです…

世界の研究所 Lawrence Livermore National Laboratory

今週の世界の研究所は、アメリカのLawrence Livermore National Laboratoryです。ここはエネルギー省の下にある多くの研究所の一つで、サイクロトロンの発明者のErnst Lawrenceが国に働き掛けて作った原子力研究所の1つです。カリフォルニア州の真ん中あたりにあります。 https://en.wikipedia.org/wiki/Lawrence_Livermore_National_Laboratory 最近の話題は、私の授業でも取り上げている National Ignition Facility 国立点火施設でしょう。ここはレーザー核融合の実験施設で、世界…

偽化石

偽化石(pseudofossil)というのがあります。windowsの立ち上げ画面で出てきたオーストラリアのストロマライトを見て思い出しました。 https://en.wikipedia.org/wiki/Stromatolite ストロマライトはシアノバクテリアとそれが夜間に集める泥でできた層状構造を持つ岩で、現生する生物と対応がついていますが、昔は似たような構造がいろいろ古生物化石として提唱されました。Steven Jay Gouldの「パンダの親指 the panda’s thumb」で読みましたが、すべての固体が自分が発見した微生物化石(eozoon)に見えてしまった(18…

ノーベル化学賞 CRISPER/cas9

ノーベル化学賞はCRISPER/cas9でした。数年前からもうすぐ受賞するといわれていた画期的な技術ですね。発明は7年前ですか。もともと細胞が持っているファージの攻撃を防ぐ免疫の仕組みを利用したもので、原理は下記の動画が分かりやすいです。 https://www.cosmobio.co.jp/product/detail/crispr-cas.asp?entry_id=14354 cas9は生物ごとにいろいろ種類があるみたいです。タンパク質データベースでCAS9と入れるといろいろ出てきます。切りたいところのRNAをくっつけたcas9を用意するとそこで切ってくれるのですね。下記は、どうやって結晶…

ノーベル物理学賞 

今年のノーベル物理学賞は宇宙物理でしたね。理論家のRoger Penroseは物性物理の分野でも有名で、また、一般向けに「皇帝の新しい心」という本も書いています(たしか、私が学部生のころです。今見たら、まだ売っていました)。これは長くて高いので、時間がない人はブルーバックスの「心は量子で語れるか」が面白かったです。熱力学と量子力学に関する教科書に書いていない知識が得られます。ただし、微小管(microtuble)中の量子干渉が意識の源である、という説には賛成できませんでした(Penroseが今もそう考えているかどうかは不明、これからインタビューなどで明らかになるのではないでしょうか)。我々に近…