オーロラ(4)

オーロラについて、いろいろ情報を集めたので、ここで紹介しておきます。 ・北海道でも強い磁気嵐の時は微弱なオーロラが見えることが、分光観測でわかったとのこと。裸眼では見えません。11年に一度の太陽活動の極大期のみといわれていましたが、頻度はもっと高そうです。 http://stdb2.stelab.nagoya-u.ac.jp/member/shiokawa/aurora_head.html ・magnetic reconnection のわかりやすい講義。シミュレーション先行で、式による解析はまだまだのようです。数学好きの人はアタックしたらいいかもしれません。AIに微分方程式の特殊解を求めさせ…

オーロラ(3)

オーロラは、高速電子が大気の上層部(熱圏、電離圏)の分子を励起することで起こります。昨日説明したように、太陽風のひと塊の大きさは地球より大きいこともあり、磁場を伴っています。太陽風の速度は、離脱の過程が異なる~400km/sと1000~3000km/sの2種類があるそうです。1000km/sの電子のエネルギーは3eVくらいなので(あってますか?)、気体分子の励起はできません。加速する過程が必要となります。実験事実として、南向きの磁場を持つ太陽風が来た時にオーロラが激しくなります。これを踏まえて、「磁気リコネクション」が定説となっていて、計算機シミュレーションともあっているそうです。また、オーロ…

オーロラ(2)

オーロラは太陽からくる荷電粒子「太陽風」と地球磁場の相互作用が原因で起こります。磁気リコネクション(magnetic reconnection)という言葉が重要です。 太陽風は磁場も運んできます。太陽表面のコロナ(corona)、プロミネンス(prominence)、フレア(flare)などは聞いたことがあると思いますが、オーロラに関係するのはCME(coronal mass ejection)という大規模な物質(陽子と電子でできたプラズマ)の離脱です。もともとの駆動力は熱エネルギーなのですが、電離気体(プラズマ)の性質から、らせん状の磁場とプラズマの運動が一体となって磁気的な反発が重力に打ち…

オーロラ(1)

雪、コロナ、寒さ、に負けないように、オーロラの神秘に浸りましょう。 下記は私が見た中で一番きれいな動画サイトです。 https://auroraborealisobservatory.com/ オーロラの色は、赤(630nm付近に2本)、緑(557.7nm)、ピンク(後述)が主で、まれに青(427.8nm)です。 https://spaceweatherarchive.com/2019/05/12/rare-blue-auroras-over-canada/ この色は、赤と緑(Christmas color)が酸素原子(atomic O)、青が窒素分子の陽イオン(N_2^+)、深い赤(600-…

寛政暦

幕府天文方の話題。高橋至時は伊能忠敬の先生で、間重富と共同して寛政暦(1798)を作った人です。暦は結局、地球と月の軌道を表す式の係数を観測により求めることに帰着します。寛政暦では楕円軌道とケプラーの三法則をオランダの本で勉強して使っています。係数のチェックは日食・月食・星食の予測です。高橋至時は寛政暦で日食の開始時間に15分の誤差が出たことを苦にして、結核を押して夜間の天体計測を続け、41歳で亡くなってしまいました。この厳しい職業倫理は武士の教育から来ているというのが私の考えですが、どうでしょうか(至時(よしとき)、という名前に決意が表れているように思います)。先人は範とすべきところが多いで…