いつも数十個の測位衛星が上空を飛んでいる

GPSを補完し精度をあげるための衛星(測位衛星)をみるシステムを「みちびき」がつくっています。常時数十個の衛星がいることに驚きます。日本上空は多いのですが、アフリカや南米でも相当な数が飛んでいます。 https://app.qzss.go.jp/GNSSView/gnssview.html 衛星の位置は地上の監視局というのが測っているようです。日本はつくばにGEONET中央局というのがあるようです。管轄は国土地理院、なるほどと思いました。 https://www.gsi.go.jp/denshi/denshi_38136.html cmまで精度をあげるための仕組みも作られ運用されています。pp…

世界の研究所: 準天頂衛星「みちびき」

今週の世界の研究所は、準天頂衛星「みちびき」をとりあげます。これは内閣府のwebに一般向けの説明があります。 https://qzss.go.jp/ GPS (global positioning system)は専用の人工衛星4つ以上からの信号を集めてその時間差から自分の位置を割り出す仕組みです。 もともと米軍の衛星の信号を使っていましたが、米軍の衛星からは精度を隠すため100mくらいの誤差を含んだ信号が発信されていて、初期のカーナビの表示は道路を走っていたのに急に川の中に移動したりして面白かった記憶があります。それでは困るので、米軍のほかに各国がGPS用の衛星群を打ち上げています。日本では…

台風発電所からの送電をどうするか

昨日の台風のエネルギーの計算で、水爆1万発、を1発分で計算していました。お詫びして訂正します。ツァーリボンバ1万発は2×10^21 J、これを6.0×10^14Wで割ると、台風の持続時間が秒ででるはずで、3×10^6s =38日となります。もう少し小さい水爆だと台風の寿命くらいになるのではないでしょうか。風だけのエネルギー1.5×10^12で割ると、400倍になるので40年近く、これは長すぎるでしょう。 さて、横浜国大の台風研究所の想像図には、台風の上に無人飛行機や風力発電機を積んだ船で発電するようなものが書いてあります。 https://typhoonshot.ynu.ac.jp/about…

台風1個のエネルギーは水爆の10000個分

台風1個のエネルギーは水爆10000個分または40000個分、と言われています。 https://www.dw.com/en/hurricanes-release-energy-of-10000-nuclear-bombs/a-40627056 https://en.wikipedia.org/wiki/Accumulated_cyclone_energy これは、昔、水爆で台風、ハリケーンやサイクロン(地方によって呼び名が違う)を吹き飛ばせないか、という検討が行われて、「無理」ということをわからせるために作られた言い回しだと想像します。 水爆にもいろいろあると思うので、定量的なことが知りたい…

竜巻発電の研究者のインタビュー

自宅研究所で竜巻から発電しようとしている技術者のインタビューを見ましょう。奧さんも登場します。9年前のものです。 https://www.youtube.com/watch?v=9ybGcgqQzCM この人は企業の技術者で若い時から自宅で実験していたようです。先駆者についても紹介していて、1940年代にフランスでアイデアが発表されているそうです。 原理は火を使って上昇気流を作り、周りに渦巻状の流路を作ることにより渦を作ります。気象条件が竜巻に適していると竜巻を誘導できるというものです。 渦巻の気流を使ってタービンを回せば発電できますね。youtube の末尾に出ているGeorgia Tech…

世界の研究所:横浜国立大学・台風科学技術研究センター

先週は台風10号がたいへんでした。被害にあわれた方にお見舞いを申し上げます。今週は台風や竜巻からエネルギーを取り出すという大胆な構想を紹介します。 研究所としては、横浜国立大学の台風科学技術研究センターです。 https://trc.ynu.ac.jp/ ここは内閣府のムーンショット計画に採択されています。台風から発電してエネルギーを取り出し、勢力も弱めることができれば素晴らしいですね。技術的困難はちょっと考えただけでもたくさんありますが… https://typhoonshot.ynu.ac.jp/ 小規模なものとしては、竜巻を使って発電しようとする個人のインタビューがyoutubeにありま…

CO2分子のフェルミ共鳴

先週、解説しかけていたなぜCO2の温室効果が大きいか、についての論文を読んでみましょう。鍵は「フェルミ共鳴」です。 https://iopscience.iop.org/article/10.3847/PSJ/ad226d/pdf これは、分子振動において整数倍に近い振動数のモードがある場合、片方を励起するともう一方にもエネルギーが移る、というものです。 https://en.wikipedia.org/wiki/Fermi_resonance CO2においては、667cm-1の変角振動と1337cm-1の対称伸縮振動が2倍の関係に近いので、フェルミ共鳴が起こります。ちょうど2倍からずれている…

人体の耐熱性

先週お休みの前はCO2の話をしようとしていましたが、後回しにして、人体の熱耐性について昨日のシドニー大学の研究所を見ていきましょう。 https://www.sydney.edu.au/medicine-health/our-research/research-centres/heat-and-health-research-centre/our-research.html BBCの番組も見つかりました。所長が解説しています。 https://www.bbc.com/storyworks/the-climate-and-us/the-university-of-sydney 同所からの下記の論…

世界の研究所: University of Sidney, Heat and Health Research Centre

こちらは台風の後だいぶ過ごしやすい気温と湿度になってきましたが、世界的には高温対策が急務のようです。下記のような記事が出ていました。 https://www.nature.com/articles/d41586-024-02422-5 https://www.nature.com/articles/d41586-023-02482-z 人間の志願者を使った実験をする設備がオーストラリアのシドニー大学に2019年(設計開始)に作られたそうです。 https://www.sydney.edu.au/medicine-health/our-research/research-centres/heat…

世界の研究所:Stockholm University, Arrhenius Laboratory

今日が祝日でお盆休みに入っているのを忘れていました。明日から「今日の英語」はお休みをいただき、19日月曜日から再開します。 今週来週はCO2と気候変動についての研究の現状を解説します。CO2が温室効果を示すのではないか、と言い始めたのはアレニウス型プロットで有名なSvante Arrheniusで、1895年の論文のようです。 Arrheniusの名前を冠した機関はいくつかあり、Stockholm Universityのキャンパスの一領域がArrhenius LaboratoryやSwante Arrhenius通りと呼ばれているのが本家だと思います。銅像もありますね。まだこのキャンパスは入っ…