液体中のプラズマの重要な応用として、放電加工があります。これは、電解質を含まない水や油など、電気分解が起こらない絶縁性の液体中で、針や線状の金属を、導電性のある工作対象に接触させ電圧をかけることにより、液中でプラズマを発生させて、ジュール熱や酸素ラジカル等による化学反応によって削っていく方法です。細い金属線や針を刃物として使えるので、非常に精密な加工を行うことができます。また、ダイヤモンド工具(ホウ素ドープと金属で導電性を持たせている)の加工にも不可欠です。現在の装置は、1マイクロ秒、10000Aのパルス放電を使っているそうです。この精密制御は簡単ではなく、お金を払う価値があります。
https://www.sodick.co.jp/tech/discharge.html
液体に熱を奪われるため温度が上がる範囲が線のごく近傍になるので、精密な加工が行えます。
放電開始時は高電圧が必要かもしれませんが、加工中は電圧は低いです。アーク溶接も、20V200Aなどですが、小さい領域にこのエネルギーが集中するので鉄も溶かせます。
https://www.keyence.co.jp/ss/products/measure/welding/arc/mechanism.jsp
放電加工機の原理はロシアで発明されましたが、装置として完成したのは日本で、現在の神奈川サイエンスパーク(公募で3年のプロジェクトを多数走らせる神奈川県の研究所がある)に碑が立っています。
https://840.gnpp.jp/hodenkakoki/
英語ではelectrical discharge machining (EDM)というみたいです。
https://www.electricaldischargemachining.com/
加工中の動画は下記が分かりやすいです。精密な金属加工の例ですが、実用的にはプラスチック製品をつくるときの金型を作るときに多用されます。
https://www.youtube.com/watch?v=feGrx29XR4Q
英語は
・上記動画から。
bandsaw バンドソー 帯鋸
mill エンドミル(フライス盤の刃物、ドリルの先が平らなもの)
coolant 冷却水
brass 黄銅、真鍮
deionized water デアイオナイズド 脱イオン水
plastic injection mold プラスチック成型鋳型
mold モウるド=金型(かながた)、鋳型(いがた) カビの意味もあります。
・上の文章から
電解液 electrolyte エ「れ」クトロらイト
絶縁性 insulating インスュれイティング
非常に精密な加工 extremely precise machining
・ことわざから
A rolling stone gathers no moss. 転石苔を生じず 2つ意味があるそうです。「腰を落ち着けないとちゃんとした業績や財産は身につかない」「いろいろなところを旅すると錆びつかず創造性を維持できる」 最初(16世紀)は前者だったそうですが、ロックバンド The Rolling Stonesは当然後者の意味でしょう。
nomad 遊牧民、放浪者、ノマドワーカー(特定の仕事場を持たず、ノートパソコン、タブレット、スマホなどを用いてどこででも仕事をする職業の人)