パン屋とビザンチン将軍問題

SRI International はソフトウェア部門も有名です。 Leslie B. Lamportは銀行の決済等に使う分散システムの基本的な手法をいろいろ編み出しています。 名前が面白いのが 1. Lamport’s bakery algorithm パン屋のアルゴリズム 2. Byzantine Generals Problem ビザンチン将軍問題 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%93%E3%82%B6%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%B3%E5%B0%86%E8%BB%8D%E5%95%8F%E9%A1%8C htt…

川路桜のライトアップ

4月5日まで、奈良の川路桜のライトアップがあったようです。まだ桜の季節には行ったことがないので、いつか行ってみたいです。 川路聖謨は、大分(日田代官所)で生まれ、極貧から勘定奉行になった人で、幕末の危機対応(対ロシア外交が有名)に能力を発揮しました。私が若い時に存在を知って「こんな偉い人が居るのか!」と感動した一人です。和歌の名手で、克明な業務日誌を残しており、3時間しか寝なかったとの逸話があります。「天保の改革」の挫折の後、「奈良奉行」に左遷されましたが、懸案(たまっていた訴訟、民生対策、治安向上など)を数年で片付け、失われていた佐保川沿いの桜の植樹を寺や町の有力者に提案して現在に残る名所を…

世界の研究所 Stanford Research Institute

今週の世界の研究所は、先週出てきたSRI International (Stanford Research Institute、米国カリフォルニア州)を取り上げます。これはスタンフォード大学の付属研究所として設立されたものが独立したもので、1500人の研究者で$500M(550億円)の予算です。一人当たりにすると3700万円(人件費も含む)で、給料は高いのでしょうが、若手の存在も考えると研究費も日本の普通の大学より裕福と言っていいでしょうね。 https://www.sri.com/about-us/ https://en.wikipedia.org/wiki/SRI_Internationa…

Hoffmann 羊皮紙

今週のHoffmannは、第8章Camel Caravan to Pentagonからです。Hoffman教授はポーランドとウクライナの間の地帯で生まれ、5歳の時に収容所に送られましたが、うまく脱出できてかくまわれたそうです。町の8000人のユダヤ人のうち生き残ったのは150人で、父親も収容所で亡くしています。話は、米軍の戦地でのユダヤ教の礼拝で羊皮紙に書いたものが使えないが写真でよいか、という話からいろいろ脱線しています。 pogrom 「ポウ」グロム 組織的な虐殺(レベル22) smuggle 密輸入する、秘密に持ち込む、隠す スマグル(レベル9) smuggler 密輸人 pious パ…

Engelbartの法則 能力の指数関数的上昇?

エンゲルバートの法則:「人類の能力は指数関数的に上昇する」という経験則 Engelbart’s law, the observation that the intrinsic rate of human performance is exponential, is named after him.  Bootstrapping effects = improved improvement 改良のやり方自体が改良されていくことにより、靴紐を自分で持ち上げて浮き上がるような(bootstrap, コンピュータの起動時の用語)飛躍的な向上現象が生じる、とEngelbardが提唱した。 h…

The mother of all demos 1968

1968年の”The Mother of All Demos”は、昨日のEngelbartが行ったもので、先駆性に驚かされます。 https://www.youtube.com/watch?v=B6rKUf9DWRI マウス、ワープロ(コピペ)、web、遠隔会議、遠隔の共同作業のような概念をデモンストレーションしています。 https://en.wikipedia.org/wiki/The_Mother_of_All_Demos によると The demonstration was highly influential and spawned similar proje…

コンピュータ マウスの発明

コンピュータのマウスの歴史は面白いです。 https://en.wikipedia.org/wiki/Computer_mouse 現在の形のマウスを発明したのはDouglas Engelbart(ダグラス エンゲルバート その時の所属はStanford Research Institute) 1963年 ネズミに似ているからマウスと名付けたのは Engelbardの同僚のBill Englishという人 1965年 特許は1967年で、マウスが大々的に使われる前の1987年に失効したため、特許料は入らなかったそうです。 Engelbartは人間に使いやすいコンピュータや集団的知性の研究の先駆…

世界の研究所 (Xerox) Palo Alto Research Center

今週の世界の研究所は、Palo Alto Research Center (PARC, 米国カリフォルニア州パロアルト)を取り上げます。 もともとは1970年にXEROX社(コピーの発明からできた企業です)が情報科学の応用展開のために設立しました。現在はXEROXの完全子会社だが独立して顧客の依頼で研究開発を行っているそうです。XEROX本業に近いレーザープリンターの他に、コンピューターマウス(Stanford Research Instituteが発明したものを取り入れた)、デスクトップの概念の開発で有名です。これらはAltoというパソコンのモデルに組み込まれており、それを見学したBill …

Hoffmann 純粋と不純、説教と予算

今週のHoffmannは、第7章Pure/Impureからです(次が第8章で最後です)。旧約聖書のエレミヤ書に、金属精錬を例えとして純粋さについての記述があるところから始めて、著者2人の対談(一人の記述が長いのでメールか書簡による対談)が進んでいきます。信仰は純粋なほうがよいと昔から言われてきたが、自然界は純粋なものが良いばかりではない。合金のほうが力学的性質に優れる、フェロモンは多くが多成分、高温超電導体のように格子欠陥(酸素欠損)が必要な場合もある。それに、人間で純粋さを追究すると民族純化という怖い歴史があった、自然界はエントロピー増大則により純粋なものが減っていくが、相分離によって同じも…

アレキサンドリア図書館

Internet Archiveのバックアップがエジプトのアレキサンドリア図書館に作られているそうです。 https://en.wikipedia.org/wiki/Bibliotheca_Alexandrina 2001年に1500年ぶりに再建された同図書館は、日本語ページもあります(内部はいろいろリンク切れです)。 行ってみたいです。 http://www.bibalex.jp/Japanese/psc/about/overview.htm https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%B5%E3%83%B3…