世界の研究所 North American Aerospace Defense Command 北米合同航空宇宙防衛司令部

今週の世界の研究所は、先週のサンタクロースの追跡情報提供で有名なNORAD(North American Aerospace Defense Command、米国とカナダの合同航空宇宙防衛司令部)を取り上げます。 https://www.youtube.com/watch?v=UYG1SsR6WgQ https://www.noradsanta.org/ja/map 冷戦時はロッキー山脈の地下シャイアンマウンテンに地下司令部があり、スパイ小説によく登場しましたが、今は司令部は地上に移転し、地下施設は電磁波攻撃に備えて精密機器の設置場所にしようとしているようです。 https://en.wiki…

世界の各地域の風 大気の境界層厚さは1km

世界の各地域での風を表示するサイトを見つけました。3時間ごと更新とのこと。気象庁の天気図とはあっています。 温度や湿度、さらに高層大気の情報もあるので飽きません。 https://classic.nullschool.net/jp/#current/wind/surface/level/orthographic 上記の色から判断すると、今日、地球上で一番風が強いのは小笠原諸島を直撃しつつある台風20号のようです。被害がないことを祈ります。アメリカ東海岸(マサチューセッツ州沖の大西洋、cycloneになりそうとのこと)と南極にも風が強いところがあります。 https://www.nhc.noaa…

風力発電機の構造

風力発電の風車のタイプにはいろいろありますが、大型のものは細い3枚羽のことが多いです。下記に詳しい解説があります。日本語の風車のweb解説や本は少ないのが不思議です。 https://en.wikipedia.org/wiki/Wind_turbine_design 風力エネルギーの16/27=59.3%以上は発電に使えないというBetzの法則(Albert Betz 1919)が最大効率を与えています。下記はオランダのデルフト工大の講義。 https://www.youtube.com/watch?v=BQI7AwKDQXk https://en.wikipedia.org/wiki/Fil…

世界の研究所 GWEC (Global Wind Energy Council 世界風力エネルギー協会)

今週の世界の研究所は、風力発電の業界団体であるGWEC (Global Wind Energy Council)を取り上げます。業界団体なので、意見は割り引いて聞く必要がありますが、データは使えるでしょう。 風力の寄与は2020年の発電量の5.9%だそうです。 現在、風力発電設備の日本勢のシェアはほとんどありません。今週は風力発電の周辺について調べたいと思います。 今年の風力発電の年次報告書の説明が下記ですが、報告書も含め、背景の説明がないのでわかりにくいです(70分)。 https://www.youtube.com/watch?v=_dHABzVuWQU その中では、ベトナム、南アフリカが…

がんばれEAGLE炉褐炭水素化プロジェクト!

良い石炭はとりつくして減ってきているので、質の悪い石炭(褐炭:炭化が進んでいない)ものを利用したくなります。こういう絞った雑巾(ぞうきん)をさらに絞るような仕事は我々の国民性に向いていると思います。みみっちいと言われても胸を張って、豊かになりましょう。下記は経産省のプロジェクトです。 http://www.hystra.or.jp/project/ https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/kattansuisoproject.html どうやって褐炭から水素をつくるかというと、2002年から開発されてきたEAGLE炉技術を使…

世界の飛び地(4) セウタ、メリリャ、キプロス、アラスカ

飛び地は不自然なので紛争の原因(または結果)になり、解消される傾向にあるようです。 何百年も昔にできた場合は落ち着いています。 例:セウタ、メリリャ(メリジャ、モロッコにあるスペインの飛び地、セウタはジブラルタルの対岸) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%82%A6%E3%82%BF https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%83%AA%E3%83%A3 しかし、第二次大戦後の「外交の墓場」にあったりすると問題を抱えたまま膠着します。 例:キプロス(cupperの語源、島を分断する…

世界の飛び地(3) ジブラルタル

今週は世界の飛び地の遠足ですが、有名どころとしては、英領ジブラルタル(Gibraltar)があります。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%AB ここは、ヨーロッパとアフリカが接近しているところで、半島の背後はスペインです。the Rockという石灰岩の岩山でできていて、鍾乳洞もあります。 https://www.youtube.com/watch?v=WgHYADia45c 長ぼそい岩山の対岸はアフリカですね。 所属は ネアンデルタール人→・・・→フェニキア→ムスリ…

フランクリン北極探検隊の鉛中毒

今日は悲劇のフランクリン北極探検隊(1845)を取り上げます。 これは、北極探検の最初期に行われた、カナダの北側を通って大西洋と太平洋を結ぶ航路(北西航路)を見つけるための遠征です。イギリス海軍肝いりで行われましたが、129人(133人?)の隊員が全滅しました。北西航路を確立したのは、南極点一番乗りのアムンセン(1906)です。優秀な人は複数の業績を上げますね。私のみるところ、要因は才能だけでなく、性格や仕事のやり方が対象(と時代)に合っている場合が多いと思います。これは「運」を構成する一つの要素だと思います。合う対象を探すか、自分を変えるか、気にせず自分を貫くか、人それぞれですね。 http…

フラム号

フラム(Fram 前進)号は、ナンセンが考案し、ノルウェー一番の船大工(Colin Archer)が設計・建造した木製の極地探検用帆船(全長39m幅11m)で、通常より丸い船底が特徴です。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%A0%E5%8F%B7 ナンセンは極地探検で船が氷につぶされる危険を認識し、氷に押されたときに浮き上がるように、丸い底を持つ硬い木でできた船を国の援助で作りました。フラム号は、14人が3年間氷の流れに乗って北極海の海流を研究しさらに北極点を目指したFram Expedition(1893-1896)…

初代難民高等弁務官

ナンセン(Fritjof Nansen 1861-1930)は時々現れるスーパーマンの一人で、海洋生物学者、探検家、政治家として活躍しました。技術的にはフラム号の発明(明日)が光ります。深海水を採集するナンセン瓶も発明しています。 https://en.wikipedia.org/wiki/Fridtjof_Nansen https://en.wikipedia.org/wiki/Nansen_bottle 特に国連(国際連盟)の初代難民高等弁務官を務め、ノーベル平和賞受賞、「難民の父」と呼ばれています。私が驚いたのは絵が上手なことです。若い時画家も志したが、趣味にとどめることにしたとのこと。…