インターネットの認証局

全国的に寒波が来ています。皆様、ご安全に! 今日は、認証局の話をしようと思います。インターネットで通信をするときに、平文だと横から読み取られてまずいので、毎回暗号化します。https://のアドレスにアクセスすると公開鍵暗号で共通鍵を送って、それを使ってその場限りの暗号化をします。こういう手順を踏んでも、そもそも通信相手が本物でないと無意味です。認証する機関が必要です。それが認証局です。ブラウザのurlの左側に南京錠のマークがついているときは有効な証明書で認証(SSL認証)されています。認証局が政府機関の国もあるようですが、民間の有料サービスのことが多いようです。 https://www.di…

世界の研究所 Twitter社

昨年末からTwitterで面白い動きが起きています。インターネットの普及で直接民主制が可能になるかもしれないと思っていましたが、一つ目の波が来つつあるようです。従来のマスコミとは完全に分離して、自然発生した「野生」オンブズマン(※)が活動しているので時代の流れを感じます。 今週の世界の研究所は、Twitter社です。今週はインターネット上のプラットフォームと関連技術を調べたいと思います。またちょっと仕事の波が来ているので、調査が浅くなることはご容赦ください。まずTwitter社の技術ブログ(2017)から: https://blog.twitter.com/engineering/en_us/…

ランサムウェアの身代金額

ランサムウェアについての解説は、対策システムを作っている会社が解説を出しています。例えば下記です。日本語のものはあまり良いのがありませんでした。 https://www.unitrends.com/solutions/ransomware-education ランサムウェアのウィルスに感染すると、ハードディスクにあるファイルを勝手に暗号化して書き換えてしまいます。websiteに仕込まれていて、クリックすると感染するのもあるそうで怖いですね。 身代金を払うと暗号化を解除してくれるそうですが、よくあるのが病院のカルテなどが暗号化されて業務出来なくなってしまうというものです。 大企業には平均$17…

国際会議のビジネス化

遅くなりましたが、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。よい年でありますように。 さて、昨年末はコミケットを解説していました。会計情報は公開していないようですが、参加者から疑問の声があったのでしょう、2010年の概算がwebに上がっていました(危ないかもしれないのでリンクは載せません)。その当時で年間(2回開催)5~6億円とのことです。数十万人参加のイベントにしては安いですね。会場費1.5億、ごみ処理1000万など、それでも日常感覚よりはずっと大きいです。展示する側は1万円程度を払うようです。また、出展者(同人や企業)のカタログを2000円程度で販売しています。去年から、コロナ対策のため一般参加者…

マヨラナ粒子の論文の撤回

Microsoft Station Q 研究所は2016年にオランダのDelft工科大学に研究室を作りました。 https://news.microsoft.com/europe/2019/02/21/microsofts-new-quantum-computing-lab-in-delft-opens-its-doors-to-a-world-of-possibilities/ 上記ページにはいくつか動画がのっていて、量子コンピュータの解説をしています(単純化しすぎていて、わかりやすいかどうかは別)。 Majorana粒子を超伝導体と半導体のナノワイヤ接合で実現する話で有名ですが、都合の悪い…

世界の研究所 Microsoft Station Q

全国的に荒れ模様のようですが、今年もあと少し、元気にいきましょう。 今週の世界の研究所は、Microsoftがいくつかの大学に設置している量子コンピュータの研究所Station Q をとりあげます。 ここは日本でいうと寄付講座で学科を作っているようなもので、数学者・物理学者・電子工学者が結合しています。トポロジーを使う独特の方式を研究しているようです。 https://news.microsoft.com/stories/stationq/ https://japan.zdnet.com/article/35107136/ 下記は量子化学計算に対する応用可能性の解説です。10年前のものなので、…

アイルランドは2014~2021で所得倍増した

チーズの話は明日にして、今日はアイルランドの経済成長についてみていきましょう。 https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/ireland/data.html によると、2014年から2021年の7年間にGDPは2.07倍になっています。一人当たりGDPが日本の二倍であることを考えると、この7年間の成長が大きかったと言えるでしょう。一方で物価上昇率は同期間で9.4%(1.094倍)なので、生活が急速に豊かになっている(所得倍増)と思われます。 https://data.oecd.org/japan.htm によると、数学と読解力のスコアは日本とアイルランドはほぼ同じです…

高さ世界一の居住ビルはニューヨークにある

世界で最も高い居住ビル(residential building)はwikipediaに項目があります。 https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_tallest_residential_buildings それによると、ニューヨークのマンハッタン島にあるCentral Park Tower in Midtown Manhattanで、472.4mだそうです。2021年完成。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%91…

Boston Dynamics の歴史と市販品

MIT-CSAILから派生した(spin-off)会社として、Boston Dynamicsが有名です。 https://www.youtube.com/watch?v=SAj2_mIlbm0 1992年にCSAILの電子工学の教授(歩行研究leg-labを主宰するMarc Raibert教授)が設立したそうです。 https://history-computer.com/boston-dynamics-guide/ 映画 Terminator や Robocop の兵器になりそうなロボットが多いですが、 米軍からいろいろ受注して研究したためだと思います。 2013 Google傘下→2017…

X線を集光するキャピラリー集合体の発明

シンクロトロン放射光の歴史は下記にまとまっています。電子を加速して衝突させる実験のためのシンクロトロン(円軌道で電子が周回)で消費エネルギーが大きすぎる原因を1944-46年に調べていたGE(General Electric社)の技術者たちが、理論家Schwinger(1965年に朝永、ファインマンとともにノーベル賞受賞)が予言した相対論的な速度を持つ荷電粒子が曲がるときの発光との関連に気づき、シンクロトロン放射光を発見しました。 https://xdb.lbl.gov/Section2/Sec_2-2.html Archimedes Palimpsestの解読に使われたスタンフォード大学のS…