世界の研究所 Twitter社

昨年末からTwitterで面白い動きが起きています。インターネットの普及で直接民主制が可能になるかもしれないと思っていましたが、一つ目の波が来つつあるようです。従来のマスコミとは完全に分離して、自然発生した「野生」オンブズマン(※)が活動しているので時代の流れを感じます。 今週の世界の研究所は、Twitter社です。今週はインターネット上のプラットフォームと関連技術を調べたいと思います。またちょっと仕事の波が来ているので、調査が浅くなることはご容赦ください。まずTwitter社の技術ブログ(2017)から: https://blog.twitter.com/engineering/en_us/…

放電加工

液体中のプラズマの重要な応用として、放電加工があります。これは、電解質を含まない水や油など、電気分解が起こらない絶縁性の液体中で、針や線状の金属を、導電性のある工作対象に接触させ電圧をかけることにより、液中でプラズマを発生させて、ジュール熱や酸素ラジカル等による化学反応によって削っていく方法です。細い金属線や針を刃物として使えるので、非常に精密な加工を行うことができます。また、ダイヤモンド工具(ホウ素ドープと金属で導電性を持たせている)の加工にも不可欠です。現在の装置は、1マイクロ秒、10000Aのパルス放電を使っているそうです。この精密制御は簡単ではなく、お金を払う価値があります。 htt…

液中プラズマとその応用

大きなエネルギーを短時間に集中して放出する方法は、パルスレーザーや磁気リコネクションなどいろいろありますが、今週は高電圧短パルスによるプラズマに限定しましょう。大気圧で高電圧の放電を起こすと稲妻のようになりますが、圧力が低いと、電離した気体分子と電子が広範囲に広がります。これはスパッタやプラズマCVDに使います。スパッタの場合は、永久磁石を入れて電離気体を狭い範囲に集中させて原料をイオンでたたいて原子化して蒸発させ、成膜に使います。プラズマCVDでは原料分子の化学反応に使います。 下記、AGC Europeのyoutubeやwebが分かりやすいです。 https://www.youtube.c…

世界の研究所 長岡技術科学大学極限エネルギー密度工学研究センター(今週は2つ)

瞬間的に大きなエネルギーを投入する研究を行っている施設は国内にほかにもありました。 長岡技術科学大学極限エネルギー密度工学研究センター で、ここは現在も活動しています。 https://etigo.nagaokaut.ac.jp/index.html ここは、ETIGO-IVというパルスイオンビーム照射装置を用いて研究しています。 400kV (40万ボルト), 13kA(13000アンペア), 120nsというなかなかの威力です。 製作したのは下記の会社です。パルスパワー技術研究所というそのものずばりの名前ですね。 https://www.myppj.com/company.html 高電圧…

世界の研究所 熊本大学パルスパワー研究所

今週の世界の研究所は、去年、パルス大電流により魚肉のアニサキスを死滅させる発表で有名になった、熊本大学のパルスパワー科学研究所(現在は改組されて、産業ナノマテリアル研究所)を取り上げます。この方法は実に名案で、速く実用化されてほしいですね。ただ、研究所は改組で研究対象が全く変わってしまったみたいです(二次元ナノシート)。パルスパワーは研究対象として尖っていて好きなのですが… http://www.ipps.kumamoto-u.ac.jp/ http://www.iina.kumamoto-u.ac.jp/ 今週は、先週のUAE-TII研究所のDirected-Energy Divisionも…

楕円曲線暗号

インターネットで使われる暗号で素因数分解がでてくるのは、公開鍵として数百桁~の大きな数を与えておいて、暗号を平文にもどすとき(復号)にその素因数を使った演算を行うためです。素因数が分からないと復号できないことを利用しています。素数を掛け算して大きな数を作るのは簡単ですが、その素因数分解は非常に時間がかかるという、演算の非対称性を利用しています。 いろいろ調べていたら、次世代の暗号として「楕円曲線暗号」というのが面白かったです。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A5%95%E5%86%86%E6%9B%B2%E7%B7%9A%E6%9A%97%E5%8F%B7…

暗号はインターネット取引に不可欠である

暗号は情報化社会には不可欠のものです。たとえば、インターネットは情報の塊が道路を通って遠くの場所に運ばれるようなもので、通過点で悪い奴が検問(盗聴)することができます。暗号化されていない情報は容易にコピーできるので、盗まれたことが分かりません。インターネットバンキングやクレジットカード認証でパスワードを盗まれると後で勝手な送金が行われてたいへんです。そのためにインターネットを通過する情報は暗号化されるべきでしょう。最近は暗号化されていないサイト(hppts://でなくてhppt://)はブラウザが警告を出すようになっています。 個人(クライアント=送り手)から銀行(サーバー=受け手)にパスワー…

ランサムウェアの身代金額

ランサムウェアについての解説は、対策システムを作っている会社が解説を出しています。例えば下記です。日本語のものはあまり良いのがありませんでした。 https://www.unitrends.com/solutions/ransomware-education ランサムウェアのウィルスに感染すると、ハードディスクにあるファイルを勝手に暗号化して書き換えてしまいます。websiteに仕込まれていて、クリックすると感染するのもあるそうで怖いですね。 身代金を払うと暗号化を解除してくれるそうですが、よくあるのが病院のカルテなどが暗号化されて業務出来なくなってしまうというものです。 大企業には平均$17…

世界の研究所 Technology Innovation Institute (United Arab Emirates)

昨年末、ランサムウェアの暗号の解読に警察庁のチームが成功して、身代金を払わずに解決できた、というニュースがありました。今週の世界の研究所は、暗号の研究所を探していて見つけた、アラブ首長国連邦のTechnology Innovation Instituteを取り上げます。ここは2020年設立です。先端材料、AIとデジタル、自律ロボット、バイオテクノロジー、暗号、”directed energy”、宇宙推進、量子計算、再生エネルギー、安全なシステムの10の研究センターがあります。”directed energy”は大型電磁石や強力なレーザーや超音波な…

マヨラナ粒子の論文の撤回

Microsoft Station Q 研究所は2016年にオランダのDelft工科大学に研究室を作りました。 https://news.microsoft.com/europe/2019/02/21/microsofts-new-quantum-computing-lab-in-delft-opens-its-doors-to-a-world-of-possibilities/ 上記ページにはいくつか動画がのっていて、量子コンピュータの解説をしています(単純化しすぎていて、わかりやすいかどうかは別)。 Majorana粒子を超伝導体と半導体のナノワイヤ接合で実現する話で有名ですが、都合の悪い…